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はじめまして。 生後10か月でポリオウイルスに感染し、 後遺症で首から下に重度のマヒが…

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はじめまして。 生後10か月でポリオウイルスに感染し、 後遺症で首から下に重度のマヒが残ってしまった車椅子ユーザーです。 スーパー ハイパー ポジティブシンキングで突っ走ってきた半世紀の記録を 脳の老化予防を兼ねて綴っていきます。

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語①

はじめまして はじめまして、 高校卒業後の半世紀の記録を書いていきたいと思います 脳の老化防止も兼ねていますので 一部にフィクション、妄想、記憶違い、思い込みありますが、 ご勘弁ください(;´∀`) 私は、昭和20~30年代に猛威を振るったポリオウイルスに 生後10か月で感染し その後遺症で首から下はほとんどマヒがある 車椅子ユーザーです。 それでも3年前くらいまでは、 車を運転し、 フルタイムで仕事をし、 二人の娘を育ててきました。 障害のない人にとってはごくごく

    • 半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語57

      「花嫁が大好きなおばあさま」 翌年、長女の結婚式がありました。 「ママ、ドレスでいいかなぁ」 「お着物はちょっと無理だし」 「え、でもね、友達の結婚式で花嫁のお母さんがドレス着てたら スタッフに一般参列者と間違われちゃったみたいよ」 「着物、着れないかなぁ」 数日後、長女がLINEでURLを送ってきました。 「これ、どうかな」 ホームページを見てみると「明日櫻」という車いす用着物のレンタル会社でした。 明日櫻 – 車椅子に座ったまま誰でも簡単に着られる着物のお店 (

      • 半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語56

        「母に謝りたくなります」 2018年夏 夢のようなハワイ旅行からちょうど1年が経った頃のことです。 母の定期検診に付き添っている妹からLINEが届きました。 「やばい!肝臓にしこりがあって血液検査の結果数値が高いって」 「国立病院にCT検査に連れていく」 「え、この間は異常なしだったよね」 母には8年ほど前に私と同じ乳がんが見つかっていました。 同じ先生にに診て頂いていて、乳房の全摘手術を受けていました。 私は右乳房、母は左乳房がありません。 けれども経過は良好で、私と同様

        • 半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語55

          「有り金はたいてほんとによかった」 ここはワイキキの中心街、有名なお店が並んでいます。 多くの観光客が行き来する中、 ガイドブックとスマホを片手に娘たちがあっちだとかこっちだとか言いながら お目当てのカフェを探します。 「あ、ここじゃない?」 「あ、そうだね」 たどり着いたおしゃれなカフェ ところが、入り口は階段の上です。 段数は6~7段ぐらいあります。 「階段だねぇ」 「どうしようか」 「ちょっと、聞いてくる」 娘が階段を上がってお店の中へ すぐに出てきて、階段の横に回る

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          半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語54

          「そうだ、ハワイに行こう!」 還暦を迎えました。 いよいよ、普通のおばあちゃんデビューです、 定年退職後の雇用延長はお給料が大幅に下がってしまうので 「もういいかな」と、退職するつもりでした。 ところが、会社からのご厚意で仕事を続けることになりました。 定年は定年なので、少しだけ退職金と、残っていた有給休暇をとれるので 「どこかに旅行でもしたいな」 とソワソワし始めました。 「よし、決めた」 先ずは長女に連絡 「ねえ、ハワイ行かない」 「え、いつ」 「6月が一番安いんだけ

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          半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語53

          「何一つ恩返しが出来なかった」 その朝は珍しく雪が降り始め、大雪の予報が出ていました。 出勤時間にはまだあまり積もっていなかったので、 とりあえず出勤したのですが職場に近づくにつれて雪は激しさを増し、 いつもの通勤路はあっという間に雪景色に変わってしまいました 慣れない雪道を慎重に運転している時に妹から着信がありました。 「もしもし、おはよう、どうした?」 「じいじいが危ないんだけど、この雪じゃこれないよね」 「え、あ、そうなんだ」 「すごい雪で、もうすぐ会社に着くから、ち

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          半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語52

          「寒いからな、気をつけて帰れよ」 翌年の秋のことです 家族4人と母で恒例の軽井沢へ向かう車の中です 「きれいだねぇ」 「あ、ほらあの木もきれい」 窓の外には色づいた木々が徐々に増え始めていた時に 母の携帯電話がなりました。 「あ、〇子だ」 「もしもし」 「うん、うん、うん」 実はこの頃、父は腰痛を訴えていて、病院通いが続いていました。 この日は検査結果が出ることになり、受診の予約が入ってしまったのですが 「きっといつもの通り、軟骨がすり減って、神経を圧迫してる痛みって言

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          半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語51

          「死んじゃうかもしれない」 途切れてしまった電話 しばらく待っても再度の着信はありませんでした 「どうしよう」 とりあえず、専門学校の先生に連絡を取りました 状況を説明し、先生も情報を集めて、現地と連絡を取ってくださるということになりましたがなかなか難しいようです。 仕事中でしたが、Twitterで現地の状況を調べ続けました。 大きな地震があったことは分かりますが、ほかには何の情報もつかめずに 事務所で携帯電話を握りしめ無事を祈りながら 長女からの連絡を待ち続けることしかで

          半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語51

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          ピカピカのバリアフリーオフィス 2012年 56歳、四捨五入すると60歳で 再びフルタイム勤務の始まりです。 通勤時間は渋滞もあり1時間弱はかかります。 朝3人分のお弁当を作り(長女は友人とルームシェア中) 会社の制服姿で出勤です 本社が都内にあるためでしょうか、胸元に大きなリボンが付いたオシャレな女子事務員の制服は56歳の私にはかなり抵抗があるデザインでしたが、 鏡に映った制服姿にちょっとうきうきしながら車に乗り込み出発です。 窓や壁は煙草で汚れ、書類が積み上げら

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          「やったー!」 さて、落ち込んではいられません 先日受けた面接の採否連絡が来る前に、次です。 高速道路のインターチェンジのそばにある 「関係者以外立ち入り禁止」の看板を通り抜け 真っ赤なポルテを運転して待ち合わせ場所へ到着しました。 駐車場の入り口にスーツ姿の優しそうな男性が待っていてくださり なかへ誘導していただきました。 車の窓を開け「○○です」 と名乗ると 「お待ちしていました。ご苦労様です」 と笑顔で答えてくださいました。 私が車から降りようとすると 「すみま

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          「行くしかない!」 翌年5月、最後の手段 かの有名な求職サイトに障碍者専用の窓口があることを ネットサーフィンをしていて見つけたのです 「へぇ、こんなの出来てるんだぁ」 「時代は変わったのねぇ」 「たぶん無理だろうけれど、まぁ、ダメもとで」 と、いつものようにとりあえず登録だけしてみました そして、面談を申し込むと、 なんと面談場所は都内の、たしか板橋の方だったとおもいます 一人で都内まで行ったことはありませんでした 「どうしよう、行けるかなぁ」 しかし、行くしかない!

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          「やっぱり、もう限界かな」 この職場もいろいろエピソードは尽きません 相談員さんは女性が多かったこともあり、子育て、家庭の不満、 恋バナやら、派閥やら、ランチタイムの話題には事欠きません ドラマに出てくるような、ごくごく普通の毎日です。 ただ、普通でないのは17:30終業のチャイムが鳴った後です 就業時間になるとチャイムの音とともに私の席にガードマンさんがお迎えに来てくださいます。 裏口の段差をおろしてくださり、車までエスコートいただきます。 いつのころからかガードマ

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          「はい、ごもっともでございます」 せっせとお仕事探しにハローワークへ通っていたら ある日、障がい者職業相談担当の責任者の方が 「こんな求人、うちでも出してるんだけど、どうですか」 と一枚の求人票を見せてくださいました 「職種:専門援助部門職業相談員」 フルタイムの3年契約、嘱託職員、 お給料は時給750円とは比べ物にならないほど 夢のような金額が書いてありました いやいや、こういうお仕事はその道の専門家がされるものでしょう それがなんと、 学歴も経験もない私を職業相談員

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          「チャンスの神様の前髪をわしづかみ」 状況は極めて困難 僅かな失業手当もあっという間に期限切れとなってしまい 職業相談にハローワーク通いも始めました 障害者求人で何かいい求人ないかなぁ と僅かな希望を持ちつつ、職探しです 新聞折り込みの求人広告を隅から隅まで見ていた そんなある日、求人広告の隅っこに小さな小さな記事を発見 「事務員募集」 普通の事務員募集は大体が車椅子NGだったのですが 勤務場所 水道局 と書いてありました。 たしか、水道局は県の合同庁舎の中にあった

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          「お金がどんどん出ていきます」 「うんめい」の出会いの真っ白いトイプードルくんは 生まれてから5ヶ月経っていたその頃 なかなか家族が見つかっていないようでした 夫が黙っていると、次女がついに泣き出しました 「私がぜったいめんどうみるから」 「パパ、おねがいだからこの子うちの子にして」 「おねがい」 大きな瞳から涙が溢れています こうなったらもうパパもお手上げです いろいろ手続きをして、うちの子になった 真っ白いモフモフを抱っこして家路についたとき もう外は真っ暗

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          「初めて愛情を注いだ小さな命」 この頃、15歳になる長男たつのりくん(トイプードル)は心臓が弱り、 お散歩は行かないようにと獣医から言われ、 さらに、ひどい歯槽膿漏で度々口から出血するという状態でした。 仕事から帰ると娘が 「ママ、タッチがまた口から血が出てるよ」と言い 急いで、かかりつけの病院へ連れていくという繰り返しです。 「もう病院は連れてくるのもかわいそうだから、お家で静かに過ごさせてあげてください」 先生にそう言われ、病院通いはやめました。 だんだん食欲も

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