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小柳とかげ
2021年3月29日 23:05
この空の下、あいつはどこかに転がっている。ああ、こんな空なら横たわってるのも幸せかもな。抱きしめるべき人間を抱きしめることができずにいた自分を責めれなかった。自分に出来ることは限りなく少なくて、笑うだけでそっと許されるような世界ならどれだけ良かったか、と思う毎日だ。でも、彼女の痛みを少しでも取り除きたいと思うのも本心なんだ。馬鹿げたことを言ってるってわかっている。切ないな。空はこんなに
2021年3月26日 23:29
あの日のことはもう覚えていない。何日だったか、何月だったのか、季節はきっと、夏じゃなかったはず。なんの服を着ていたっけな。何も覚えていない。何を覚えているべきだったかもわからない。でも、何かが欠如した気がする。その欠損は人生の中心では無いはずだ。ないはず、私は何も欠けていない。欠けているのだとしたら、それも含めて私なのだ。なんて、どうでもいい。そんなわけない。なんの関係もない。馬
2021年3月25日 22:12
桜が咲いたらしい。水筒は落下した。サメのぬいぐるみはお風呂を泳ぐ。吊られたライオンはロングヘアの虚無を見た。猫なで声を上げたあの子が海の底を歩いた時、金髪のあいつは布団を蹴った。塩を被った。ワインは馬鹿になる。バカならバカなりに、爪をはぐ。ずっと昔はいつかの未来となり得るの。才能があったのに定期券はここから逃げた。スマホケースは山の中心。彼が崩れたばっかりに、蟻は上手になっち
2021年3月23日 21:54
頭がぼーっとする。頭が回らない。動けない。私の頭はもう眠りについている。なのに、私の理性は起きようと、私の生活はまだ寝てはならぬと、強制してる。頭があるという実感がある。それはなんとなく悪いことのように思う。脳があることは自覚してはいけないのではないか。目が閉じそうで、視界が歪む。目の上に頭がある。脳が重くなり瞼を閉じさせようとする。脈を感じる。心臓を感じる。ドクドクと
2021年3月22日 23:04
1本だけ咲いた桜の木をしっかり見届けたつもりだった。しかし、僕の記憶の中にはまだ咲かない蕾をつけただけの桜の木の方がより深く刻まれていた。瓦礫が沢山積まれていた。たぶん冷蔵庫とかエアコンとかの類。人の暮らしを支えていたはずの彼らは、人知れず朽ちていく。あの道を1本でたところは毎日通っているのに、僕はそれらの存在を知ることは無かった。僕は何も知らないのだと思い知らされる。この街並みを見なれて、た
2021年3月21日 22:54
虚無を抱く。1人になったベッドの中で、私はシャワーの音を聞く。ただ湿り気を感じる。ぼんやりとした視界の中で、私はなんでここにいるのだろうという思考が巡る。愛した人ではない。布団の中に入ってきたその人は私を抱く。私もそれに合わせて擦り寄るけど、心は静かに冷えていく。私は好きでもない人と抱き合えてしまう人間だった。そのことがもう当たり前だったが、たまに寂しくなってしまう。誰かに抱きしめて
2021年3月19日 19:21
消えゆく私は赤の中。明後日を泳いだあの子はもうずっと後ろに。10年後に落ちる葉っぱの鋸歯を見た。彼は振り返ることなく、落としたものになる。揺れて揺れて巻き上がる。夏の日に見た道路の蜃気楼なんてあいつの人生を語るよりずっとできっこない。猫になる。指が白く伸びていく。黒にはなれずにいる影はもっと先を進む。またあの日を懺悔する。消えてなくなる。消えたら存在がわかるもの。大事な人な
2021年3月15日 22:34
【大学入試の没作品】『高校生の自分から遠くにいるきょうだいへの手紙』というお題の元書いた作品がこちらです。実際に提出したのはこれじゃなくて、同じ設定に近いけど視点を変えたもの。そちらの原稿が出てこなかったので、まずこれだけを投稿します。18歳に未だなれていない夏、僕は原稿用紙に向かっていた。高校の受験はとても寒かった。今はどうだろう。クーラーが効きすぎて長袖のメッシュ生地では少し肌寒い。窓の
2021年3月14日 22:54
空は青ければいい。空はただただ青くて、遠くまで透き通る。青があるから、その他のものはより輝く。花の赤は光るかのようで、生き物たちにも輪郭が明確にある。影はより深くなる。濃く、深淵のごと。そこから、異質なものが湧き出る。黒の影からは簡単にそれらは出てくることが出来る。薄い影だと無理がある。しかし、あの強い光の元ならば、影は明瞭になり入口が確かとなる。ああ、今にもやつらは入り込む
2021年3月12日 22:15
洗濯されたい。我が身を綺麗に洗い流して、太陽の下に干されたい。良い風が吹いている。草木がサラサラと音を立て、何処かで川の流れる音が聞こえる気がする。自分の中を新しい空気が通って、乾かしていく。心は穏やかで身も軽い。「なんで子供はロウソクの日を消したいのだろう」なんて、考えてるようで何も考えていない。あの頃の日々は楽しかった。清く美しいと思う。楽しいことしかなくて、何かが出来なければ
2021年3月10日 22:38
真っ暗になる。視界から色が無くなる。音が大きく鳴り響き、私の中を揺らす。どくどくと脈が打つのがわかる。その時、舞台の上に明かりが存在した。彼らは天使だ。彼の歌声が私を包み、透き通る。あの人が出した音が私の身体を震わせる。彼らは天使だ。だから4人組なのだ。この場所に降臨しては、人々を浄化する。私の両隣に空いた席はきっと、誰かが座っている。この満席の会場を埋める椅子の半分は空席。そこ
2021年3月8日 20:50
まちがいさがしの間違いの方に生まれてきたような気がしてたけど、正解の方じゃ出会えなかったと思うなんて歌詞を聞いていい歌詞だなぁなんて思うけど、実際間違い探しに正解も不正解もないんじゃないか?でもなんでか、どっちかを間違いだと思っているもんな。正しいのがどっちかなんて考えてないくせに、両者が間違いだと思っていたよね。え?右が正解で左が間違い?なんで?ああ、確かにこっちの方が非現実的か。い
2021年3月4日 20:11
山に足を運んだ。川に足を運んだ。なんて文章から始まる意味がわかると怖い話を思い出した。桜がまだ咲いていない山を歩く。梅が散った山を歩く。僕はただ歩いているだけ。死体なんて運んでいない。まあ、1人でこんな場所を歩いているだなんて変な人と思われるのだろう。黒のスーツに、革靴、もう日は昏れる頃だ。不審者とでも思われてるのかな。いやいや、そもそも誰もいないじゃないか。なんだここ、1本道を間違
2021年3月2日 21:59
換気扇の音が響く。足から伝わる冷気が私の足を重くする。作った肉じゃがは、醤油を入れすぎた気がする。美味しそうだけどしょっぱいのかも。なんてこともない日常。平和な日々。心が穏やかだ。昨日までは何かに取り憑かれたように、鬱々とした思考がめぐり考えていないようで黒い霧が脳を覆っていた。でも、何故か私の心は、頭は晴れやかで、生きているのが楽だと感じた。私の日々のあれは、普通の人が抱えている