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散文 区間準急は乗りたくなる
1本だけ咲いた桜の木をしっかり見届けたつもりだった。しかし、僕の記憶の中にはまだ咲かない蕾をつけただけの桜の木の方がより深く刻まれていた。
瓦礫が沢山積まれていた。たぶん冷蔵庫とかエアコンとかの類。人の暮らしを支えていたはずの彼らは、人知れず朽ちていく。あの道を1本でたところは毎日通っているのに、僕はそれらの存在を知ることは無かった。
僕は何も知らないのだと思い知らされる。この街並みを見なれて、ただのノイズとなった人がいる。
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