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散文 水面の境

まちがいさがしの間違いの方に生まれてきたような気がしてたけど、正解の方じゃ出会えなかったと思う
なんて歌詞を聞いていい歌詞だなぁなんて思うけど、実際間違い探しに正解も不正解もないんじゃないか?
でもなんでか、どっちかを間違いだと思っているもんな。正しいのがどっちかなんて考えてないくせに、両者が間違いだと思っていたよね。

え?右が正解で左が間違い?なんで?
ああ、確かにこっちの方が非現実的か。
いや、でもさ、ただ長さの違いとかばっかじゃんか。ああ、この子の目がハートってか。
てか、よく見つけるね?全然見つからないんだけど。

そっちだからかなぁ。
やっぱ君もこっち側に来てよ、ほら、ダメ?
こっちも楽しいのになぁ。
君は、夕焼けが水面に映るのが綺麗だって言うでしょ?こっちだって同じなのになぁ。
君たちは、景色が水面に映っていると思ってるけどさ、僕からしたら君たちがいる場所の方が映ってる世界なんだよ?むしろ、偽物だよ。
そもそも、僕らはそっちに世界があることを知ってるけど、君たちは知らないんだろ?
なら、無知なのはそっちだと思うけどなぁ。
僕らの方が賢いし、世界を知っているのに、君らはこっちの方が劣っているって言うの?
ほら、考えてみなよ、君がこっちにくるの嫌な理由は何?
そっちの世界の方が美しいって?
馬鹿げたことを。
まあ、いいよ、君は君が生きてきた世界が正解だと思っているんだからね。いいよいいさ。
君はこの場所を離れたら、僕との会話を忘れるんだよね。
忘れるまでにお母さんに言ったとしても、夢でもみたんでしょうって言われるんだ。
そして、君は夢を見たんだなぁって思う。
いいねえ、それでこそそっち側の考えだよね。

じゃあ、もう、いいや。
あ、でも、僕らはいつでも君たちを歓迎するよ。君たちは僕らを歓迎してくれないだろうけどね。
じゃあね、頑張って。

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