見出し画像

散文 秋の存在は春の冒涜

あの日のことはもう覚えていない。何日だったか、何月だったのか、季節はきっと、夏じゃなかったはず。なんの服を着ていたっけな。
何も覚えていない。
何を覚えているべきだったかもわからない。
でも、何かが欠如した気がする。
その欠損は人生の中心では無いはずだ。ないはず、私は何も欠けていない。
欠けているのだとしたら、それも含めて私なのだ。
なんて、どうでもいい。
そんなわけない。
なんの関係もない。
馬鹿げたことを言ってて、取り合ってくれる人なんてどこにもいない。

ところで、秋ってさも春と同じような顔してるけど全然違うよね。
秋は、なんか春みたいでしょ、春とほぼ同じ、同期だよ、なんて顔してるけど、長い休みもないしろくでもないさ。
春は始まりだし別れだし新しい出会いだし、異常事態だ。
でも、秋なんてほのぼのと暑かったり。
確かに夏と冬は別格な感じはするよ。いいとは言わないけど。暑すぎるし、寒すぎるしやってらんないのに、長い休みあるしなんかいい感じするよね。
でも正直秋はほぼ夏じゃん。夏だわ。
春は?春は春なんだよね、冬でもない、夏でもない。
ああ、早くあの時に戻りたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?