森の子日記

「那須コーヒーパルキ」店主。 那須高原の小さな焙煎小屋でコーヒー屋を営みながら、ネコと…

森の子日記

「那須コーヒーパルキ」店主。 那須高原の小さな焙煎小屋でコーヒー屋を営みながら、ネコと暮らしています。 森の暮らしのなかで思うこと。焙煎のこと。 コーヒーでも飲みながら読んでくださいね。

マガジン

  • コーヒーづくり

    庭先にDIYでつくった焙煎小屋で、コーヒー豆の販売とコーヒースタンドのお店をオープンしました。焙煎のこと、1杯のコーヒーのこと。コーヒーについて「正しさ」ではなく、「楽しさ」を発信していきます。

  • 森の暮らし

    森のかたわらにある家での日々。那須高原の厳しい冬を過ごすための薪づくりやDIYなど「自分でつくれるものはできるだけつくる」暮らしを発信しています。

記事一覧

生息地ブレンド「カピバラコーヒー」の完成。

「カピバラのコーヒーなんて、つくれないかな」 いろいろとお世話になっている、那須どうぶつ王国の方から、そんなお話しをいただいた。 日本でカピバラが好きな人はたく…

森の子日記
3か月前
20

酸味の壁

ふだんお店で接客していて、気づいたこと。 それは、お客さんの好みのコーヒーに以下のような傾向があるということ。 昔からコーヒーに馴染みがあり、よく飲んできた中高…

森の子日記
11か月前
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あれよあれよと、コーヒー屋になってしまった。

 東京で生活していたときは、ほとんどコーヒーにこだわりがなかった。 小さなコーヒーメーカーをつかい、スーパーで購入した挽き豆をドリップして、飲む。コーヒー豆が何…

59

譲り受けた薪割り機

「ウィィィン、バキバキバキ」 果てしなく繰り返される、薪割り機による薪割りの音。 冬になると連日氷点下になる森で暮らしているから、薪ストーブの燃料となる薪を夏でも…

4

焙煎小屋の窓

雨の日の焙煎小屋は、来店されるお客さんが少ない。 そんなとき、小屋の室内で小さな仕事を片づけて、のんびりと過ごす。 お店のBGMにはあまり似つかわしくない音楽を流し…

12

どこかの惑星へ

山が好きで山のある町に住んでいるけれど、登山ができていない。 コーヒーの仕事で「あれもやらなきゃ。これもやらなきゃ」と考えているうちに、気持ちのいい登山の季節は…

9

おいしいコーヒーとはなにか

お店で人がつくったコーヒーを飲むのが好きだ。 カフェじゃなくても、いろんなドリンクメニューが選べても、だいたいコーヒーを頼んで、飲む。 旅行先とか、東京とか、遠…

17

お店をつくってよかったこと

毎年、毎年、出店だけでコーヒー屋をつづけてきた。 シーズンになると、観光の人が訪れる土地だから、人が集まる場所に出向いてコーヒーを販売させていただく。 そんなとき…

7

コーヒー屋になって気づいたこと

人が聞いても、へぇとしか思わない、小さなこと。 コーヒーを仕事にしてから、5年。 お店でお客さんにドリップしたコーヒーをお渡しして、お代をいただく。このシンプルな…

10

山がはっきりと見える

先日、ロープワークで樹木のケアをしている友人が来てくれた。 木に登るためのロープやらカラビナなどの道具を車から出してきて、仕事でもないのに、焙煎小屋の背後にそび…

3

焙煎小屋の完成

製作にとりかかったのは、去年の12月。 コーヒー屋のお仕事が落ち着く季節を見計らい、基礎づくりからスタートしたけれど、あれよあれよという間に季節は過ぎていき。。…

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生息地ブレンド「カピバラコーヒー」の完成。

生息地ブレンド「カピバラコーヒー」の完成。

「カピバラのコーヒーなんて、つくれないかな」
いろいろとお世話になっている、那須どうぶつ王国の方から、そんなお話しをいただいた。

日本でカピバラが好きな人はたくさんいる。那須どうぶつ王国でも、そのユーモラスで可愛らしい見た目が人気で、いつも多くの人がカピバラを撮影したり、触れ合ったりしている。

那須どうぶつ王国にあるグッズショップでは、当然、かわいいカピバラのキャラクターがあしらわれた商品がい

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酸味の壁

酸味の壁

ふだんお店で接客していて、気づいたこと。
それは、お客さんの好みのコーヒーに以下のような傾向があるということ。

昔からコーヒーに馴染みがあり、よく飲んできた中高齢層の方は、深煎りを好み、砂糖とミルクをいれて飲む方が多い。つまりコーヒーというのは苦い飲みもので、それを砂糖とミルクでマイルドにして飲む、というコーヒー文化が根付いているのかもしれない。(わたしはちがうという方、すいません)

一方、ず

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あれよあれよと、コーヒー屋になってしまった。

あれよあれよと、コーヒー屋になってしまった。

 東京で生活していたときは、ほとんどコーヒーにこだわりがなかった。
小さなコーヒーメーカーをつかい、スーパーで購入した挽き豆をドリップして、飲む。コーヒー豆が何であるかもよく知らなかったけど、コーヒーを楽しんでいた。

そんな感じだったのに、いまではコーヒー屋をやっている。

東京から那須に来て2年目くらいのとき、料理人歴の長い友人から「コーヒーの焙煎をやってみたら?」といわれた。

なるほど、こ

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譲り受けた薪割り機

譲り受けた薪割り機

「ウィィィン、バキバキバキ」
果てしなく繰り返される、薪割り機による薪割りの音。
冬になると連日氷点下になる森で暮らしているから、薪ストーブの燃料となる薪を夏でもつくっている。

最初は斧を購入して、自分の手で薪を割っていた。素人でも数百回も斧を振り下ろしていると、誰に教わるでもなく薪割りがうまくなる。
ただ、うまくなるまでの間に、無駄な力で腕を酷使したこと、さらにコーヒーのハンドドリップで1リッ

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焙煎小屋の窓

焙煎小屋の窓

雨の日の焙煎小屋は、来店されるお客さんが少ない。
そんなとき、小屋の室内で小さな仕事を片づけて、のんびりと過ごす。

お店のBGMにはあまり似つかわしくない音楽を流したりしながら、新しく仕入れたコーヒー豆の味を確認する。そんな時間が好きだ。

たまに窓から母屋の建物をながめる。
母屋は築50年以上経過した平屋の住宅をリノベーションしたもの。好みの外観に仕上げたけれど、家というのはほとんどの時間を建

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どこかの惑星へ

どこかの惑星へ

山が好きで山のある町に住んでいるけれど、登山ができていない。
コーヒーの仕事で「あれもやらなきゃ。これもやらなきゃ」と考えているうちに、気持ちのいい登山の季節はどんどん過ぎていく。

これじゃだめだと思って、スケジュール帳に「この日は那須山に登る」と書き込んで、なかば強制的に山へ出かけた。

登山口から1時間ほどで、那須連山の各山へと縦走できる休憩所に着く。
田舎にいると移動は車だし、仕事では足を

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おいしいコーヒーとはなにか

おいしいコーヒーとはなにか

お店で人がつくったコーヒーを飲むのが好きだ。
カフェじゃなくても、いろんなドリンクメニューが選べても、だいたいコーヒーを頼んで、飲む。

旅行先とか、東京とか、遠くに出かけたとき、とくに飲みたいと思う。
いま、世の中ではどんなコーヒーがお客さんに注文され、飲まれているのだろう。そんなことを思いながらコーヒーを飲むと楽しい。

コーヒーには浅煎りから深煎りまで味わいのちがいがあり、産地ごとにつくられ

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お店をつくってよかったこと

お店をつくってよかったこと

毎年、毎年、出店だけでコーヒー屋をつづけてきた。
シーズンになると、観光の人が訪れる土地だから、人が集まる場所に出向いてコーヒーを販売させていただく。
そんなとき、「どこかにお店があるんですか」とコーヒーを買いに来たお客さんから聞かれる。

小さなコーヒースタンドではあるけれど、「はい、あります」と言えるようになった。出店先でお客さんとの一期一会の出会いは、軽やかな気持ちよさがある。一方でお店を構

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コーヒー屋になって気づいたこと

コーヒー屋になって気づいたこと

人が聞いても、へぇとしか思わない、小さなこと。

コーヒーを仕事にしてから、5年。
お店でお客さんにドリップしたコーヒーをお渡しして、お代をいただく。このシンプルなやり取りのあと、お客さんはコーヒーを飲む。その光景を数え切れないくらい見てきて、気づいたこと。

お客さんのテーブルにコーヒーが加わることで、会話がより弾んだように見える。より笑顔になったように、見える。つまり、お客さんが笑顔になって会

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山がはっきりと見える

山がはっきりと見える

先日、ロープワークで樹木のケアをしている友人が来てくれた。
木に登るためのロープやらカラビナなどの道具を車から出してきて、仕事でもないのに、焙煎小屋の背後にそびえ立つコナラの木に巻き付いた巨大な藤づるを切ってくれるという。

コナラの幹を締めつけていた、人の足くらいの太さがある藤づるを、よく切れるノコギリでギコギコやっては、地面に落としていく。
ほぼ1日かけてつるを落としたら、まっすぐに伸びたコナ

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焙煎小屋の完成

焙煎小屋の完成

製作にとりかかったのは、去年の12月。
コーヒー屋のお仕事が落ち着く季節を見計らい、基礎づくりからスタートしたけれど、あれよあれよという間に季節は過ぎていき。。。

春の完成を目指していたものの、お盆を目前にした7月下旬、やっと焙煎小屋が完成。自宅敷地の片すみに、たった6帖の小さなお店をオープンできた。

いままでは離れた場所に焙煎所があったけれど、これからは必要なとき、よりスムーズにコーヒー豆を

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