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人文・社会全般

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#地理学

地名の話

地名の話

 今日は、7月28日が「地名の日」ということで、地名の話をしたいと思います。このタイトル、読む人が読めば分かるのですが、柳田國男の真似をしています。

柳田國男と地名 柳田國男は日本の民俗学の確立に大きく貢献した人物であり、地理学の概論では蝸牛考(カタツムリの呼称の地域差)で有名です。柳田は当時の地理学者とも接点を持っており、実は地理学評論にも寄稿しています。柳田國男(1932a)「地名の話(上)

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「人間」って何だろう

「人間」って何だろう

 最近、地理に関することをたくさん書いているので、今回は少し離れて、ぼんやりした話を書いてみます。「人間って何だろう」、「人間らしさ」て何だろう、という疑問です。ヘッダーは人ではなく、稲の中から出てきた実家の猫です。ジャングルから出てきたトラのような風格をそなえています。

「人間」や「人(ひと)」の意味は何なのか この疑問は、私が素朴に何度か考えてきたものです。というのも、「人間らしい」という言

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研究を音楽にたとえてみた

研究を音楽にたとえてみた

 今回は、研究者が行う研究活動、特に論文を発表する作業を、アーティストの音楽活動でのCDの発売にたとえるとどのように表現できるか考えてみたいと思います。ヘッダーは学術雑誌とCDを重ねて写真を撮ったものです。BUMP OF CHICKENのファンです。

 研究者というと、実験室で白衣を着て実験を繰り返しているようなイメージの方もいるかもしれませんが、研究者も分野によって様々です。そして、研究者と呼

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文章を書くときの「引用・参照」について

文章を書くときの「引用・参照」について

 今回は、文章を書くうえで気をつけていることについて書きます。なんだか難しい内容のようですが、シンプルな内容です。ヘッダーはジェットストリームの多色ペンです。とても便利です。

 何かの文章を書くときに、誰かの文章を参考にしたら、参照元を示すことがとても大切です。また、引用であることが分かるように括弧でくくったり、出典を示して参考文献をつけたりします。特に大学で書く文章では厳しく指導されるのではな

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「仕事から仕事へつなぐこと」の大切さ

「仕事から仕事へつなぐこと」の大切さ

 最近、地図の作り方の説明などを書きながら、広い意味でのものづくりについて考えていました。今回は、「仕事から仕事へつなぐこと」の大切さについて考えたことを書いてみます。ヘッダーは、「職人」として思い浮かんだ「大工」に関する地名、「元大工町」がある青森県弘前市の城下町です。日本の城下町起源の都市には職人集団にちなんだ地名が今も残っていますね。

 さて本題ですが、私は地理に関わる仕事をしているので、

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図書館の地理を歩く(その2):蔵書の構成を知る

図書館の地理を歩く(その2):蔵書の構成を知る

 今回は、「図書館の地理を歩く」の第2回目の記事です。というのも、前回、図書の分類記号について調べたらとても興味深く、さらに詳しく調べてみたくなったためです。

 まず、図書の分類を決める日本十進分類法は、現在の最新版は第10版であることがわかりました。これまでに何度か構成の修正を重ねているということですね。また、この構成ごとに細かい分類を説明する資料が整理されていました。

 さらに、日本統計年

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ショウペンハウエル『読書について』の読書ノート

ショウペンハウエル『読書について』の読書ノート

 今回は、ショウペンハウエル著『読書について』(岩波文庫,1960)の読書ノートです。読んだのはもう数年前ですが、最近、図書館について考えている中で思い出し、改めて読んでみました。ヘッダーは本題とは関係していませんが、ロゴ用に画像を作ってみました。地形図をイメージして描いています。

 この本は、「̻思索」「著作と文体」「読書について」の3つの章から構成されています。これらのことからショウペンハウ

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夏休みの宿題(作文と読書感想画)の思い出と、地理的思考の話

夏休みの宿題(作文と読書感想画)の思い出と、地理的思考の話

 今回は、中学生の頃に夏休みの宿題になっていた作文と読書感想画について書いてみます。私は、文章を書くことが苦手でした。本を読むのも得意ではなく、夏休みの宿題の中でも作文は私にとってなかなかの天敵でした。そして、中学生の頃の宿題だった読書感想画も、まず本を読んでから描かなければならないので、かなり後回しにしていました。今回はその頃を振り返りつつ、経験が思考に結びつくことについて考えます。そして、それ

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