マガジンのカバー画像

考えごと

62
運営しているクリエイター

#エッセイ

言葉を集めて/物語とドキュメンタリー

言葉を集めて/物語とドキュメンタリー

数年前までは、ドラマはほとんど見なかったし、映画もそんなに観る方じゃなかった。本についても、基本的にはノンフィクションのものしか読んでいなくて、小説は年に1度読むか読まないかというくらいだった。

そんな中、編集者として編集しながら自分自身も文章を書く機会が増えてきた。

伝えたいこと、伝えるべきことに向き合った時に、自分の気持ちにフィットする言葉が全然見つからないことに愕然とした。研究員として働

もっとみる
読書は言葉への投資

読書は言葉への投資

本を読むことが好きだ。子育てと仕事の合間をなんとかやりくりしながら本を読んでいるけど、仕事が忙しくなると全く読めない。本だけでなく、新聞さえ読めない日もある...

仕事でフリーマガジンを作り、自分で記事を書くようになってから、言葉の筋力みたいなものの大切さを感じる機会が増えた。

取材した内容を自分の言葉で書こうとした時、するっと書けることもあれば、うわっつらな言葉しか思い浮かばず、時間だけが過

もっとみる
暮らしの最適化

暮らしの最適化

最近、自己理解が少し深まったので、そのきっかけについて書いてみます。

少し前、twitterで、研エンの仲というポッドキャストを聞き始めました。研究者のAyaka (@kayautoka)さんと、エンジニアのRyohei (@fushimir)さん夫婦が、ゆるくあれこれお話されていて、研究者やエンジニアとしての視点で語る日常生活のあれこれがおもしろいです。

で、「はっ!」と気づきを得たのがこの

もっとみる
退屈と戦う

退屈と戦う

夫に紹介されて、気になっていた番組をオンデマンドで見た。

著作が注目を集める3人の識者、独立研究者・山口周さん、経済思想家・斎藤幸平さん、医療人類学者・磯野真穂さんが、それぞれの考察を語っていく50分程度の番組だった。

話は、3人がコロナをきっかけに読み返した本、「モモ」を軸に進んでいく。

斎藤さんは、モモに出てくる灰色の男たちは、資本主義の資本だと言う。そして、私たちが退屈している時に、灰

もっとみる
星野源と沖縄とアーティスト

星野源と沖縄とアーティスト

twitterを眺めていたら、沖縄に暮らしている同じオンラインサロンのメンバーが、ある記事をシェアしていた。

歌手の星野源さんが21日深夜(22日午前1時)放送の「星野源のオールナイトニッポン」で、自身の楽曲でドラマ主題歌の「不思議」が、琉球大学教育学研究科の上間陽子教授の著書「裸足で逃げる」に出てくる沖縄の少女たちに届けたいと思いながら作った曲であることを明かした。

この日は、荻上チキさんが

もっとみる
理想的なハコモノを考える

理想的なハコモノを考える

終了間際に、子どもたちの遊びが深まりだした。

今、基地づくりをしていて、山に小屋を建てている。その小屋の近くに、焚き火を囲めるサークルを作りたいなあと考えて、焚き火用に穴を掘っていたら、その穴をお風呂に見立てて子どもたちが遊びだした。

子どもたち:「落ち葉が無いんよなあ」
私:「落ち葉なら、上のキュウイ畑にあるよ」

そう答えると、子どもたちは上の段のキウイ畑に走って行った。それから15分くら

もっとみる

長く続くコミュニティって?

リアルでもオンラインでも、これまでいくつかのコミュニティに属してきた。

期間限定のものもあれば、継続的なものもあったけれど、長く続くコミュニティには大きく2つの秘訣かあるんじゃないかと考えている。

1つは以前もこのnoteで書いたように、メンバーを囲い込むのではなく、活動内容を充実させ、質を維持したり高めたりする努力がされていること。

続くコミュニティは、オーナーと参加者の境界線がくっきり分

もっとみる
まともな言葉と、強い言葉のはざまで

まともな言葉と、強い言葉のはざまで

インターネットは強い言葉が溢れている。誰かのフィルターを通ったのか?、と疑いたくなるような強い言葉に触れると気が滅入るので、特にSNSは見すぎないように気を付けている。

強い言葉や、分かりやすい言葉、すぐに役立つ○○などが拡散されていく様子に出合うたび、2つの記事を思い出す。

私たちは、何のために書くのだろう?

フォロワーやいいねを増やすため?
自分の気持ちや頭の中を整理するため?
自分を何

もっとみる
他者をジャッジしないという能力

他者をジャッジしないという能力

本当にたくさんの人と関わりながら仕事をしている友人がいる。議員さんから、社長、アーティスト、関わる人の職種も多様だ。

たくさんの人と関わりながら仕事をするには、体力がいる。お互いの長所や短所を理解し、意思を尊重しながら成果には妥協しない、そんな精神的なタフさも求められる。

さらに言えば、「この人はこういう人だ」と、一方的にジャッジせず、真摯に向き合う姿勢が必要だ。

自分に近い意見を持っている

もっとみる
地域編集と向き合う

地域編集と向き合う

新しい仕事について、迷っていた。こうしてnoteに記事を書いてはいるけれど、書くことのプロではないし、取材して文章を書いたこともない。

なので、ちゃんとした出版物を出すには、やっぱりプロに頼まないといけないのかなあと弱気になっていた。デザインと写真はプロにお願いするつもりだったけど、やはり文章もライターさんにお願いするべきなのかなとか。

迷い始めたその日、偶然にも所属している「りスクール」のメ

もっとみる
目的を大事にしすぎると、自分が枯れる

目的を大事にしすぎると、自分が枯れる

久々にジブリ汗まみれというpodcastを聞いた。

英語学習のためのpodcastは毎日聞いているのだけれど、目的を持たずに音声を聞くというのは久々だった。

聞き始めるとすごくおもしろかった。(うる覚えだけど・・・)

宮崎駿監督にとって、いかにナウシカが大事かクシャナは近代人で、

ナウシカはそれ以前の人、人間(だけ?)が大事っていうのが近代の考え方

こう言っちゃうとあれだけど、宮さんはナ

もっとみる
料理は手段であって、目的ではない

料理は手段であって、目的ではない

先日、NHKあさイチのプレミアムトークに、伝説の家政婦タサン志麻さんが出演されていた。私はひねくれているのか、料理家というとなぜか商業的なにおいを感じ取ってしまい、少し距離を置きたくなるのだけれど、なぜか志麻さんには好感を持っている(レシピ本は持ってないけど)。

それは、なぜだろう。

伝説の「家政婦」というネーミング?古民家に暮らしているから?どれもしっくりこない。

例えば私は、バターとか生

もっとみる
発信力より、受信力を高めたい

発信力より、受信力を高めたい

「発信力が注目されてますけど、コミュニケーションって、受信力も大事なんですよね。」

「ドキュメンタリーって、あんまり編集されていないから、感想は見る人によるんだよね」

「自分が考えていることや発言することに、ほとんど価値はないんだと思います。」

ここ最近、別々の場所で、別々の人から、受信力の大切さについて考えさせられるきっかけをもらった。

フォロワーを増やす・・・
集客力を高める・・・

もっとみる

楽しいと安心のあいだを埋める

市の家庭教育委員として活動している。先日、そのメンバーとのミーティングで、自分たちの活動の目的を改めて考える機会があった。

「楽しいことは他のところがやっているから、自分たちは困っている人をサポートしていくことが大事だよね。」

と、1人のメンバーが話してくれたのだけれど、この言葉を聞いて、自分自身も楽しいことより、「安心」を感じられることに興味があるなと改めて気づいた。

安心は買えるとは限ら

もっとみる