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【現代詩】『綺麗の定義』

『綺麗の定義』 赤黄緑紫

新宿に来て布を買ツて電車に乗ッタラ何処からともなく「綺麗」の議論が耳に届ひて考へをよひ具合にかき回して呉れ得る√此処に一つの氣持ちが煮詰まる夕刻、カレーの香り只、酔、う、黄昏(。)
例えば私は母の謂う「綺麗」を不思議におもふ むげん堂で買った輪ッカのイヤリング、彼れを母は綺麗とゆうた
が、それはどうして
叔母の謂う「綺麗」、タイル選びにガラスの微塵ー。一体何が綺麗なのか

思へば日頃私には、なにかを「綺麗」とおもふことが無いのやも知れぬ。世に謂う「綺麗」の塊は、自然の邪魔をしてしまわぬ様、注意を払ふ=謂わば自然のご機嫌を取ったもの
私が「綺麗」と括っているのは
=私=ばかりのご機嫌を取って媚ついてくるもの達の“媚態”なのだった
不意に√其奴等の泣き声が聞こえるー駆け着けて直ぐに 抱き締めてやりたひ


あかきみどりむらさき
2019ねん

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