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単行本「九月の雨はクラゲ色」を、BOOTHの秋風堂書房より発売いたしました。
みなさん、こんばんは。くにんです。
今冬一番の寒波が襲来しているとのこと、寒いですねぇ。
さて、今回は嬉しいお知らせです。
先日から制作作業をしておりました僕の初めての掌編・短編集が、BOOTHの秋風堂書房から文庫本として発売されました!
題名は「九月の雨はクラゲ色」。著者名は「秋野紅人」。これは「くにん」の元々の筆名です。A5の文庫本で266ページです。
ブログ「コト
【短編物語】何も書かれていない手紙が途絶えた時 ~サイド ビー
これは、遠い遠い国の昔々のお話です。
その頃はまだ、電灯はおろかガス灯も発明されておらず、人々は朝日が昇るのに合わせて起き出し、太陽の光の下で畑仕事をしたり家畜の世話をしたりしていました。そして、夕日が沈むのに合わせて仕事を切り上げるのでした。
でも、農作業のような外での仕事を持つ人ばかりではありません。それに、農民にも室内で行う作業がたくさんあります。
そのような者たちが用いた明かりとし
【短編小説】「落穂拾い」の特別展示にて
年末年始の休暇に当たるからか、美術館の館内は、とても多くの客で賑わっている。
もちろん、ここは落ち着いて絵画や彫刻を鑑賞するために多額の費用と労力をつぎ込んで作られた場所だから、賑わっていると言っても下町の商店街のような生命力に溢れた騒々しさがあるわけではない。品の良い服に身を固めた上流国民と思しき方々が、わかったよう顔をしながら密集していらっしゃるということだ。
ヒソヒソ。ナニヤラ。ヒソヒ
【掌編小説】雪の日のプレゼント
「参ったなあ。今日と明日は、大変な大雪なのかぁ」
数年前の冬の日のことだだ。その日、台所で皿を洗いながら傍らに置いたスマートフォンで天気予報を見ていたわたしは、心の中でつぶやいていたた。その言葉はとても口には出せなかった。わたしの腰にしがみついている二人の子供に、聞かせたくなかったからだ。
「ねぇ、ママ。今日はクリスマスイブだね」
「クリクマシブだよねぇ」
「ケーキ食べるよね」
「キチン食べるよ