マガジンのカバー画像

工業デザインと学際

114
工業デザイン、取り分け、機械工学とその自動車産業のエリアは、日本の基幹産業だ。それは、複合的な産業であり、まず、Quality Controlや先端技術開発によるものも大きいだろ…
運営しているクリエイター

#工業デザイン

ウラル2WDの発生とスターリン - URAL(ИМЗ-УРАЛ)

ウラル2WDの発生とスターリン - URAL(ИМЗ-УРАЛ)

ウラル2WDの発生とスターリン - URAL(ИМЗ-УРАЛ)

ウラル2WD - URAL(ИМЗ-УРАЛ)サイドカー専門メーカー -ロシアのIMZ社(現ウラルモト社)
現在、世界唯一の2WDサイドカー「ウラル」は、スターリンが1939年、ごく近い将来に欧州戦線が開くことを鑑みて、機動性の高い軍用モーターサイクルの開発を命じたことに始まる。

軍用サイドカーM-72その流れから、ロシアのバイ

もっとみる
Honda-北米向け「シビック」が2022北米カー・オブ・ザ・イヤー受賞!を考える

Honda-北米向け「シビック」が2022北米カー・オブ・ザ・イヤー受賞!を考える

Honda-北米(アメリカ・カナダ)向け「シビック」が2022北米カー・オブ・ザ・イヤー受賞本田技研工業の米国現地法人アメリカン・ホンダモーターは1月11日(現地時間)、北米向け「CIVIC」が、2022 北米カー・オブ・ザ・イヤー「2022 North American Car of the Year」を受賞したと発表した。

ガソリン車の量産体制から100年T型フォードが、世界で初の量産車とし

もっとみる
V&A-イギリスの国立博物館-それは学際的な視点だ。

V&A-イギリスの国立博物館-それは学際的な視点だ。

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(Victoria & Albert Museum)は、イギリスの国立博物館(本館-London)である。ヴィクトリア女王(1819 - 1901)と夫のアルバート公(1819 - 1861)が、その理念のもとに構築された。V&Aの姉妹館 Museum of Childhood(子供博物館)はべスナル・グリーンに、2018年、スコットランドのダンディー・シティ

もっとみる
なぜ、MoMAなのか(ニューヨーク近代美術館)

なぜ、MoMAなのか(ニューヨーク近代美術館)

ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art - New York)
アメリカ合衆国ニューヨークの近現代美術館。
1920年代からのモダンアートが収蔵されている。
1929年、開館された前衛美術の専門の美術館である。
その構想は、当時著名な文化人である女性達だ、そして、資金面でもサポートされ設立された。
L.P.ブリス、C.J.サリヴァン夫人、J.D.ロックフェラー2世

もっとみる
コルビュジエ- 小さく最大効率の車(UI/UXデザイン)

コルビュジエ- 小さく最大効率の車(UI/UXデザイン)

ル・コルビュジエ(Le Corbusier 1887-1965)スイス生まれ、フランスで活躍した。
モダーンな建築では著名だが、都市機能の人間的な効率化を目指して、その工業デザインの一環として、小さく効率の良い車のデザインも提唱した。
それは、最大(マキシマム)の効率を重視したシンプルかつ、小さな(ミニマム)コンセプトカーだった。
その時代には、すでにパリでは、交通渋滞が発生、問題視されていたから

もっとみる
ヘンリー・フォードの社会的偉業

ヘンリー・フォードの社会的偉業

ヘンリー・フォード(Henry Ford 1863年~1947年)-(概略)
アメリカ合衆国・デトロイトの近郊でアイルランド系の移民農家の子として生まれる。
フォード・モーター創業者であり、Tモデルのフォードは、大量生産のラインに乗り、1,500万台以上生産され、グローバルな産業形態と交通手段、そして、経済にも変革をもたらした。
ただ、もっとも、注目すべきことは、人種の差別なく、女性や障害のある方

もっとみる
自動車デザインと社会構造体 -UI/UX

自動車デザインと社会構造体 -UI/UX

(概略メモ)自動車デザイン(含.設計)と社会構造体 -UI/UX
クルマと社会構造体の今後のデザインにおける視点の具体性
• 20thに自動車の登場によって都市構造や生活圏、産業経済、文化、政治のあり方は大きく変容した。
そして、AIと、今後の通信手段としての、5Gと、6G(アメリカ・日本中心のいわゆる西側の次世代規格)による自動運転化、その辺りの現実化から都市構造や生活圏、法規制とも大幅なパラダ

もっとみる
シトロエン(Citroen)の挑戦と文化的偉業

シトロエン(Citroen)の挑戦と文化的偉業

カーデザイン史 #イメージと文化 #デザイン
シトロエン(Citroen)の挑戦と偉業

歯車作りから、始まったシトロエン社の創始者アンドレ・シトロエン(André-Gustave Citroën)は、1878年パリに生まれ、1913年、歯車工場を始めた。それは、現在までつづくエンブレムである。

そのシトロエン社では、ヘンリー・フォードに、過大な影響を受け、コンベア方式(ライン生産)の砲弾も

もっとみる
金属民具のリサイクルと近代デザイン

金属民具のリサイクルと近代デザイン

金属民具のリサイクルと近代デザイン
1)鉄、それは一般的な金属
世界の金属の9割以上は、鉄が占める。
鉄は、最も一般的な金属である。
リサイクルという、現代のキーワードが発生する、はるか昔から、鉄は、鋳造技術(鍛冶屋)によって、再生の歴史を長く持っている。

2)和鉄
和鉄:リサイクル率が高い。
このため当時の道具の残数が少ない。

3)日本の洋鉄
日本の洋鉄:伝統の技→燕(つばめ

もっとみる
自動車の発生による「産業構造の変化」

自動車の発生による「産業構造の変化」

自動車の発生とその周辺(英国でのパラダイムシフト)
日本の自動車は、なぜ、左側通行なのか、それは、明治政府の単なる英国のロジックの模倣ではない。
イギリスの文化に傾倒するには、1つの合理性がある。
1920~30年代当時の英国は、車社会の先進国であった。
英国には、1922年には96社の自動車会社が存在した。
それは、ただ、ガソリンという燃料で移動するだけではなく、徐々に貨物車の存在が大きくなった

もっとみる
自動車の発生とその周辺

自動車の発生とその周辺

複合要素の集積(学際)が自動車工学を生んだ。
自動車発生の当時は、階段を歩く足のある自動車、また、キャラピラ形状(シトロエンのヒマラヤ越えのハーフトラック)等、多様な種類が存在した、そして、当時は、ガソリンと同じ位置づけに、電気自動車も存在した。
燃料精製の科学的な移行(化石燃料から、ガソリンの精製)の経緯にも、ガソリン車の発生とその後、主流の存在となる要因は大きい。
自動車の発展は、産業構造の変

もっとみる
SX-70 CAMERA(1972)の開発者と悲劇

SX-70 CAMERA(1972)の開発者と悲劇

Polaroid SX-70 LAND CAMERA - DESIGN 1972 (Henry Dreyfuss)

1970年代前半に、写真映像業界に於ける3つの大きなニュースがあった。
1)カラー写真の定着化
2)8mm映像フィルムカメラに於ける、同時録音(フィルム端の磁気部分に録音)
3)拡散転写式の"SX-70 Film”と”SX-70 LAND CAMERA”

SX-70 LAND C

もっとみる
UD/UX/UI デザインとバウハウス運動

UD/UX/UI デザインとバウハウス運動

UD/UX/UI デザインとバウハウス運動(概略)
(a) バウハウス(Bauhaus) の発生 ・1919年、ドイツ(ワイマール)の地に、新しい時代にふさわしい造形活動をめざして設立された 美術(工芸・写真・デザイン等を含む)と建築に関する総合的な造形学校である。そして、その流れをくむ、合理主義的・機能主義的(工業デザインや大量 生産に合致するような方向)な芸術へのアプローチ。「バウハウス」はド

もっとみる
ユニバーサル・デザイン(UD/UX/UI)- それは、歴史の必然

ユニバーサル・デザイン(UD/UX/UI)- それは、歴史の必然

ユニバーサル・デザイン(Universal Design)- それは、歴史の必然。
1980年代に、USの建築家・工業デザイナーであるロン・メイスが、バリアフリーの思考を進めて、「あらゆる年齢や、能力の人たちに可能な限り、 使いやすいモノや環境のデザイン」を提唱した。

Point!
• 誰にでも利用出来る
• 使い方を自分なりに選べる• 使い方が、簡単にわかる
• 使い手に必要情報がすぐ理解出

もっとみる