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この本いいよ!

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これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
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2021年1月の記事一覧

第8回:『シェアハウスさざんか』で人間の数だけ存在する「生き方」を学ぶ

第8回:『シェアハウスさざんか』で人間の数だけ存在する「生き方」を学ぶ

こんばんは、あみのです。今回は、葵日向子さんのライト文芸作品『シェアハウスさざんか』(二見サラ文庫)を紹介します。

まずこの物語には、4人の「生き辛さ」を抱える男女が登場します。あらすじに書いてある「異性カップルを演じている同性カップル二組のシェアハウス暮らし」ってどのような日常なのか、またそこで暮らす彼らは日々何を考えているのか興味を持ち、この作品を手にしました。

世の中の多様な価値観に関心

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第7回:『貴サークルは“救世主”に配置されました』は同人作家の創作愛に胸が熱くなる1冊!

第7回:『貴サークルは“救世主”に配置されました』は同人作家の創作愛に胸が熱くなる1冊!

こんにちは、あみのです。今回は、小田一文さんのライトノベル作品『貴サークルは“救世主”に配置されました』(GA文庫)を紹介します。前回に引き続き、GA文庫大賞の作品となります。

この作品は、同人誌や創作活動が主なテーマとなっています。「同人誌」とその作家を描いた作品というのが非常にユニークだと思い、手にしてみました。同人誌界隈の基本的な知識もしっかりと描かれていたので、私のように同人誌についてあ

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第6回:『忘れえぬ魔女の物語』は、タイムリープものが苦手な人にも試してほしい百合ラノベ

第6回:『忘れえぬ魔女の物語』は、タイムリープものが苦手な人にも試してほしい百合ラノベ

こんにちは!あみのです。今回は、宇佐楢春さんのライトノベル作品『忘れえぬ魔女の物語』(GA文庫)を紹介します。新人賞作品のひとつで、レーベルの推し作品なのかいつものGA文庫とカバーの触り心地やイラストの使い方が圧倒的に違い、なんだか特別な1冊感が凄いです笑。

この物語は、女の子同士の友情、あるいはその先の関係を描いたいわゆる「百合」というジャンルにカテゴライズされる作品です。また「時間」にまつわ

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第5回:『魔法の声』はネガティブな現実を忘れてしまうほどの「優しい物語」

第5回:『魔法の声』はネガティブな現実を忘れてしまうほどの「優しい物語」

こんにちは、あみのです。

今回の本は、村山仁志さんのライト文芸作品『魔法の声』(マイクロマガジン社、ことのは文庫)です。この本を読む決め手になったのは、帯の村山早紀さん(実は作者の姉だそうです)の下記のような推薦コメントでした。

「こんな時代(とき)だもの、優しい物語(おはなし)を」

私は、村山早紀さんの「魔法」や「奇跡」を描いた優しい物語が大好きです。中でも『桜風堂ものがたり』は現代におけ

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第3回:『監獄に生きる君たちへ』はミステリーで現状の問題を学べる良作

第3回:『監獄に生きる君たちへ』はミステリーで現状の問題を学べる良作

おはようございます、あみのです。

今回の本は、松村涼哉さんのライト文芸作品『監獄に生きる君たちへ』(KADOKAWA、メディアワークス文庫)です。ライト文芸のレーベルから出版されている作品ですが、レーベルの枠組み関係なく様々な世代の人に手にして頂きたい1冊です。

まず個人的に松村さんの作品で「凄いなぁ」と思うのが、比較的明るく気軽に読める内容が多いライト文芸(あるいはラノベ)として出版されてい

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第2回:『京都桜小径の喫茶店』を読んで京都に行った気分になってみる

第2回:『京都桜小径の喫茶店』を読んで京都に行った気分になってみる

こんばんは(あるいはおはようございますorこんにちは)、あみのです。
今回は卯月みかさんのライト文芸作品『京都桜小径の喫茶店』(一二三文庫)の紹介です。2021年初読みです。

類似作品が多数あるジャンルなものの、桜が印象的な可愛いカバーイラストとあらすじの「哲学の道」というキーワードや目次に書かれていた様々な神社の名前に惹かれ、この本を手にしました。

拝み屋、陰陽師、神様、神社、喫茶店、イケメ

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第1回:おすすめ本の紹介『時間泥棒ちゃんはドキドキさせたい』

第1回:おすすめ本の紹介『時間泥棒ちゃんはドキドキさせたい』

 明けましておめでとうございます。年末に更新しようと思っていましたが、年が明けていたあみのです。

 さて記念すべき?第1回の本は、ミサキナギさんのライトノベル『時間泥棒ちゃんはドキドキさせたい』(KADOKAWA、電撃文庫)です。

 ミサキさんの前作『リベリオ・マキナ』シリーズが大好きで、その流れでこの作品も試しに読んでみようと思いました。

 王道寄りのバトルアクション作品だった前作に比較す

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