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第2回:『京都桜小径の喫茶店』を読んで京都に行った気分になってみる

こんばんは(あるいはおはようございますorこんにちは)、あみのです。
今回は卯月みかさんのライト文芸作品『京都桜小径の喫茶店』(一二三文庫)の紹介です。2021年初読みです。

類似作品が多数あるジャンルなものの、桜が印象的な可愛いカバーイラストとあらすじの「哲学の道」というキーワードや目次に書かれていた様々な神社の名前に惹かれ、この本を手にしました。

拝み屋、陰陽師、神様、神社、喫茶店、イケメンとライト文芸ではよく使われがちな要素が多く、シンプルな構成ではありますが、作者の京都愛や神社の楽しみ方を感じられる作品でもあったと思います。

神様と人間のつながりを感じる物語や温かい気持ちになれる物語が好きな人、京都に行きたいと考えている人におすすめです。特に京都に関心のある人はもし行くとしたらどこに行くかを想像しながら読むとよりわくわくできるかもしれません。

旅行へ行くことが難しくなった今だからこそ、この本を読んで京都へ行った気分を味わってみませんか?

あらすじ(カバーからの引用)

付き合っていた恋人には逃げられ、仕事の派遣契約も切られて人生のどん底の水無月愛莉。そんな中、雑誌に載っていた京都の風景に魅了され、衝動的に京都「哲学の道」へと訪れる。そして「哲学の道」へと向かう途中出会った強面の拝み屋・誉との出会いをきっかけにたどり着いた『Cafe Path』で新たな生活をスタートするのだが……。古都京都を舞台に豆腐メンタル女子が結ばれたご縁を大切に、神様のお願い事を叶える為に奔走する物語。

感想

まず前も書きましたが(第0回参照)、私はいろんなところに旅行へ行くことが大好きです。京都にも行ったことがあるので、この作品はその時の思い出に浸れたことはもちろん、あまり知らなかった神社の御利益や歴史のこと、行ったことのない神社のことをライトに学べ、次に行く時に参考にしたい話題も盛りだくさんでした。哲学の道をはじめ、貴船神社や南禅寺と私が気に入った場所が登場したのも嬉しかったです。

序盤、愛莉がバスで哲学の道に向かう途中で平安神宮の存在感に圧倒し、関心を持つシーンがありました。私もバスで銀閣寺に向かっていた際、平安神宮を見てとても気になったこと、そして後ほど訪れたことを読んでいて思い出しました。自分の記憶と主人公の体験がリンクする感覚が何度も味わえたところもこの作品の良さでした。

京都の神社がテーマのお話なので、作中には各地の神社にまつわる神様もキャラクターとして登場しました。お参りに来た全ての人の願いを叶えることはできないけど、ささやかだとしても願いを叶えるための手助けはすることができる。特定の人間にしか見えない存在ではあるけれど、京都の街のこと、そして願いのある全ての人を温かく見守る神様たちの描き方も魅力的でした。

桜が印象的なカバーイラストですが、作中にて桜の時期の京都について思っていたよりも描かれている箇所が少ないと感じました。哲学の道やインクラインなど京都には沢山の桜の名所があるので、春の京都の物語をぜひこのメンバーで読んでみたいですね。

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