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『ノルマル17歳。―わたしたちはADHD―』。二人の女子高生が「普通って何?」を問う。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は発達障害当事者です。ASD、ADHD、LD、全ての要素を持っていて、診断名は、診断当時は広汎性発達障害でした。

(※調べていくと、今広汎性発達障害は、ASDのみで使われている様です。)

ハッキリとは言われていないのですが、私は診断を受けた時、「全人口の10%もいない、特定不能の発達障害」だとも言われました。

(これも10年以上前なので、今は名称が違うかもしれません)

発達障害の診断を受けてから、今通院している病院では主治医が5回変わり、主治医が変わる度に大変ですが、現在は治療薬も身体にも心にもどちらにも合っているみたいで、特に変わらず、生活しています。

今発達障害の診断を受ける方も多く、お子さんも含めて、私もそうでしたが、大人の発達障害者の方も増えたなと思います。私が診断された時は、今みたいに支援も届かず、周りにいる人の誰もが「何ですか?発達障害って?」という時代だったので、支援を小さい頃から受けられることに、羨ましさもあります。

特に私は学習面で支援して頂きたかったです。LDがあっても、あの当時「努力していない」「怠けているだけ」で、通される、大人の視線が痛いほど悲しかったです。

そんな発達障害ですが、2024年4月に発達障害をテーマにした、映画が公開されます。

世界中で若い世代を中心に増加している発達障害の1つである「ADHD (注意欠如・多動症)」を、議題として描き上げた映画『ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ―』が、全国オーディションを開催し、確かな演技力で発掘された、新人俳優の鈴木心緒さんと西川茉莉さんをW主演に迎え、ADHDの診断を受けた女子高生役として白熱の演技を見せ、東京都のアップリンク吉祥寺にて2024年4月5日(金)より公開されます。

発達障害当事者の女子高生二人を取り囲んだ家族や社会問題を顧みて、「普通って何?」と問いかける映画となっています。

今回はこの映画についてと、2023年現在、発達障害の可能性のある子ども達への学校での対応の問題について考えていきたいと思います。

あらすじ

進学校に通う絃(いと/西川茉莉)はまじめな子であったが、発達障害のひとつであるADHDと診断されており、ひどい物忘れで生活や学業に支障を来していた。
重要なテストの日、絃は目覚まし時計をかけ忘れて寝坊してしまう。
ショックのあまり絃は登校せず、いつもは行かない道をさまよって見知らぬ公園に来てしまう。
そこで突然、茶髪で派手なメイクのギャル女子高生・朱里(じゅり/鈴木心緒)に声をかけられる。
「何してんの?」「あ…今日は寝坊して」
「あたしなんかほとんど寝坊か欠席。学校行ったけど落ち着かなくて帰ってきた。あたし発達障害あってさ。ADHDっての。知ってる?」
いきなりADHDだと言う朱里に驚く絃。
朱里は強引に絃を街へと遊びに誘う。
古い商店街や裏山が見渡せる公園、野良猫たち。普段は家と学校の往復しかしない絃にとって、それは新鮮な世界であった。
朱里と絃は友達となり、後日も遊びに行くが、絃の母(眞鍋かをり)に見つかってしまう。
絃の母は朱里の派手な身なりに不快感を持ち、朱里との交際を禁止してしまう。
一方で朱里は、自分の物忘れで姉(花岡昊芽)との喧嘩が絶えず、父(福澤朗)や母(今西ひろこ)からも厳しく言われて家庭内で孤立していた。
やがて朱里は絃とのメッセージのやり取りもやめ、次第に部屋に引きこもっていく。
朱里と絃との距離は次第に離れ、再び元の日常に戻りつつあったが…
画像・引用:ADHD(注意欠如・多動症)の女子高生たちが生きる道を見つけて行く 映画『ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ― 』 4月5日(金)東京・アップリンク吉祥寺にて公開 PR TIMES(2024年)

予告編も公開中

ここからは、発達障害の子ども達が増えたことで、対応を迫られている学校について考えていきます。

発達障害の子ども達が増えたことで生まれた社会問題

こども家庭庁は、発達障害と診断を受けた、もしくはその疑いがある子ども達の増加に対応するため、専門医学校への出張相談を行いたいとします。専門医が足りないことで病院を受診するまでに時間を要し、適切なサポートが届かない子ども達を少しでも減らすことを目的とし、2023年度中に専門医の学校への出張相談の派遣開始を見込みたい意向です。

発達障害は生まれた時からの脳機能障害が原因と推定されています。文部科学省が2022年に行った実態調査では、日本で通常学級に在籍する公立の小中高生およそ7万5000人のなかで、発達障害の疑いがあると診断を受けた小中学生は8.8%で、10年前から2.3ポイント増加しました。教員らの発達障害への知識と理解が深まり、子ども達と接する中で、見つけやすくなったからだと考えられます。

政府関係者によりますと、全国にある発達障害を専門に扱う拠点病院から毎月1回程、発達障害の専門医などを保健所などへ派遣し、発達障害の可能性がある子どもや親御さんの相談に乗っています。高い緊急性を要する時には病院での専門医の受診を推奨し、低い緊急性の時には発達障害の疑いのある子ども達への接し方などをアドバイスしています。病院との受診までの調整は自治体などが担い、こども家庭庁は受診するまでの一部費用を負担しています。

発達障害の子ども達には早期のサポートが欠かせません。専門医が診断をすることで、学校側が子ども達の特性に対応した個別指導が行えるからです。専門医からの診断が受けられなければ学校に馴染めず、孤立し不登校になり兼ねないと指摘されています。

自治体には発達障害の子ども達の相談窓口が設置されていますが、病院での受診を促すだけで、専門医のアドバイスを受けられない事例も多くあります。慢性的に専門医は各地で不足していて、診断を受けるために、専門医のいる病院を受診できるまでに何ヵ月も待たされるケースが相次いでいます。

参考:100人中8人もいる発達障害児、専門医が出張相談…欠かせない早期支援を拡充へ 読売新聞(2023年)

数字だけ見ても

凄く増えたなと思いました。私が診断を受けた時、周りに障害者の方はいても、発達障害ではありませんでした。どちらかといえば、身体障害や知的障害の方が多い環境でした。

私の周りに発達障害の方がいると知ったのは、働き始めてからです。その人それぞれで特性も全然違うので、仕事で自分はできないのに、テキパキできる人が近くにいて、「こんなに何でもできて、何の障害をお持ちなの?」と思って、聞いてみると、「私も発達障害ですよ」と言われて、毎回凄く驚きました。

「えっ?私と違って、色々できるのに、診断名は同じなの?」と思うと、何もできない当時の自分を振り返ってみても、非常に情けなかったです。

たまたま私の持つ特性と、WEBライターという仕事と、TANOSHIKAという職場がマッチして、今仕事ができているんだなと、よく思います。

専門医は少ないと思います。私は10年以上前から発達障害者ですが、専門医の方に診察して頂いたことはなく、精神科の先生にずっと診て頂いております。

私が診断を受けた頃も、発達障害の専門医を受診するのは、病院に行くにも時間がかかり過ぎて、到底継続的に受診するということはできませんでした。

今は私の頃より、発達障害の方の人数が増えています。ですが、いきなり専門医を増やすのは、かなり難しいと思います。専門医というだけに、様々な知見や情報を持ち合わせていないと、発達障害の専門医とは名乗れないと思います。

増えたということはそれだけ世間の関心や知識が増えた証拠だと思いますが、それで希望する人が受診できない。悩ましいな、と当事者として改めて感じました。

参考サイト


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