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フットボール・スタディー

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フットボールを哲学する 新たなスクール「FOOTBALLERS」で選手たちに伝えていく内容を、このnoteでもアウトプットしていきます。
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ドリ練をする理由、ドリ練の意味

ドリ練をする理由、ドリ練の意味

うちのクラブでは、いわゆる「ドリ練」多くやります。相手つけずに。

「スペインではそんなドリブル練習もリフティング練習もしませんよ」という、通称・スペイン帰りの指導者の方の声を、よーく聞きます。

「ハイそうですね、でも僕は日本人で、そのスペインにいつか勝ちたいと思ってるのでスペイン人がやらないならラッキー、なおさらドリ練やろうと思います」といつでも答える用意はできてるんだけど、実際に自分はまだ面

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どんなことを考えてサッカーを指導するのか

どんなことを考えてサッカーを指導するのか

2023年度から LINDA SMILES という中高生年代の女子サッカークラブをスタートさせたのですが、その LINDA SMILES で実施したクラブ説明会の内容を、LINDAの公式note にてまとめて公開しました。

しかし、まさかの15,000字越え⋯というとてつもない長いものになってしまったので、その中から「サッカーについて」書いた第二章だけを、せっかくなのでこちらのnoteでも共有し

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4つに分けて考えてみたこと

4つに分けて考えてみたこと

小学生から高校生までの選手達にサッカーを指導する際、試合において選手が見せるプレーについて、大まかですが下記の4つに分けて考えるのが良いのではと思っています。

この4つです。もちろんサッカーはもっともっと奥深くそしてカオスなものなので決してこれだけでは説明しきれないことばかりなのですが、とりあえず今回は、この4つのプレーにのみ言及していきます。

今回は「何をどう教えるべきか」ということではなく

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FOOTBALLERS 哲学の時間・1~ フリーの概念、変えませんか

FOOTBALLERS 哲学の時間・1~ フリーの概念、変えませんか

11月から「FOOTBALLERS」という新たなスクールをはじめます。

この FOOTBALLERS では、「フットボール・スタディー」という時間をオンラインで定期的につくり、フットボールとはどういうものか、どういう原理のものか、人はどのような原理で動くのか、その中で、自分はどう技術を発揮し、どう振る舞えばいいのか⋯
といったような、まさに フットボールを哲学する 時間も、普段のトレーニングに加

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ミスの概念をひっくり返す。「それ、全然ミスじゃないよ」で選手は変わる

ミスの概念をひっくり返す。「それ、全然ミスじゃないよ」で選手は変わる

ミスを恐れてチャレンジせず、無難なプレーばかりを選ぶ。
ミスを指摘されることを恐れて、やっぱりそれの繰り返し。
それじゃぁ、サッカーつまんないですよね。

ミス = 失敗 = 思い通りにいかなかったこと(たぶん)

でも
「こういう時にこれがこうなっちゃったらミスだかんね」というルールも法律も何もないので、選手も指導者も、もう少しミスに対する考え方を変えていく必要があると思うんです。

「そんなの

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◯◯とは、何か。フットボールとは、何か

◯◯とは、何か。フットボールとは、何か

サッカーコーチとして、最近は高校生と関わる時間が多い。

技術だの戦術だのを落とし込むこともある程度は必要だけれど、それはあくまでも表面的なもので、一番重要ではないと思うんです。
この時点で、多くの指導者の人と自分はかなり齟齬はあるんですけど。初めてチームを見る人には、結構よく誤解される。嘲笑をされることもある。クソッタレ

一般的なサッカーをさせたなら、自分らより強いチームには一生勝てない。だか

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Make Your Happy 〜 ゲームは誰のものか

Make Your Happy 〜 ゲームは誰のものか

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

と⋯2021年を迎えたばかりですが、いきなり話は2019年の秋に遡ります。2021年元旦のこともちゃんと話の後半に書いてますので、そこまで、なんとか辛抱強くお付き合いくだされば光栄です。

2019年、ルヴァン決勝でのこと2019年10月26日に行われた、ルヴァンカップ決勝戦「川崎フロンターレ ー コンサドーレ札幌」
この試合は後半ア

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プレーの違いはステップで生み出せる

プレーの違いはステップで生み出せる

この記事は、共創型サッカーコミュニティー・くぼぉちサッカー研究所 においてコラム配信用に久保田が書いた記事です(9月18日配信)

有料コミュニティーの中で配信した記事ですので、ここでも有料とさせていただきます(コーヒー1杯分くらいのコスパ保証は自信がある!)

ほぼ毎日コラム配信をしている くぼぉちサッカー研究所 ですが、久保田の他にどんな方がコラムを担当してくれているかは、ホームページからご確

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翼くんからの卒業 〜 ボールは友達じゃない

翼くんからの卒業 〜 ボールは友達じゃない

日本サッカー史上最高の選手「日本サッカー史上最高の選手は誰か」と聞かれれば、釜本邦茂でも中田英寿でも本田圭佑でもなく、間違いなく【大空翼】である。

サンパウロFCやFCバルセロナでもプレーし、ジダンやトッティなど、数々の世界的名選手に影響を与えたレジェンド・ツバサ。

翼がバルサに入団する話に言及し、当時のレアル・マドリーの会長が「なぜレアルにしなかったのか」と話したとか。これは実話。

日本で

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いない選手の残像にやられたガンバ

いない選手の残像にやられたガンバ

トップ画像は、スポニチアネックス より。

※ 以下の文章は、あくまでも妄想フィクションです。

2月20日に行われたゼロックススーパーカップ、終了間際の決勝点でフロンターレが劇的勝利をあげた。

この決勝点には様々な要素が詰まっていてとても興味深いので、少し考察してみたいと思います。

2−2で迎えたアディショナルタイム(動画内、2:10〜)
選手交代による配置換えで、インサイドハーフからアンカ

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かわいい顔したサイコパス 〜 三苫薫の凄さ

かわいい顔したサイコパス 〜 三苫薫の凄さ

2月20日に行われたゼロックススーパーカップ、終了間際に小林悠が劇的な決勝点を決め、フロンターレが勝利した。
このゴールを導いた田中碧から遠野へのパス、小林悠の裏取り、そして遠野から小林悠へのスルーパスのタイミングや質が実に味わい深かったし、とても自分好みの崩しだった。ガンバのセンターバック・三浦弦太がなぜ反転させられてしまったのかなども、考察を深めることができますね。

あぁ、好き。こういう崩し

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証明しようとしすぎた青森山田。彼らが見せた脆さという人間味

証明しようとしすぎた青森山田。彼らが見せた脆さという人間味

トップ画像は ゲキサカ より。

2021年1月11日に行われた 第99回全国高校サッカー選手権・決勝戦『 山梨学院 ー 青森山田 』をTV観戦。ラスボスといわれるほどの強さを見せる王者・青森山田を山梨学院がPK戦の末に破った名勝負。観ていていろんな思いがよぎり、備忘録としてどうしても書きたくなったので書きます。

人を崩した山梨学院まずは、山梨学院があげた2ゴールについて。僕はいつも「人を崩せ」

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ドリブル練習とリフティング練習は、本当に意味がないのか

ドリブル練習とリフティング練習は、本当に意味がないのか

突然ですが
「意味がない」「そんなの無駄だ」
これは、大人が子どもに言ってはいけない言葉の二大巨頭だと思ってます。

そして今回は、サッカーにおけるドリブル練習とリフティング練習、の話。

日本の育成界隈では、こんな言説がよく聞かれます。SNSでも。

果たして本当に、ドリ練やリフティング練は意味がないもので、無駄なことなのだろうか。
本当に「試合で使えない」のだろうか。本当に、それはサッカーでは

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