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アイデアノート12 欲求の歴史 マズローの欲求五段階説のその先へ

欲求の歴史から更に先を考える

しかし、ギフテッドが求める欲求であるならば、これより先の欲求は存在しないのではないか?流石にもはやマックジョブなどには活かせない領域になってくるのではないか?と思うだろう。
そこで更に先を考えるため、まずは、証明欲求を持つまでの欲求の発達段階がどう変化してきたかを見てみる。

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多くの生物は生理的欲求に基づいて行動している。しかし、餌があるからといってあまりに大きなリスクを負うような行為をしていては生き残れない。

そこで身の安全を守ろうとする安全欲求を持つようになった。すると、群れをなすことでより安全になるため、群れを作るようになった。

そこで、群れに従うことで身の安全を守りたいという欲求を持つ者が生き残った。これにより社会的欲求と社会構造ができた。すると群れの中で役割を分担したほうが生き残れた

このため、群れのリーダーとフォロワーができた。すると、組織に階層構造が生まれ、自らが他者にリーダーやフォロワーとして的確であることを示した者が生き残った

そこで、自分を認められて、他者から価値を認めてもらいたいと思うようになった

しかし、承認欲求を持つだけでは絶対的な勝利を手にすることはできなかった。世界一になれるのは一人だけであり、階級から抜け出すほどの力もない。他の者と同じレースにいては満足できなくなった。

他の誰にもない圧倒的で、絶対に勝てることをしたくなった。新たなことを表現できる人間だからこそ、それを何が何でもしたくなった。

こうして、自己実現欲求は生まれ、挑戦と創造に取り組むようになった。しかし、創造しても後に続かなければ独りよがりであるばかりか、いつか忘れさられてしまう

それどころか、一瞬貢献しただけに過ぎないかも知れない。そう更なる全体性を求めるようになったとき、自分だけが良くては足りず、後に続く必要に気付いた。そこで、積極的に他者に貢献するようになった。こうして自己超越欲求を持つようになった。

しかし、他者一人一人に直接貢献するだけではあまりにも範囲が狭い。そこで、他者に自動で広がり、自らが手を加えずとも多くの人を動かす仕組みが必要と考えるようになった。そこで欲求は仕組みを作ることに向かった。これが創造体系欲求である。

創造体系欲求を持つと、ありとあらゆる仕組みが理論によって構成されていることに気づいた。そればかりか、仕組みによってはもし人を動かしても、マクロ的な影響は弱く均衡を変えられないことに気づいた。

であるならば、均衡に影響を及ぼす重大な理論に着手しようと思うようになった。また、世界にはあまりにも理論が溢れていて、一々探していてはきりがないことも知っていた。そこで世界の中から理論を探すのではなく、すでにある理論を蓄積して新たな理論を拾ってくることを求めるようになった。

しかし、世界を拾ってくるのであれば、自らの中から創造することはまだ探していることなのではないか?と疑問に思った。そこで世界で世界を見るという視点から、理論を証明する欲求を持つようになった。

このように、承認欲求から疑念を晴らして更に上の欲求へ進んできたことがと分かる。つまり、その先を考えるのであれば、証明欲求を持つ際の疑念について考えればよい。すると、証明欲求ではなく、全体の変化が更に先のヒントを与えてくれる。つまり、全体性を広げようと欲求が発達してきたという経緯だ。つまり、証明欲求にさえ足りない全体性が更に先に進むのではないか?と考えることで先に進むことができる。
 ようは、ドミノ倒しのように先を考えていけばよい。つまり、帰納法で証明していくことになる。
そして、これ自体が更なる先の欲求に結びつく。これこそ帰納欲求である。

帰納欲求

演繹法といえば、ソクラテスの有名なくだりが分かりやすい例である。ソクラテスは人であり、人は死ぬので、ソクラテスは死ぬというものだ。これが三段論法とも言われる。これをベン図にすると、死ぬという大きな集合の中に人がいて、その人の中にソクラテスがいるのだ。これは証明をする上で最も使い勝手もよく、分かりやすい。

しかし、集合の中に含まれるものから導くため、全体性が小さくなってしまうのだ。先の先まで一気に解くことはできず、すでにあることの直近の範囲しか明らかにできない。証明欲求のパラダイムがこの問題に直面した時、帰納法を使って証明すればさらに先に進めるのではないか?と考えるようになる。イニシアチブ(知の先駆者)であるのだから、まずは帰納法で究明してから、後に演繹法で証明すれば良いのではないか?と思うようになる。

そうして数列のように一気に先の数値まで明らかにしてしまえば、求めるものの極限値を取ることができれば、と考えたときに帰納法を用いて証明する欲求を持つようになる。数学であれば数学的帰納法も演繹法にあたるが、言葉や数値化できないものであれば帰納法に該当するだろう。

このアイデアノートであれば、組織の発達段階そのものを数列にしてその極限値を知りたいという欲求になる。こうすることで、発達段階さえ数列のようになっていることを究明する。後はその極限値を算出するだけでよいのだ。そして、あまりにも多くの歴史的証明が帰納法によって導かれてきた。

iPhoneの開発もマイケル・ベルが帰納法で携帯電話の可能性に気付いたことが始まりであり、重力加速度が物体の質量に関係なく一定であることも帰納法で明らかとなった。

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