マガジン

  • みんなの写真館(今日の空)

    • 645本

    今日の空はどんな空? 刻々とその表情を変えていく、その一瞬の癒しと感動に心が和みます。 自然を愛し、空を愛する。 そんな空好きが集まる共同運営マガジンです。

  • 治癒するとは

    アトピー専門鍼灸院でアトピー患者さんと向き合う中、人が治癒するとはどういうことなのだろう 老化しつつある身体が、治癒するとはどういうことだろう

  • おとうちゃん、きらいな方がましやわ

    典型的な昭和頑固おやじ。口が悪く、子供を子供と思わない毒舌。家に帰ったらいつも苦虫つぶしているし、温かい家庭・ほのぼのとした食卓なんて一回も経験したことなかった。そんな頑固おやじが、メンタルやられた。久々に会いに行ったら、小さくなって、別人みたいになってた。毒舌もない。苦虫もない。私はこんなお父ちゃんではなくてあんなに大嫌いだったのに・・・大嫌いの方がいいって思ってしまった。かわりゆくものは仕方がないけど、そんなわがままなおやじと私の話

  • 私は娘が大嫌いだった~リョウコへ

    私の中のもう一人の私である娘の「リョウコ」なぜか好きではなかったむすめのリョウコの経験した「精神分裂病」。それは私にとって懺悔であり癒しで。それは私が書かなければいけないものである。なぜかというとそれは私の手放しの奇跡でもあったからだ。執着をなくして手放すことをリョウコは私に気づかせてくれたから

  • 私の中の2人の娘

    どうしてこんなに嫌いなんだろう そして どうしてこんなに好きなんだろう 同じ娘なのに どうしてこんなに気持ちが違うのか 自分でもわけが分からない苦しい気持ちを抱えたまま 当然のようにおこった恐ろしい出来事 成長する2人の娘と 自分の心の変化を 綴りました

記事一覧

娘と出会えた人

その人は初産の子供さんを 出産1か月前に死産で自然分娩で出産しました 順調だと思っていた矢先のお腹の子供の 死 お母さんは見ない方がいいと ご主人だけ対面され 娘さ…

結生子
2か月前

言葉が伝えたがっている

私の中から 言葉が訴えてくる 静かに 強く何度も 伝えたい 伝えたい 伝えたい と 私が思い出すことを 気づくことを ずっと知らせてくれていた 私の中の宇宙の奥底から ず…

結生子
10か月前
11

リョウコは私

私はリョウコから本当の私を見つけることを 教えてもらった リョウコは私に 人生を張って 私という人の本質を教えてくれた と今では思う リョウコはリョウコであり かけが…

結生子
10か月前
5

手放せば手に入る

就職活動は想像以上に苦労した こんなに苦労するなら 今のバイトのままでもいいんじゃないか と思ったくらいだ しかし リョウコは今のバイトはもう嫌気がさしていたようだ…

結生子
10か月前
7

断薬

薬の副作用ほどドクターの方針をあっさり変えるものはない 一生薬は変わらんと思っていたけれど 思わぬ副作用で あっさり薬が変わった 薬の量は同じくらいになっていたよ…

結生子
10か月前
7

副作用

意を決して書いたドクターへの手紙を 診察室の机でじっと読む主治医がいた なにもいわず 沈黙が流れていた 午前10時過ぎの明るい陽射しがはいる診察室は 清潔で静かで 待合…

結生子
10か月前
5

減薬

リョウコはリストカットはしなくなったが 相変わらず 寝たら 「どんどん」と太ももや体をたたいていた 寝る前には 「入院しなければよかった」 とぐちぐちいう しかし私は…

結生子
10か月前
9

よしよしする

リョウコは いつも大学に行くとき以外は 家と私の職場にいることになった 職場についたら べっどがあって そこですぐに横になっていた つねに、倦怠感があったようだった …

結生子
10か月前
6

抱きしめる

夕暮れ時の薄暗い和室で 聞きなれたドクターの声が 受話器の向こうから聞こえてきた 「お母さん、どうしました?」 「先生、リョウコが手首を切ったんです 私、怖くて 再…

結生子
10か月前
5

リストカット

恐れていた日が 来た リョウコが私に手首を見せてきたんだ 「ほら、切った」 私はいままで感じたことのない 現実的な 恐怖の谷に突き落とされた 手首には数か所の切り…

結生子
10か月前
5

前兆

そうだ、リョウコが病気を発症したのは 私には明らかなる前兆があった リョウコの小さな時からの 本当に小さな時からの たとえようもない いら立ちや 憎しみのようなもの …

結生子
10か月前
3

眠れない夜

キャンプに行く前日 リョウコは泣いていた 「行きたくない」 「しんどい」 「何もできない」 そんなリョウコに私は 「今頃何言ってるん あんたはリーダーやねんから 今頃…

結生子
10か月前
4

復学

りょうこは 退院した翌日から大学に復帰した よっぽどうれしかったんだろう 自転車に乗り 以前と同じように大学に行った でも、帰ってく来たら 顔色が悪いし、疲れ切って…

結生子
10か月前
4

ボーイスカウト

自由奔放でわがままな まだまだ小さいリョウコを 母として どうしてもうまく扱うことができずに ずっとイライラしていた 相手するのが嫌だったから 家に置いときたくなか…

結生子
10か月前
2

あんたが嫌いやったから

リョウコは そのうちなぜこんなにうまくいかないんだろう って思うようになっていった そして それは入院したからだって 言いだした リョウコにとってそれ以前の状態は と…

結生子
10か月前
2

お迎え

大学には行くけれど 必ずお迎えがいるようになった しんどくて帰れない そのうち 大学から電話がかかってくるようにもなってきた 保健室で休んでいるという 「お母さん、…

結生子
10か月前
2

娘と出会えた人

その人は初産の子供さんを
出産1か月前に死産で自然分娩で出産しました

順調だと思っていた矢先のお腹の子供の


お母さんは見ない方がいいと
ご主人だけ対面され

娘さんでした

その後彼女は無事男の子を2人出産

そのうち子供さんは成長し

長男に彼女ができて
「今度連れて帰るからあってくれ」

ドキドキしながら待っていて
その娘さんとあった瞬間
「あ、この子の事、大好き」って思った
まるで

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言葉が伝えたがっている

言葉が伝えたがっている

私の中から
言葉が訴えてくる
静かに
強く何度も
伝えたい
伝えたい
伝えたい

私が思い出すことを
気づくことを
ずっと知らせてくれていた

私の中の宇宙の奥底から
ずっとかすかに響いてきていたメッセージ

伝えたい
あなたに会いたいって

私に会いたいって
言っていた

その声を私は
聞いた

伝えたい

あなたに会ったら
それでもう 
気づくだろう
ずっと昔から
ここにいた
あなたに気づい

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リョウコは私

リョウコは私

私はリョウコから本当の私を見つけることを
教えてもらった
リョウコは私に
人生を張って
私という人の本質を教えてくれた
と今では思う

リョウコはリョウコであり
かけがえのない一つの存在だ
その命を私は母親というだけで
思うようにコントロールすることなどできないのだ

私はなぜかリョウコに対して
激しい怒りをいつも持っていた

そして
リョウコを愛してやれない自分を
酷く嫌っていた
リョウコに対し

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手放せば手に入る

手放せば手に入る

就職活動は想像以上に苦労した

こんなに苦労するなら
今のバイトのままでもいいんじゃないか
と思ったくらいだ
しかし
リョウコは今のバイトはもう嫌気がさしていたようだった

なぜかというと
飲食あるあるで
お客さんが横柄な態度で嫌だったようだ

リョウコがちゃんと働きたい
というのなら仕方がない

あきらめずに就活し続けるしかない

先生の言っていた通り
ストレスがかかると状態は悪くなる
ストレス

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断薬

断薬

薬の副作用ほどドクターの方針をあっさり変えるものはない
一生薬は変わらんと思っていたけれど
思わぬ副作用で
あっさり薬が変わった

薬の量は同じくらいになっていたようだが
種類が変わるというのは
ものすごく進歩だと感じた

種類を変えたらピタッと副作用は出なくなった

これもある意味恐ろしいことだ
リョウコに副作用が出ていなければ
表に出ない薬の害がリョウコの体に
ダメージを与えていたのかもしれな

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副作用

副作用

意を決して書いたドクターへの手紙を
診察室の机でじっと読む主治医がいた
なにもいわず
沈黙が流れていた
午前10時過ぎの明るい陽射しがはいる診察室は
清潔で静かで
待合で静かに物言わずに待つ
平坦なエネルギーの患者さんたちを
より一層薄暗くさせる気がする

隣で静かに座るリョウコも
何も言わずに
空間の中にいた

ほどなく読み終わった主治医は
「ふ~ん、えらいな~
鍼灸で治すんだ

わかりました

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減薬

減薬

リョウコはリストカットはしなくなったが
相変わらず
寝たら
「どんどん」と太ももや体をたたいていた
寝る前には
「入院しなければよかった」
とぐちぐちいう

しかし私は
それを淡々と見過ごしながら
過ごした

ただ、リョウコを受け入れる
リョウコがつらいことに思いを寄せる
様な毎日を送っていたような気がする

以前から気になっていたことがあった
「薬」だった

非常に重い薬をリョウコは飲んでいた

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よしよしする

よしよしする

リョウコは
いつも大学に行くとき以外は
家と私の職場にいることになった

職場についたら
べっどがあって
そこですぐに横になっていた
つねに、倦怠感があったようだった

そしてときどき
「どん、どん」という鈍い
何かに
打ち付けるような音が聞こえてくる
何度も何度もそれは続く

リョウコが自分の太ももを
自分のこぶしでたたいている音だった

リョウコの白い太ももには
薄青いあざがいくつもできている

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抱きしめる

抱きしめる

夕暮れ時の薄暗い和室で
聞きなれたドクターの声が
受話器の向こうから聞こえてきた

「お母さん、どうしました?」
「先生、リョウコが手首を切ったんです
私、怖くて
再入院した方がいいんじゃないですか?」

「・・・おかあさん、自分で、ほら、って、手首をみせてきたんでしょ?
自殺する子は、そんなことしないでさっさとほんまに
死にますよ

見せてくるってことは
お母さん、ほら、ほら、私、こんな怖いこと

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リストカット

リストカット

恐れていた日が
来た

リョウコが私に手首を見せてきたんだ

「ほら、切った」

私はいままで感じたことのない
現実的な
恐怖の谷に突き落とされた

手首には数か所の切り傷があった
薄く赤くなった傷
私の娘がリストカットした

そして「なんでこんなことしたん?」
と聞くと
「なんとなく」

そういえばリョウコは
良く自分の身体をこぶしでたたいている
太ももを良くたたいている
時にはベッドの柵を強く

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前兆

前兆

そうだ、リョウコが病気を発症したのは
私には明らかなる前兆があった

リョウコの小さな時からの
本当に小さな時からの
たとえようもない
いら立ちや
憎しみのようなもの

私の言うことを聞かないということと
言っていても全く伝わらないイライラ
それを差し引いても
何故かわからない
激しい怒りに似たものが
リョウコに対して沸いてくる

その鋭いナイフのような気持でずっとリョウコに接していた私は
いつか

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眠れない夜

眠れない夜

キャンプに行く前日
リョウコは泣いていた
「行きたくない」
「しんどい」
「何もできない」

そんなリョウコに私は
「今頃何言ってるん
あんたはリーダーやねんから
今頃になって
いい加減なことばっかいってるんじゃない
さっさと準備しーや」
と突き放した

鬼の様に
突き放した

私の中に
リョウコの悪い所を
どうしても
どうしても許せない
何か湧いてくる
憎しみのような
ものがあったんだ

なんで

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復学

復学

りょうこは
退院した翌日から大学に復帰した

よっぽどうれしかったんだろう
自転車に乗り
以前と同じように大学に行った

でも、帰ってく来たら
顔色が悪いし、疲れ切っている

まだまだ最大量の薬を飲んでいたから
身体は相当重たかったと思う

歩き方も重たそうで
決して走ることはなかった

ものすごく重い体を
引きずるように
毎日必ず大学に行った

しかし

そのうち
あまり楽しくないような
様子を

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ボーイスカウト

ボーイスカウト

自由奔放でわがままな
まだまだ小さいリョウコを
母として
どうしてもうまく扱うことができずに
ずっとイライラしていた

相手するのが嫌だったから
家に置いときたくなかった
外に出ていてほしかった

リョウコは
いつもどっかつれていって
連れて行って
ってずっと言ってた
お家でじっとしていられなかった

そんなに連れて行けるわけないやん
忙しいんやからっていつも
愚痴っぽく言っていた

そんな時、ボ

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あんたが嫌いやったから

あんたが嫌いやったから

リョウコは
そのうちなぜこんなにうまくいかないんだろう
って思うようになっていった

そして
それは入院したからだって
言いだした
リョウコにとってそれ以前の状態は
とてもよかった
ってことになっていた

入院がきっかけで
こんなことになった

大好きな嵐のコンサートにも行けなくなった
チケットも売ってしまった
良い席だったのに

大好きなアーティストのコンサートに奇跡的に当選していたけれど
ドク

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お迎え

お迎え

大学には行くけれど
必ずお迎えがいるようになった

しんどくて帰れない
そのうち
大学から電話がかかってくるようにもなってきた
保健室で休んでいるという
「お母さん、お迎えに来てあげてください
とてもしんどいって言っておられます」
「お母さん、今日もやすんでおられます
こんなにしんどいようでしたら、お休みされる方がいいんじゃないでしょうか」

まるでこちらを責めているような口調だ

カチンとくると

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