見出し画像

ボーイスカウト

自由奔放でわがままな
まだまだ小さいリョウコを
母として
どうしてもうまく扱うことができずに
ずっとイライラしていた

相手するのが嫌だったから
家に置いときたくなかった
外に出ていてほしかった

リョウコは
いつもどっかつれていって
連れて行って
ってずっと言ってた
お家でじっとしていられなかった

そんなに連れて行けるわけないやん
忙しいんやからっていつも
愚痴っぽく言っていた

そんな時、ボーイスカウトに入団しないかと誘いがあった

ボーイスカウトと言えば
キャンプファイヤーとか山登りとか
外での活動ばかり、というイメージ
社会的にも好印象だった

いつもキャンプに連れて行ってくれるんなら
ボーイスカウトに入ったらいいやん
入ってみんなと一緒にキャンプに行きまくればいいやん
それなら
リョウコにもいいし
私も楽でいいわ
ってずっと思って入団した

リョウコはいろんなところに連れて行ってもらえる
ボーイスカウトが好きになった
大自然の中で大勢の仲間と一緒に楽しい時間を過ごせる
生き生きしていた
休みの日はほとんどボーイスカウトの活動に参加した

ただし
準備・後片付けは大嫌いだったリョウコは
家に帰ったらリュックサックはほったらかし
洗濯物もそのままだし
食器もそのままだった

直前にならないと準備しなかった

現地ではいいけれど
その前後は大嫌いだった
だから良く
送り迎えしないと参加できなかった

準備と後片付け
面倒くさいけれど
それが一番大事な所だと
どれだけ言っても
あまりできないままだった

準備も後片付けも全部込みの活動
自分でできなかったら
自分で行けないんなら
いかなくてもいい

と突き放せばいいのは
頭では良くよくわかっていたけれど

その後が面倒だ
もし行けないままで家でごねたら、私がこまる
という気持ちの方が強かった
結局いつもいつも
私が送り迎えしながら
ボーイスカウトに参加させていた

面倒くさいことさえ自分でする必要がなければ
参加率が高いリョウコだったから
どちらかというと、行くだけでも喜ばれる
コミュニティーだったし
リョウコは活動そのものは大好きだったから
5~6年と継続していたリョウコは
自然と周囲から認められて
いつの間にかリーダーとして参加することになって
いっていた

リョウコは活動は好きだったし
少ない女子のリーダーだっただけに
大変認められて、周囲からもちやほやされる感じすらあった
女子ということで
送り迎えも頻繁にしてもらっていた

基礎ができていないのに
こんなにちやほやされて
なんかおかしいと
感じてはいたが、
私の心の奥底には
いつのまにか私が世話しなくても
いい感じで離れていく
と思っていた

でも、でも
このままうまくいかないような
このままではリョウコは
ものすごい大変なことになるような
悪い予感は私の中から消えなかった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?