マガジンのカバー画像

小説とエッセイ

4
小説とエッセイ 初めて精神閉鎖病棟へ入院した話しをエッセイにしてみました。統合失調症の世界を描く事が出来、ようやく本当に乗り越えられたと感じています。「扉」という作品です。 … もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

私の中の小さな男の子

私の中の小さな男の子

私の中の怪獣が暴れていた。私はそいつの存在にずっと昔から気づいていた。だけど、どう飼い慣らせばいいのか分からなくてずっと見ないふりをしてきた。そいつは時々激しく怒り狂い私の人格を支配しようとする。

30歳になった頃、私はヨガのインストラクターになる為に1年前から朝晩ヨガの練習をし瞑想を始めた。そうすると、自分の内側に少しずつ意識を向けられるようになっていく。ある晩の瞑想中、私の中の暴れている怪獣

もっとみる
つけまつげ

つけまつげ

エレベーターでマンションの7階へ行き、ルナの扉を開ける。ルナは女装専門のお店だ。女装したい男性が来て、女の子に化粧をしてもらい好きな衣装を着る。部屋で一緒に過ごして、記念写真を撮ったりする。時には店外デートもする。必要ならば性的なサービスをする場合もある。
「おはようございます」
皆に聞こえるように挨拶をする。6畳ほどのルナの待合室では20年以上勤めているクミさんが携帯を片手に寝転んでいる。その横

もっとみる
痣

鏡の前で全裸になって体のあちこちに出来た赤紫色の痣を撫でる。何故だかとても綺麗に見え何かの証のように見える。

私は電車に乗って彼の家に向かっている。彼は15才年上の不動産関係の仕事をしている。私は近くのスーパーで明日の朝食の卵とパンを買って、マンションの階段を駆け上がる。扉を開けるとスパイスカレーのいい匂いがする。料理をしてる彼の背中に抱きついて太ったお腹をさする。料理が出来上がるまでに、私は

もっとみる

「世界は終わる。新しい世界が始まる」
私の脳内に電波を使って誰かがメッセージを送ってくる。色々な情報が携帯電話からもテレビからも溢れ出して頭の中に入り込んでくる。私は選ばれた戦士だった事を思い出した。戦いの為の準備をしなくちゃいけない。
私はレベルを上げるために武器を片手に夜中の街を徘徊している。そこで私は敵に捕まり手錠を掛けられる。車に乗せられて何処かへ連れていかれる。5畳

もっとみる