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予測不能な世界の中で、私たちはいま

変化の大きな時代とはいったものの、ここまで大きな変化に飲み込まれてしまうことになるなんて、つい半年前までは思いもしなかった。
VUCAの時代というキーワードをやっと知ったばかりで、世の中は変化が大きくても私の生活はそう大して変わらず続いていくと、信じて疑わなかったし、そうとしか思えなかった。
「来月パリに行くの」なんて楽しみに言いながら、満員電車に詰め込まれるために眠い目をこすりながら家を出ていた頃が、最早遠い昔のようだ。

今はもう、翌月の勤務形態すらわからない。
あんなに毎日乗っていた電車に乗るのは週に一度だし、なつやすみの計画だって立てられない。
"最高の夏"にしたいけれど、そのための用意が何もできないくらいに。
手元には値上げ前にと買ったディズニーランドのチケットが、日の目を浴びることなくしまわれている。

環境の変化は、人にとってどうしてもストレスになる。
例えそれが良い変化であっても、例えば結婚だとか転職だとか、喜ばしく自ら望んだことであっても、「変化すること」それ自体がストレスだ。
人の脳はその進化の過程から変わらないことを望んでいるし、それは生物として生き延びるために必要な要素だったからこそ、備わっている機能でもある。
変化それ自体もそもそも予測がつかないことも、不安を増大させストレス反応が出ることは自然なことだ。
変化が大きい今はストレス反応の生じる要因が、そうでないときよりずっと日常にたくさん散りばめられている。
それはよりハイリスクな状態を、誰もが抱え続けているようなイメージだ。

だからこそ私たちは今ストレス反応が出やすい状態にさらされていてそれは自然なことだとわかっておく必要があるし、身近な誰かにとってもそういうリスクが高まっていると認識しておく必要がある。
正しく知ることは、自分を守る武器になる。
ベースのストレス状態が高まっているから、そこに加えられる普段なら笑って受け流せる要素に怒ってしまったり落ち込んでしまったり、そういうことが起きやすい。
元気なところに1のダメージを受けるのと、崩れ落ちそうなところに1のダメージを受けるのでは、新しい1のダメージの及ぼす影響度は全然違う。

自分にとっても他者にとってもそういう状態だからこそ、それをわかった上で身近な誰かの異変に気が付くことも、これまで以上に大切なことになってくる。
みんながダメージを受けやすい状態であるからこそ、大切な人を守ることだってより重要になる。
ストレスフルな状況であることを理解して、普段よりもっと誰かの話に耳を傾けることとか、ちょっとした違和感を抱いたときにそっと声をかけることとか、そういうちょっとしたことが重要な役割を果たす機会が、これから先求められる大きな要素のひとつになると思う。
今までなんてことなかったことに傷つくことがあると知って、それを受け止めるところから。

誰かに手を伸ばすことって、きっとそんなに大それたことじゃなくて、日常の一部、日々の会話の一部がほとんどだ。
それが手を差し伸べることになったかどうかも、区別しないくらいに。
そんなちょっとしたやりとりを少しだけ意識して過ごす時間が増えることで、予測不能な世界の今も、少しずつやさしい世界になると願って。

関わらせてもらっているNPO法人LightRingにて、誰かの力になりたい方/今誰かの悩みを聞いている方のコミュニティが始まります。
身近な人との関係性をより大切にしたい方や、人の話を上手く聞けるようになりたい方、また現在身近な人の悩みを聞いている方などに是非ご参加いただければと思っています。
オンラインミーティングにて精神保健福祉士によるセルフケアのアドバイス・参加者同士でのディスカッション行う他、悩みを聞く中での不安や喜びを長期的に共有できる場とする予定です。
初回は6月27日になりますので、お気軽にご参加ください!
詳細はこちらから↓
http://lightring.or.jp/rings-1/?fbclid=IwAR2BnEXHfVF7SBSqtzyFZ7G_qSOs8aRIZ9Bjafz0_1AfVqDAyyJP_OtiSHw


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