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観たこと、感じたこと

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ふと考えたこと、感じたことを。
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2019年11月の記事一覧

一目惚れした男に会いに京都入りした話

一目惚れした男に会いに京都入りした話

京都に来ている。フジロックで恋をした男に会いに京都に来ている。

その男、Night Tempo。

昭和歌謡をビートにのせる彼は、全国横断ツアーを敢行中である。日程が発表され、東京公演がどうしても仕事で調整がつかないことが判明。

さて、どうしたものか?

大人になって分かったことがある。若い頃に比べ、気持ちが自ずと奮い立つ回数が激減している。大切なのは、それに要する時間とお金ではない。いちばん

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麗しのメルヘン。旅とフルーツサンド

麗しのメルヘン。旅とフルーツサンド

フルーツサンドが好きだ。飛び込んだ喫茶店のメニューにあったら、ほぼ必ずオーダーする。旅先で美味しいフルーツサンドを食べられたら、それだけでご機嫌だ。

新幹線に乗る時は、この場合もほぼ必ずメルヘンでフルーツサンドを買う。東京駅と品川駅。メルヘンの位置はしっかり把握している。

メルヘンのフルーツサンドのラインアップは、季節で入れ替わる。旬はもちろん、走り、または、名残りのフルーツに出合えた時もまた

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お久しぶりのホテルオークラ!

お久しぶりのホテルオークラ!

昨日、仕事でホテルオークラ東京へ。

2015年に建て替えのため閉館した際の切なさは上のブログで綴った。

その「オークラ東京本館」が工事を終え、「ジ・オークラ東京」としてリニューアルオープン。噂通り、旧本館の象徴だったロビーは見事に再現されており、「ほほぅ」と吹き抜けの上のフロアから見下ろし、しばらく感慨深く眺めてしまった。

きれいに修繕された新ロビー。壁面の装飾は新調したらしいが、イスとテー

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雑誌の意義とは?  ずっと頭に残っている編集長の言葉

雑誌の意義とは?  ずっと頭に残っている編集長の言葉

その人と出会った時のその人の年齢に近づいてきた。その人とは、私が社会人となって初めて携わったファッション誌の編集長。その雑誌の提案するファッション、いや、そのすべてを体現しているような人だった。

その雑誌は、おしゃれで曖昧にされがちな部分をきちんと言語化し、誰にでも実現できるセオリーにおとしむことに注力していた。当時、パリジェンヌ推しだった女性誌群の中で、ミラネーゼを推していたのも特徴的な雑誌だ

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私たちの「美味しい」の未来。食と安全とテクノロジーと。

私たちの「美味しい」の未来。食と安全とテクノロジーと。

海外に住む知人から「日本の食べ物大丈夫?」と言われることが多くなった。海外では禁止となっている添加物や農薬が日本では使われているというのがその主な理由。

3Dプリンターで食べ物をつくる香港に住む知人は、「昔は高くても日本から輸入されている野菜を買っていたが、今は中国産を買っている」と言っていた。なんでも中国の富裕層に健康志向が生まれ、中国でもオーガニックや無農薬野菜が作られ始めるようになり、鮮度

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渋谷とパルコと堤清二

渋谷とパルコと堤清二

渋谷パルコが先週末にオープンした。覗きに行きたいと思いつつ、あまりにすごい人の量だと聞き、ひよってしまった。つまり、まだ、足を運んでいないにもかかわらず、渋谷パルコのことを書く。

カルチャーの発信源としての意地少し前に、渋谷のトランスフォームぶりを嘆いてしまい、情報を入手せずに新生パルコに対してもやや後ろ向きな記事を書いてしまった。

ジャーナリストの知人は、「セゾングループ解体後、Jフロントリ

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時間と場所は個人裁量で決めるABWという働き方

時間と場所は個人裁量で決めるABWという働き方

「個人がある活動を行うときに、最も生産性が高い場所、時間、相手を自己裁量で選択することができる働き方」=Activity Based Working(ABW)の話をうかがった。

ABWのメリット
ABWという概念を生み出したVeldhoen + Company(ヴェルデホーエン)社によると、

ABWとは企業のビジネス戦略や信念に適合するように働き方の改善方法を見つけ出す促進剤(カタリスト)」

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椎名林檎が完璧な布陣で『正しい街』を歌った夜

椎名林檎が完璧な布陣で『正しい街』を歌った夜

これまでにいちばんカラオケ印税を払っているアーティストは椎名林檎だと思う。椎名林檎しばりのカラオケを何回開催したか分からない(勝手に自縛していたこともあるけれど)。歌舞伎町のカラオケスナックで夜更けに『歌舞伎町の女王』をシャウトし、ママに「また、出た!」と言われた回数、数知れず。

そんなことで林檎ファンを名乗るつもりはないけれど(なにせ、心のベストテンは、『無罪モラトリアム』『勝訴ストリップ』と

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『未来と芸術展』。人は、私は、明日どう生きるのか?

『未来と芸術展』。人は、私は、明日どう生きるのか?

森美術館で開幕した展覧会『未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命─人は明日どう生きるのか』に行ってきた。100点以上の作品・プロジェクトが一堂に会する。かなりの量なので、時間と体力を確保してから臨むことをオススメする。

マクロ視点とミクロ視点と会場構成は、「都市の新たな可能性」「ネオ・メタボリズム建築へ」「ライフスタイルとデザインの革新」「身体の拡張と倫理」「変容する社会と人間」の5セクション

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シンデレラがシンデレラになれた理由〜アンラーニング考〜

シンデレラがシンデレラになれた理由〜アンラーニング考〜

最近、「頭でっかちになりすぎてよくないな」と思うことが続いた。「学習=何かを身につけること」というインプットの重要性。それを今まで意識しすぎてきたけれど、アンラーニングの大切さを痛感している。

アンラーニング……古い知識や価値観を棄て去り、その時の環境に相応し新たな物に学び直していくこと。学習棄却ともいう。

シンデレラがシンデレラになれた理由は何か? そんなテーマで大学院でディスカッションをし

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迷子中なら、まず「自分はおしゃれが趣味の人」なのかどうかを考える

迷子中なら、まず「自分はおしゃれが趣味の人」なのかどうかを考える

久しぶりに、男性ファッションのスタイリストさんと仕事をした。メイク待ちの雑談中、彼が「レディスのトレンドサイクルは早すぎますよね」とボソリ。「たとえばデニム。毎シーズン買わなくてはいけないアイテムなんかじゃ絶対にないですよ」と。オーセンティックなデザインを出し続ける、「A.P.C、ヘルムト・ラングあたりを買って、育てる感覚でずっとはくのがいいと思う」と彼。

トレンドを着たいなら買い続ける。そうで

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英国に見初められた陶芸家・細野仁美さんとの再会

英国に見初められた陶芸家・細野仁美さんとの再会

陶芸家の細野仁美さんに再会した。初めて会ったのは仁美さんのロンドンにあるスタジオ。たくさんの作品に囲まれたその場所は、仁美さんのパワーが集約されていた。

仁美さんの作品は力強くも、とても繊細なので、デリバリーがなかなかに困難で、日本で作品を観ることがなかなかに難しい。今回、日比谷で展示されている作品は、ウェッジウッドとコラボレーションしたアイテムたち。こんな間近ですべてのラインアップを一度に目に

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「自分の意見は、本当に自分のもの?」を問う映画『i 新聞記者ドキュメント』

「自分の意見は、本当に自分のもの?」を問う映画『i 新聞記者ドキュメント』

他者との関係を築く時、邪魔をする「関係性の4毒素」というものがあるらしい(出典:中土井僚著『U理論入門』)。

関係性の4毒素 ①非難:相手を追いつめ、相手の能力や人格を否定する。他者の言動。②侮辱・見下し:相手をダメな人と決めつけ断罪し、切り捨てる。③自己弁護・防御:自己正当化と自己犠牲感。④逃避:コミュニケーションを避ける。当たり障りない言動に終始する。意図的に相手を避ける。関係を絶つ……など

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「安全」より「美味しい」が強い⁉︎ ビジネスが継続する条件

「安全」より「美味しい」が強い⁉︎ ビジネスが継続する条件

『オイシックス・ラ・大地』の前身である『大地』の藤田社長の出演している10年前くらいの動画を見た。

「安心・安全だから無農薬の野菜を買う。そういう意識は2・3ヶ月しかもたないんです。大地の野菜を継続的に購入いただけているのは、これらの野菜が“美味しい”からです」。

たしかに。キッカケは安心・安全というキーワードだったかもしれない。でも、いくら安全だと分かっていても、美味しくなかったら続くはずが

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