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ヤマギシの軌跡

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中の人、山岸のすべてがここに。
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#日記

タキタの乳首をみた

タキタの乳首をみた

みてしまった。おれはタキタの乳首をみてしまった。

しかし悪気はなかった。
それは小学校6年の夏、プールの着替えのときだった。

当時は男女の着替える場所が、多目的室と教室とで、なぜか毎週入れ替わる。
隔週で場所が決まっていたのかもしれないが、そんなこともすっかり忘れ、教室の隅のカーテンに絡まってくるくる回っていたおれは、今週の着替える場所が、どっちなのかを確認しそびれてしまったのだ。

総計23

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将棋に負けた言い訳を2000字で徹底的に説明した

将棋に負けた言い訳を2000字で徹底的に説明した

きのう、今働いている塾の室長・岡田と将棋をやったら、こてんぱんに負けた

俺にとって将棋は小学生以来で、それもルールすらままならない4つ下の弟としかやってこなかった。
弟には「将棋を教える」という体で適当な駒を動かさせ、その隙を突いてフルボッコにすることで、「兄としての威厳」をかみしめていたのだ。

【備考:弟と将棋をたしなんだ日々】
ぼく「この、"ギン"、っていうのは、ななめと、前にいけるんだ。

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「モテキ」に触発されて”おじさんアイコンのユーザー”に会ったらおじさんが出てきた話

「モテキ」に触発されて”おじさんアイコンのユーザー”に会ったらおじさんが出てきた話

【頭がバグっていた時の話】

「モテキ」をご存じだろうか。
いや、この際ご存じでも存じ上げなくても結構で、かく言う私も原作をみていないので「ご存じだろうか」などと高圧的に詰問する筋合いはない。
もうモテキの概要でもなんでもないが、「この話をするうえで必要なエッセンス」だけを抽出してまとめると、

「こじらせサブカル男子・藤本幸世(森山未來)、twitterで知り合った“おじさんアイコンのユーザー”

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仙台城という城が、ない

仙台城という城が、ない

仙台には、仙台城という城が、ない。ないのだ。

いや、正確には「あった」のだが、第二次世界大戦時に焼失してしまい現在はその跡しか残っていないのだ。

ふざけんな
ねえのかよ!!なにが仙台城"跡”だよ!!申し訳程度に書くなよ!!よく読んでなかったじゃねえか!!

それも、俺は跡地をみて初めてないことに気がついたのだ。散々肩透かしを喰らった俺はもう、仙台城に対する憤りを抑えきれない。

険しい坂道を登

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おもいで-卒業式

おもいで-卒業式

小さい頃から、自分ひとりだけが取り残されるのが怖かった。

風邪でひとりだけ遊びに行けない日の家の中とか。

皆がすやすやと眠る中、自分ひとりだけが寝付けない修学旅行の夜だとか。

皆が何一つ苦労せずにできること。

そんな当たり前のことができず、ひとり取り残される。

その感覚が怖かった。

そして僕はこの瞬間、またひとり取り残されそうになっている。

今日は小学校の卒業式だ。

6年間過ごした

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おもいで-そして誰もいなくなった

おもいで-そして誰もいなくなった

ラインがきた。

普段めったにこないライン。女性からのラインだと期待に胸を膨らまし、スマホに飛びついた。

しかし違った。

後藤という、男だった。

よりによって、後藤

後藤は、男の中の男だった。

バスケをこよなく愛し、バスケのために生きていた。

普段多くは語らない男だが、口を開けばバスケ、バスケ

バカのひとつ覚えのようにバスケと言っていた。

中学、高校とバスケに励んだ彼だったが、高校

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おもいでー蜂蜜みたいな味がするなんて

おもいでー蜂蜜みたいな味がするなんて

イケメンに、チンチンなんかない。

そう思ってた。

誰に教わったわけではないが、ただ、そう思っていたのだ。

だけどそれは、幻想に過ぎなかった。

ーー

温泉に行った。

部活動が一緒だった高校の友達と、3人で。

久々の再会だった。

ところでその中に一人、ものすごいイケメンがいた。

彼の名は江口。

江口はイケメンだ。疑いようがない。

憎らしいくらいの美少年で、鼻が高く、どこか日本人離

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おもいで-弟・レイタ

おもいで-弟・レイタ

年の4つ離れた弟がいる。

はっきり言って、彼とは相当仲が悪い。

こないだ弟の卒業式に出席した際には、他の兄弟が仲良く肩をくみあいながら写真を撮るのを見て、咄嗟に自分も同じことをしてみようと思い弟の肩に手を伸ばすと、奴は露骨に嫌な顔をしてみせた。

それほどに仲が悪い。

人間、4つも年が離れてしまってはわかりあえないのが世の常。

しかし年齢差以上に明確な理由がある気がしてならない。

そして

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おもいで-大発見

おもいで-大発見

気づいてしまった。

小学6年生の秋。

驚くべきことに気づいてしまったのだ。

6年2組、在籍者32名。

このクラスには、

寅年うまれと兎年うまれしかいない

なんてことだ

いままでに、

「好きになる女の子の名前には絶対"か行"が入る」

「キスで子供は生まれない」

など、様々な歴史的発見を繰り返してきたヤマギシ少年だが、この発見には自分でも驚きを隠せない。(ただし1つ目の発見は高1の

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おもいで-ベイブレード

おもいで-ベイブレード

一世を風靡したオモチャ、ベイブレード。

ベーゴマの現代版としてタカラトミーから発売された。

ゲームを買ってもらえず、虚しくバッタ採りをしていたおれは、デジタル離れした遊びが流行っていることに狂喜乱舞した

過去3回にわたりスケールアップしヒットを繰り返したベイブレード。

おれたちの世代が狂ったように回したのは第二世代、

メタルファイトベイブレード

いままでとの大きな違いは、ベイの材質とし

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おもいで-オトナって

おもいで-オトナって

「カナタくん!よしなさい!」

「なんで!なんで見れないんだよ先生!」

「いいからよしなさい!」

その言葉が何を意味するのか、当時は知る術もなかったのだ。

30分前。

小学生のぼくは、パソコン室にいた。

「インターネットを活用して調べ物をしよう!」という授業があったのだ。

自分で決めたテーマについて、パソコンを使って調べる。

そしてそれをレポートにかいてまとめる、といったものだった。

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おもいで-踊り場事件 最終話

おもいで-踊り場事件 最終話

「ちがっ」

「とうさんっ」

束の間の出来事だった。

むなぐらを掴んだ左手は、僕を離そうとはしなかった。

「友達を家にあげるなとは散々言っていたはずだ」

「ちがうんだっ、そういうイミじゃないっ」

錯乱状態の中、ぼくはただ、いたずらに声を発することしかできなかった。

「あれはチガウんだっ」

「何が違うのか説明してみろ」

「あれはっ...あれは友達じゃないッ(ヤケクソ)」

もう何をし

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おもいで-踊り場事件 第二話

おもいで-踊り場事件 第二話

午後3時。

少年たちは、二階の一室にいた。

親のいない家。

誰にも指図されることのない閉空間。

むしろ絶好のたまり場なのだ。

たしかあの日は、友達7人くらいを家に呼んで、プレステ2の太鼓の達人に夢中になっていた。

曲をえらぶドン!

今日は”テイレイケン”というオトナたちのイベントがあるらしい。まったく無縁の子供たちにとって、いつもより早く帰って遊べる日でしかなかった。

笑い声が聞こ

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おもいで-踊り場事件 第一話

おもいで-踊り場事件 第一話

我が家には様々なルールがあった。一部、ざっくりと紹介しよう。

「門限は5時!」

父「一分でも遅れたら、締め出すからな」

家から二分の公園で遊んでいて、気づくと5時になっていたことがあり、「あっ!やべ!」と思い家に帰る。

5時2分。まさかとは思ったが、

開かない

「お小遣いの範囲で生活しろ!」

父「月々のお小遣いは、一年生は100円、二年生は200円。六年生で600円だ。

いいか。俺

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