やすべい

好きなものを好きな時に好きなだけ。 好きなもの:藤子不二雄、クリント・イーストウッド、…

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好きなものを好きな時に好きなだけ。 好きなもの:藤子不二雄、クリント・イーストウッド、ルパン三世、写真、京都、映画、歴史etc.

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固定された記事

「クライ・マッチョ」―老境のイーストウッドが放つ人生賛歌

鉄は熱いうちに打て、感想は熱いうちに書け。ということで、昨日、第34回東京国際映画祭のオープニング作品として上映されたクリント・イーストウッド監督の最新作「クライ…

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2年前
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「名探偵コナン」の30年

今年の1月で連載30周年を迎えた「名探偵コナン」(青山剛昌/1994-)。 連載当初は地味な印象のあった推理漫画というジャンルで30年におよぶ長期連載となり、かつ先月公開…

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3週間前
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新緑の紅葉

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4週間前

声優交代―山田康雄から栗田貫一へ

本日3月19日は、初代ルパン三世の声で有名な山田康雄の命日である。 今年で29年になる。 長寿アニメの声優交代は、この20年で事例が増え、受け手である視聴者も慣れたとこ…

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2か月前
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巨匠の人間力~藤子不二雄Ⓐ先生 生誕90周年

2024年3月10日、漫画界の巨匠、藤子不二雄Ⓐ先生が生誕90年を迎えた。 今回は90周年を記念して、2014年6月21日に行われた「手塚治虫文化賞特別賞受賞記念&@ll(オール)藤…

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2か月前
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【追悼】天下一の漫画家―鳥山明

2024年は、少年漫画の金字塔「ドラゴンボール」の連載40周年であり辰年でもある、まさに「ドラゴンイヤー」だ(次に周年と辰年が重なるのは連載100周年となる2084年)。 本…

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2か月前
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給食戦線、異常しかなし

給食の思い出「給食」と聞いて何を思い出しますか? カレーの日にテンションの上がる男子、お代わり争奪戦、給食特有の揚げパンやソフト麺、やたら牛乳が飲めない子・・・…

やすべい
3か月前
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陽気な楽団と真夜中のエレベーターボーイ

午後11時過ぎ―。今日はやたらと喉が渇く。 朝までを考えたら部屋の水分は心許ない。 えぇい、面倒だが飲み物を買いに行くか。 ここはビジネスホテルの最上階。 館内の案…

やすべい
4か月前
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「忠臣蔵」今昔―文化の栄枯盛衰

320年のロングセラー赤穂浪士の討ち入りが創作物の題材になったのは、討ち入りの翌年(年をまたいで討ち入りの一か月後)、1703年の「傾城阿佐間曽我」である。 以来320年…

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5か月前
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生成AI供養

2023年、ChatGPTを筆頭に生成AIが簡単に利用できるアプリが増え、話題となった。 ChatGPTでは、内容の真偽はともかく、自然言語を違和感なくつなぎ一定の文章を生成できる…

やすべい
5か月前
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好きが詰まった「T・Pぼん」~藤子・F・不二雄先生 生誕90周年

2023年12月1日、児童漫画の巨匠、藤子・F・不二雄先生が生誕90年を迎えた。90周年ということで、様々記念企画が予定されている。 その中でも今回特に取り上げたいのは、3…

やすべい
6か月前
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年越しを京都で過ごす

大晦日に元旦、初詣・お年玉・年賀状…。 年末年始は一年で最も「日本」的なものを感じる時期ではないでしょうか。そうなると、一番「日本」的なものがありそうな京都で年…

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6か月前
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ドラゴンボールの新作で悟空たちが小さくなるのは必然

先日、世界最大級のポップカルチャーの祭典「ニューヨーク・コミコン」にて、原作連載40周年を記念したドラゴンボールの新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA(ダイマ…

やすべい
7か月前
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京の紅葉~錦秋の装い

はじめに春に花、夏に祭、秋に紅葉、冬に雪。 歴史ある風情と共に移ろいゆく季節を感じるとき、 日本人として生まれながら、日々の生活で忘れてしまっている何かに気付かせ…

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7か月前
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祖父の預金通帳

鰻夏休みに祖父母の家に遊びに行くと、決まってウナギが出た。 川の向こうにウナギの養殖所があり、そこで祖父が買ってくるのだ。 今ほど国産ウナギが高くはなかったが、そ…

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8か月前
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9月は山田康雄の名演を堪能しよう!

はじめに9月10日はレジェンド声優・山田康雄の誕生日だ。ご存命なら91歳。 亡くなられて30年近く経つが、定期的に出演作品が放送され、今年の1月には「Z世代声優が選ぶ!…

やすべい
8か月前
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「クライ・マッチョ」―老境のイーストウッドが放つ人生賛歌

「クライ・マッチョ」―老境のイーストウッドが放つ人生賛歌

鉄は熱いうちに打て、感想は熱いうちに書け。ということで、昨日、第34回東京国際映画祭のオープニング作品として上映されたクリント・イーストウッド監督の最新作「クライ・マッチョ」の感想を書きたいと思う。

ハリウッドの生きる伝説、クリント・イーストウッド監督の第40作目にして、監督業50周年に公開される映画「クライ・マッチョ」。

ストーリーは、老いたる元ロデオスターと少年の交流を通じて、人生における

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「名探偵コナン」の30年

「名探偵コナン」の30年

今年の1月で連載30周年を迎えた「名探偵コナン」(青山剛昌/1994-)。
連載当初は地味な印象のあった推理漫画というジャンルで30年におよぶ長期連載となり、かつ先月公開の映画が昨年に続いて興行収入100億円を突破するなど、むしろ人気が高まっていることを感じさせる、国民的人気作だ。

30年と言えば、ほぼ平成の期間に相当し、「失われた30年」と言われる経済低迷期にも相当する期間である。

この30

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声優交代―山田康雄から栗田貫一へ

声優交代―山田康雄から栗田貫一へ

本日3月19日は、初代ルパン三世の声で有名な山田康雄の命日である。
今年で29年になる。

長寿アニメの声優交代は、この20年で事例が増え、受け手である視聴者も慣れたところがある。
また、声優の方もニュアンスを残しつつモノマネにならない巧みさを持つようになり、納得感のある声優交代も増えたように思う。

しかし、29年前のルパン三世役の交代は、まだまだ事例も少ない頃で、声優と役が不可分となっている場

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巨匠の人間力~藤子不二雄Ⓐ先生 生誕90周年

巨匠の人間力~藤子不二雄Ⓐ先生 生誕90周年

2024年3月10日、漫画界の巨匠、藤子不二雄Ⓐ先生が生誕90年を迎えた。
今回は90周年を記念して、2014年6月21日に行われた「手塚治虫文化賞特別賞受賞記念&@ll(オール)藤子不二雄Ⓐ刊行記念トークショー&サイン会」の模様を振り返りたいと思う。

「@ll(オール)藤子不二雄Ⓐ」とは生誕80周年を記念して刊行された記念本。
数々の作品を生んだ藤子不二雄Ⓐ先生の仕事ぶりの迫る内容で、インタビ

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【追悼】天下一の漫画家―鳥山明

【追悼】天下一の漫画家―鳥山明

2024年は、少年漫画の金字塔「ドラゴンボール」の連載40周年であり辰年でもある、まさに「ドラゴンイヤー」だ(次に周年と辰年が重なるのは連載100周年となる2084年)。
本来周年企画などで盛り上がるはずが、3月8日午後、まさかの訃報が伝えられた。
2024年3月1日、漫画家・鳥山明死去。68歳。

この記事ではあまり取り上げられない点から漫画家・鳥山明を振り返り、追悼としたいと思う。

パロディ

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給食戦線、異常しかなし

給食戦線、異常しかなし

給食の思い出「給食」と聞いて何を思い出しますか?
カレーの日にテンションの上がる男子、お代わり争奪戦、給食特有の揚げパンやソフト麺、やたら牛乳が飲めない子・・・各世代でそれぞれに思い出があると思います。

私がまず思い出すのは、窓から差す光に照らされてもうもうと巻き上がる砂煙―。
私は給食が食べられない子どもでした。

毎日が憂鬱例えば、体育が苦手な子は、体育がない日は幸せです。
嫌いな食べ物があ

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陽気な楽団と真夜中のエレベーターボーイ

陽気な楽団と真夜中のエレベーターボーイ

午後11時過ぎ―。今日はやたらと喉が渇く。
朝までを考えたら部屋の水分は心許ない。
えぇい、面倒だが飲み物を買いに行くか。

ここはビジネスホテルの最上階。
館内の案内によれば、自動販売機は2階らしい。
田舎とは言え寝巻きで出るのはまずかろう。
雑にズボンとシャツを着直して廊下に出る。

館内は静まり返っている。
19時頃にホテルに来た時点で、周囲は真っ暗だった。
日曜の夜にあまり泊り客もいないの

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「忠臣蔵」今昔―文化の栄枯盛衰

「忠臣蔵」今昔―文化の栄枯盛衰


320年のロングセラー赤穂浪士の討ち入りが創作物の題材になったのは、討ち入りの翌年(年をまたいで討ち入りの一か月後)、1703年の「傾城阿佐間曽我」である。
以来320年。「忠臣蔵」は、歌舞伎・浄瑠璃・落語・浪曲・端唄・小唄・小説・映画・テレビドラマ・舞台・漫画etc.と媒体を変えながら、今日まで語り継がれてきた日本における一大モチーフである。
明治維新~大戦期を経て、生活様式や価値観がすっかり

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生成AI供養

生成AI供養

2023年、ChatGPTを筆頭に生成AIが簡単に利用できるアプリが増え、話題となった。
ChatGPTでは、内容の真偽はともかく、自然言語を違和感なくつなぎ一定の文章を生成できるため大変便利であるし、画像生成AIでは、手足や姿勢などに多少の破綻はあれど、自身の描画の技量に関係なくイメージがすぐに視覚化されるため喜びがある。

しかし面白さのあまり、用途の無い画像を多数生成してしまったので、この場

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好きが詰まった「T・Pぼん」~藤子・F・不二雄先生 生誕90周年

好きが詰まった「T・Pぼん」~藤子・F・不二雄先生 生誕90周年

2023年12月1日、児童漫画の巨匠、藤子・F・不二雄先生が生誕90年を迎えた。90周年ということで、様々記念企画が予定されている。

その中でも今回特に取り上げたいのは、35年振りに再アニメ化される「T・Pぼん」(1978-1986)である。

「T・Pぼん」とは「T・Pぼん」とは、1978年から1986年まで潮出版社の漫画雑誌に掲載された作品で、主人公・並平凡がT・P(タイム・パトロール)隊員

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年越しを京都で過ごす

年越しを京都で過ごす

大晦日に元旦、初詣・お年玉・年賀状…。
年末年始は一年で最も「日本」的なものを感じる時期ではないでしょうか。そうなると、一番「日本」的なものがありそうな京都で年越ししたいと思う方もいることでしょう。

今回は、京都での年越しについての一例を紹介します。

京都での年越しは素朴出鼻を挫くようで申し訳ないですが、京都の年越しはわりと素朴です。
一年で最も観光客が多いという紅葉シーズン(~12月10日前

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ドラゴンボールの新作で悟空たちが小さくなるのは必然

ドラゴンボールの新作で悟空たちが小さくなるのは必然

先日、世界最大級のポップカルチャーの祭典「ニューヨーク・コミコン」にて、原作連載40周年を記念したドラゴンボールの新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)」が2024年秋に放送されることが発表された。

本作の一番の特徴は、悟空たちメインキャラクターが全員小さく(子ども化?)なること。
ティザー映像で如意棒を構えた悟空の姿は、少年悟空(アニメで言うところの無印)を彷彿とさせ、オールド

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京の紅葉~錦秋の装い

京の紅葉~錦秋の装い

はじめに春に花、夏に祭、秋に紅葉、冬に雪。
歴史ある風情と共に移ろいゆく季節を感じるとき、
日本人として生まれながら、日々の生活で忘れてしまっている何かに気付かせてくれる。
千年の都・京都にはそんな魅力があるように思います。

暑さが和らぎ、ようやく季節が進んできました。
朝晩の冷え込みなど感じると、気になるのは木々の色付き。
野山の錦とも言われる紅葉は、春の花見と並んで日本の四季を強く感じる自然

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祖父の預金通帳

祖父の預金通帳

鰻夏休みに祖父母の家に遊びに行くと、決まってウナギが出た。
川の向こうにウナギの養殖所があり、そこで祖父が買ってくるのだ。
今ほど国産ウナギが高くはなかったが、それでも普段の食事に比べれば高級で、祖父なりのもてなしだったに違いない。
だから私にとって祖父が買ってきて祖母が焼く鰻の蒲焼の味は、祖父母の家の懐かしい記憶の味だ。
祖父が自力で歩けなくなる直前まで祖父のもてなしは続いた。

顔祖父は日が西

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9月は山田康雄の名演を堪能しよう!

9月は山田康雄の名演を堪能しよう!

はじめに9月10日はレジェンド声優・山田康雄の誕生日だ。ご存命なら91歳。

亡くなられて30年近く経つが、定期的に出演作品が放送され、今年の1月には「Z世代声優が選ぶ!昭和アニメのスゴい声優50人はこれだ!」(1月4日/テレビ朝日)でも在りし日の映像が流れるなど、その存在は未だに色褪せない。

そんな中、この9月は山田康雄の出演作品が多く放送されるので紹介したい。
名作揃いなので、ファンならずと

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