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「クライ・マッチョ」―老境のイーストウッドが放つ人生賛歌
鉄は熱いうちに打て、感想は熱いうちに書け。ということで、昨日、第34回東京国際映画祭のオープニング作品として上映されたクリント・イーストウッド監督の最新作「クライ・マッチョ」の感想を書きたいと思う。
ハリウッドの生きる伝説、クリント・イーストウッド監督の第40作目にして、監督業50周年に公開される映画「クライ・マッチョ」。
ストーリーは、老いたる元ロデオスターと少年の交流を通じて、人生における
「名探偵コナン」の30年
今年の1月で連載30周年を迎えた「名探偵コナン」(青山剛昌/1994-)。
連載当初は地味な印象のあった推理漫画というジャンルで30年におよぶ長期連載となり、かつ先月公開の映画が昨年に続いて興行収入100億円を突破するなど、むしろ人気が高まっていることを感じさせる、国民的人気作だ。
30年と言えば、ほぼ平成の期間に相当し、「失われた30年」と言われる経済低迷期にも相当する期間である。
この30
陽気な楽団と真夜中のエレベーターボーイ
午後11時過ぎ―。今日はやたらと喉が渇く。
朝までを考えたら部屋の水分は心許ない。
えぇい、面倒だが飲み物を買いに行くか。
ここはビジネスホテルの最上階。
館内の案内によれば、自動販売機は2階らしい。
田舎とは言え寝巻きで出るのはまずかろう。
雑にズボンとシャツを着直して廊下に出る。
館内は静まり返っている。
19時頃にホテルに来た時点で、周囲は真っ暗だった。
日曜の夜にあまり泊り客もいないの
「忠臣蔵」今昔―文化の栄枯盛衰
320年のロングセラー赤穂浪士の討ち入りが創作物の題材になったのは、討ち入りの翌年(年をまたいで討ち入りの一か月後)、1703年の「傾城阿佐間曽我」である。
以来320年。「忠臣蔵」は、歌舞伎・浄瑠璃・落語・浪曲・端唄・小唄・小説・映画・テレビドラマ・舞台・漫画etc.と媒体を変えながら、今日まで語り継がれてきた日本における一大モチーフである。
明治維新~大戦期を経て、生活様式や価値観がすっかり
好きが詰まった「T・Pぼん」~藤子・F・不二雄先生 生誕90周年
2023年12月1日、児童漫画の巨匠、藤子・F・不二雄先生が生誕90年を迎えた。90周年ということで、様々記念企画が予定されている。
その中でも今回特に取り上げたいのは、35年振りに再アニメ化される「T・Pぼん」(1978-1986)である。
「T・Pぼん」とは「T・Pぼん」とは、1978年から1986年まで潮出版社の漫画雑誌に掲載された作品で、主人公・並平凡がT・P(タイム・パトロール)隊員
ドラゴンボールの新作で悟空たちが小さくなるのは必然
先日、世界最大級のポップカルチャーの祭典「ニューヨーク・コミコン」にて、原作連載40周年を記念したドラゴンボールの新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)」が2024年秋に放送されることが発表された。
本作の一番の特徴は、悟空たちメインキャラクターが全員小さく(子ども化?)なること。
ティザー映像で如意棒を構えた悟空の姿は、少年悟空(アニメで言うところの無印)を彷彿とさせ、オールド
9月は山田康雄の名演を堪能しよう!
はじめに9月10日はレジェンド声優・山田康雄の誕生日だ。ご存命なら91歳。
亡くなられて30年近く経つが、定期的に出演作品が放送され、今年の1月には「Z世代声優が選ぶ!昭和アニメのスゴい声優50人はこれだ!」(1月4日/テレビ朝日)でも在りし日の映像が流れるなど、その存在は未だに色褪せない。
そんな中、この9月は山田康雄の出演作品が多く放送されるので紹介したい。
名作揃いなので、ファンならずと