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説明モデルから考える、健康業界に必要な医療多元社会へ向けて
アブストラクト医療と健康に関する誤解やすれ違いが頻繁に起こる。これらの誤解は「説明モデル」によって考えることができる。
多くの現代日本人の説明モデルは「西洋医学+少しの中医学」のブレンドであるが、弱いモデルである。そのため、病気になった際には医者など他人の説明モデルを一時的に採用する。それに対して強い説明モデルを持つ人は、知識や理論を自分自身で具体化する、一人称の体験を持っている。
「治療」
パーソナルトレーナーが考える「パーソナライズする」ということ
私は一応パーソナルトレーナーとして、そして自称医療人類学者として自己紹介しています。なぜ一応なのか、というとパーソナルトレーナーという名前がとても強いからであり、なぜ自称なのかというと独学で研究しているからです。
もちろん仕事として「パーソナルトレーナー」という呼称でやっているわけですが、どうもこの「パーソナル」という言葉が、なかなか定義が難しい言葉なのではないか、と「自称医療人類学者」の私は思
健康データベースを作りたい<システム設計編>(構想vol.3)
あらすじ
多種多様な健康法を載せることにより、迷ってしまうのではないか?という疑念に対しての回答としてむしろ多すぎる情報によって、概念の破壊の必要性を論じた。
さて、今回はこのデータベースをどのような設計をすべきかという点だ。データベースには以下の要件を満たす必要がある。
健康についてのデータが揃っていること
元となった文献を参考にしやすいこと
情報の信用レベルがわかりやすいこと
健康法
現象学、サイバネティクス、社会システム理論、そして環境という膜のない世界
ここ最近の哲学の興味は現象学、サイバネティクスだった。とりわけ、最近読んでいた本はウィーナーの『サイバネティクス』、ベイトソンの『精神と自然』と『精神の生態学へ』、そしてルーマンの入門書である『ニクラス・ルーマン入門』を読んでいた。これら現象学やサイバネティクスに関係している本というのは何かと役に立つような本ではない。社会学的なルーマンの「社会システム理論」も、理解できたからといって何かの役に立つ
もっとみる健康データベースを作りたい<目的編>(構想vol.1)
以前投稿したnoteの中で、自分の夢を語った。内容としては
健康の多様性を実現するために、健康情報のデータベース化とアクセス可能なプラットフォームを作る
ということだ。この夢を数年前から持ってはいるのだが、最近になって改めて声に出してみると色々な声が聞こえてくる。本当にありがとうございます。
もちろんポジティブな意見をいただくが、この夢はいささか世間ウケというところでは良くないようだ。自分が
医療人類学者と健康対話の難しさ
医療人類学者を名乗ることにしたという経緯
医療人類学者とは
エスノグラフィーという探求方法
自分という区分
哲学的に健康について考えていく、という自らの探求が、どの学問に当てはまるのだろうと長らく考えてきた。自分の興味の始まりは予防医学だったが、決して予防医学の実践手段ではない、もっと生き方のことだと思って数年が経った。「健康の哲学」っていう分野があればいいのだがどうやらそこの層はあまり厚