佐々木勇水

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  • 東京国際映画祭日記

    2022年の東京国際映画祭の映画鑑賞日記です!

記事一覧

不眠症大学院生の四方山話

私は、不眠症である。 今日も、日付が変わる前にはベッドに入り、眠ろうと努力していたのだが、気がついたら深夜3時になっていた。 眠たいのに、眠れない。 疲れているので…

佐々木勇水
2週間前
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チネ・ラヴィータ閉館に寄せて

1月22日、宮城県仙台市にあるミニシアター「チネ・ラヴィータ」が閉館することを発表した。 このニュースを聞いた時、僕はとても驚き、罪悪感が胸の中に渦巻き、すごく落…

佐々木勇水
4か月前
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2023年映画ベストテン【邦画(新作)】

2023年は、映画に関わる仕事を始めるなど、単に映画を観るだけでなく、世の中における映画の観られ方や、映画業界の動向についても知ることのできた一年だった。 また、昨…

佐々木勇水
4か月前
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映画『怪物』問題の所在ーセクシャリティは「ネタバレ」ではないー

6/3(土)、是枝裕和監督の最新作『怪物』を鑑賞した。 この作品は、坂元裕二さんが脚本、坂本龍一さんが音楽を手がけ、さらにはプロデューサーにはヒットメーカー・川村元気…

佐々木勇水
11か月前
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2022年映画ベストテン(邦画編)

2022年キネマ旬報ベストテンの発表も間近に控えているということで、ここで2022年のマイベストテンを発表させていただく。 まずは邦画ベストテン。 <邦画 2022年公開> 1.…

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映画日記#19『ピアニスト』

今日はDVDで『ピアニスト』を鑑賞した。 2001年カンヌ映画祭でグランプリに輝き、イザベル・ユペールが最優秀主演女優賞、ブノワ・マジメルが主演男優賞を獲得した作品だ。…

映画日記#18 『カルメン故郷に帰る』

今日はDVDで日本映画『カルメン故郷に帰る』を鑑賞した。 日本最初の総天然色映画(カラー映画)であり、脚本と監督は『二十四の瞳』などの名匠・木下恵介だ。主な出演者は高…

映画日記#17 『ファイブ・デビルズ』

今日は新宿武蔵野館でフランス映画『ファイブ・デビルズ』を鑑賞した。 『パリ13区』でジャック・オーディアール、セリーヌ・シアマと共同脚本を手がけたフランスの新鋭レ…

映画日記#16 『東京公園』

今日はDVDで日本映画『東京公園』を鑑賞した。 今年3月に急逝した青山真治監督の2011年の作品で、ロカルノ国際映画祭では金豹賞審査員賞を受賞した作品だ。主演は三浦春馬…

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映画日記#15 『ある男』

今日は映画館で日本映画『ある男』を鑑賞した。 平野啓一郎の原作小説を『蜜蜂と遠雷』『愚行録』の石川慶が監督した作品で、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、柄本明だと…

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映画日記#14 『キル・ビルvol1』

今日はアメリカ映画『キル・ビル vol.1』を鑑賞した。 クエンティン・タランティーノ監督が映画へのオマージュを捧げた怪作で、テーマ曲はあまりにも有名だ。 友達から「人…

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映画日記#13 『天国にちがいない』

今日はDVDでパレスチナ映画『天国にちがいない』を鑑賞した。 パレスチナの名匠エリア・スレイマン監督が自ら主演を務めた紀行風映画で、2019年のカンヌ国際映画祭で審査員…

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映画日記#12 『羅生門』

今日はNetflixで日本映画『羅生門』を鑑賞した。 世界映画史に多大な影響を残した黒澤明の代表作で、説明不要の傑作だ。 1950年のヴェネチア国際映画祭でグランプリを獲得…

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映画日記#11 『パルプ・フィクション』&『台風クラブ』

今日は体調が悪い。メンタルの方だ。 自ずと体が起き上がらず、布団から出られない。 やるべき課題も手につかず、食事をする気も起きない。昨日までは特に何もなかったのに…

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映画日記#10 『土を喰らう十二ヵ月』

本日は映画館で日本映画『土を喰らう十二ヵ月』を鑑賞した。 沢田研二主演で、松たか子が恋人役という、渋くて安心感のあるキャスティング。 スペインのサン・セバスティア…

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映画日記#9 『RRR』

今日は映画館でインド映画『RRR』を鑑賞。 インドの興行収入記録を塗り替えた豪快なアクションエンタテインメントで、『バーフバリ』シリーズの創造神S•S•ラージャマウリ…

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不眠症大学院生の四方山話

不眠症大学院生の四方山話

私は、不眠症である。
今日も、日付が変わる前にはベッドに入り、眠ろうと努力していたのだが、気がついたら深夜3時になっていた。
眠たいのに、眠れない。
疲れているので、体を動かす気力もない。
昔から、1〜2時間眠れないことはざらにあったのだが、ここ最近は特にひどい。
明日も朝からアルバイトがあるのに、この調子だと、日中眠気に襲われることは確実で、今から憂鬱な気分になる。休みたい。

また、私は大学院

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チネ・ラヴィータ閉館に寄せて

チネ・ラヴィータ閉館に寄せて

1月22日、宮城県仙台市にあるミニシアター「チネ・ラヴィータ」が閉館することを発表した。

このニュースを聞いた時、僕はとても驚き、罪悪感が胸の中に渦巻き、すごく落ち込んだ。

なぜなら、僕は宮城県出身で、この映画館には、たくさんの思い出が詰まっているからだ。

中学2年生の冬、初めての彼女とのデートで、チネ・ラヴィータで『orange』を観た時の思い出。
彼女の映画を観る表情ばかり気にして、内容

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2023年映画ベストテン【邦画(新作)】

2023年映画ベストテン【邦画(新作)】

2023年は、映画に関わる仕事を始めるなど、単に映画を観るだけでなく、世の中における映画の観られ方や、映画業界の動向についても知ることのできた一年だった。
また、昨年よりもかなり忙しくなったため、見逃してしまった作品も数多くあったのは残念だった。しかし、今年も沢山良い映画と巡り逢えたと思う。

まずは、邦画(新作)のベストテンから発表する。

【2023年邦画(新作)ベストテン】
1.『PERFE

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映画『怪物』問題の所在ーセクシャリティは「ネタバレ」ではないー

映画『怪物』問題の所在ーセクシャリティは「ネタバレ」ではないー

6/3(土)、是枝裕和監督の最新作『怪物』を鑑賞した。
この作品は、坂元裕二さんが脚本、坂本龍一さんが音楽を手がけ、さらにはプロデューサーにはヒットメーカー・川村元気さんが入った、現代日本映画屈指の布陣が集結した作品である。

先日行われた第76回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門に出品され、脚本賞に輝くなど、世界でも高く評価されている。

しかし、この『怪物』という作品、公開される以前から

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2022年映画ベストテン(邦画編)

2022年映画ベストテン(邦画編)

2022年キネマ旬報ベストテンの発表も間近に控えているということで、ここで2022年のマイベストテンを発表させていただく。

まずは邦画ベストテン。
<邦画 2022年公開>
1.春原さんのうた
1.ケイコ 目を澄ませて
1.LOVE LIFE
4.メタモルフォーゼの縁側
5.こちらあみ子
6.ちょっと思い出しただけ
7.マイスモールランド
8.ある男
9.愛なのに
10.恋は光

<スペシャル・

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映画日記#19『ピアニスト』

映画日記#19『ピアニスト』

今日はDVDで『ピアニスト』を鑑賞した。
2001年カンヌ映画祭でグランプリに輝き、イザベル・ユペールが最優秀主演女優賞、ブノワ・マジメルが主演男優賞を獲得した作品だ。監督はミヒャエル・ハネケ。

イザベル・ユペールの気持ちが痛いほど分かる。一方で、ブノワ・マジメルの気持ちも物凄く分かる。だから、通じ合っているはずなのに噛み合わない2人を見ていると気持ち悪さだけが残ってしまう。頭の中でいくら妄想し

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映画日記#18 『カルメン故郷に帰る』

映画日記#18 『カルメン故郷に帰る』

今日はDVDで日本映画『カルメン故郷に帰る』を鑑賞した。
日本最初の総天然色映画(カラー映画)であり、脚本と監督は『二十四の瞳』などの名匠・木下恵介だ。主な出演者は高峰秀子、佐野周二、「宗方姉妹」の笠智衆。

めちゃくちゃ面白かった!
いきいきとした女性の開放感が、軽井沢の青々とした空と非常にマッチしていた。
田舎の閉塞感は昔から変わらないのだなと思いつつ、失われつつある連帯への郷愁も感じた。

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映画日記#17 『ファイブ・デビルズ』

映画日記#17 『ファイブ・デビルズ』

今日は新宿武蔵野館でフランス映画『ファイブ・デビルズ』を鑑賞した。
『パリ13区』でジャック・オーディアール、セリーヌ・シアマと共同脚本を手がけたフランスの新鋭レア・ミシウス監督の最新作で、主演は『アデル・ブルーは熱い色』のアデル・エグザルプロコス。
今年のカンヌ国際映画祭でクィア・パルムを受賞したタイムリープ・スリラー。前評判がかなり高かったことから、公開を楽しみにしていた作品だ。

村社会にお

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映画日記#16 『東京公園』

映画日記#16 『東京公園』

今日はDVDで日本映画『東京公園』を鑑賞した。
今年3月に急逝した青山真治監督の2011年の作品で、ロカルノ国際映画祭では金豹賞審査員賞を受賞した作品だ。主演は三浦春馬。

青山真治監督の映画愛が詰まった佳作だった。
ゴダールのジャンプカット、明らかに小津を意識した構図とカット割りなど、どれも模倣品ではなく、自分のものとして物語を紡いでいた。
ゾンビ、SF、コメディなど様々なジャンルの要素も含んで

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映画日記#15 『ある男』

映画日記#15 『ある男』

今日は映画館で日本映画『ある男』を鑑賞した。
平野啓一郎の原作小説を『蜜蜂と遠雷』『愚行録』の石川慶が監督した作品で、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、柄本明だと豪華キャスト揃い踏みした期待の一作。
今年のヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ部門にも正式出品されており、石川慶監督は世界的にも注目が高まっている。

この邦画は、世界で戦える邦画だ。
知的好奇心をくすぐられるヒューマンミステリーでありなが

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映画日記#14 『キル・ビルvol1』

映画日記#14 『キル・ビルvol1』

今日はアメリカ映画『キル・ビル vol.1』を鑑賞した。
クエンティン・タランティーノ監督が映画へのオマージュを捧げた怪作で、テーマ曲はあまりにも有名だ。
友達から「人がバンバン死んでいく映画を観たい」と言われたので、この映画を選択した。
3年前ほどに初めて鑑賞した時は、ひたすらに面白かったという記憶がある。

やっぱりめちゃくちゃ面白い。日本映画、カンフー映画へのオマージュが詰め込まれていた。

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映画日記#13 『天国にちがいない』

映画日記#13 『天国にちがいない』

今日はDVDでパレスチナ映画『天国にちがいない』を鑑賞した。
パレスチナの名匠エリア・スレイマン監督が自ら主演を務めた紀行風映画で、2019年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞と国際批評家連盟賞をW受賞した作品だ。

「固定カメラの範囲内で、どのようにして登場人物たちに面白い出来事を起こさせるのか」という映画の原点を、スレイマン監督が徹底的に突き詰めたことで、極上のコメディ世界が作り上げられていた。

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映画日記#12 『羅生門』

映画日記#12 『羅生門』

今日はNetflixで日本映画『羅生門』を鑑賞した。
世界映画史に多大な影響を残した黒澤明の代表作で、説明不要の傑作だ。
1950年のヴェネチア国際映画祭でグランプリを獲得したことで、日本映画が世界に知れ渡ったきっかけとなった一本。

人間の不条理さを抉り出した、前人未到の大傑作だ。
同じ場面を見ているはずなのに、語り手によって、全く違う話になっていた。
自分を正当化してしまう人間の性と、事実とい

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映画日記#11 『パルプ・フィクション』&『台風クラブ』

映画日記#11 『パルプ・フィクション』&『台風クラブ』

今日は体調が悪い。メンタルの方だ。
自ずと体が起き上がらず、布団から出られない。
やるべき課題も手につかず、食事をする気も起きない。昨日までは特に何もなかったのに、突然おかしくなる時がある。
こんな、何もできないような日は、映画を観るしかない。

ということで、本日1本目はDVDでアメリカ映画『パルプ・フィクション』を鑑賞した。
言わずと知れた名作中の名作で、天才クエンティン・タランティーノの代表

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映画日記#10 『土を喰らう十二ヵ月』

映画日記#10 『土を喰らう十二ヵ月』

本日は映画館で日本映画『土を喰らう十二ヵ月』を鑑賞した。
沢田研二主演で、松たか子が恋人役という、渋くて安心感のあるキャスティング。
スペインのサン・セバスティアン国際映画祭の食をテーマにした部門に正式出品された作品ということもあり、食事シーンがメインの作品だ。

平日朝イチの上映回だったが、高齢者の夫婦の方々がたくさんいらっしゃっていて、やはり沢田研二人気は健在なのだと実感した。

白馬を舞台に

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映画日記#9 『RRR』

映画日記#9 『RRR』

今日は映画館でインド映画『RRR』を鑑賞。
インドの興行収入記録を塗り替えた豪快なアクションエンタテインメントで、『バーフバリ』シリーズの創造神S•S•ラージャマウリが監督した。

超絶面白かった!
バチ極まりの構図がカッコよすぎて、ずっと楽しかった。
映画鑑賞中の楽しさでいえば『トップガン マーヴェリック』と肩を並べるほどだった。
単純なカッコよさを突き詰めまくった結果、圧倒的で唯一無二の、奇跡

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