見出し画像

映画日記#19『ピアニスト』

今日はDVDで『ピアニスト』を鑑賞した。
2001年カンヌ映画祭でグランプリに輝き、イザベル・ユペールが最優秀主演女優賞、ブノワ・マジメルが主演男優賞を獲得した作品だ。監督はミヒャエル・ハネケ。

舞台はウィーン。小さい頃から母親(アニー・ジラルド)に厳しく育てられたエリカ(イザベル・ユペール)は、40歳を過ぎてウィーン国立音楽院のピアノ教授となった今でも母と二人暮らし。ある日、エリカは私的な演奏会の席で青年ワルター(ブノワ・マジメル)に出会う。彼のピアノの才能に特別な感情を抱くエリカだったが、それ以上にワルターのエリカに対する思いは強かった。彼女に執拗につきまとい、ついには音楽院の試験に合格し彼女の生徒となってしまう。ワルターはある日、思いあまってトイレにいたエリカに強引にキスを迫る。ワルターの思いが通じたかと思われた瞬間、エリカがひた隠しにしていた秘密があらわになる……。
allcinemaより引用(一部追記)

イザベル・ユペールの気持ちが痛いほど分かる。一方で、ブノワ・マジメルの気持ちも物凄く分かる。だから、通じ合っているはずなのに噛み合わない2人を見ていると気持ち悪さだけが残ってしまう。頭の中でいくら妄想していても、いざ現実として起きてしまうと、ただただ嫌悪感しか残らないこともある。ましてや恋愛なんて、この人ならば、と淡い期待を抱いて心を開いたとしても、しょせん二人のの理想の押し付け合いなのだから、期待外れなものになってしまう。その場面に立ち会った時の、イザベル・ユペールの行動がとても素敵だった。自らの欲望に忠実で、子供っぽいと言ってしまえばそれまでだが、これぞ自己愛だ!と称賛してしまいたくなるような自己選択だった。母との関係性はTAMA NEW WAVEで観た『瀉血』という映画に引用されていたように思えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?