映画日記#19『ピアニスト』
今日はDVDで『ピアニスト』を鑑賞した。
2001年カンヌ映画祭でグランプリに輝き、イザベル・ユペールが最優秀主演女優賞、ブノワ・マジメルが主演男優賞を獲得した作品だ。監督はミヒャエル・ハネケ。
イザベル・ユペールの気持ちが痛いほど分かる。一方で、ブノワ・マジメルの気持ちも物凄く分かる。だから、通じ合っているはずなのに噛み合わない2人を見ていると気持ち悪さだけが残ってしまう。頭の中でいくら妄想していても、いざ現実として起きてしまうと、ただただ嫌悪感しか残らないこともある。ましてや恋愛なんて、この人ならば、と淡い期待を抱いて心を開いたとしても、しょせん二人のの理想の押し付け合いなのだから、期待外れなものになってしまう。その場面に立ち会った時の、イザベル・ユペールの行動がとても素敵だった。自らの欲望に忠実で、子供っぽいと言ってしまえばそれまでだが、これぞ自己愛だ!と称賛してしまいたくなるような自己選択だった。母との関係性はTAMA NEW WAVEで観た『瀉血』という映画に引用されていたように思えた。
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