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Forget About You
熱を出した私の為に飛んで帰ってきてくれた事を思い出す。
同じように愛する子どもの為に飛んで帰る姿を見送る。
止める権利なんて無いし寂しいと言う資格すら無い。
何も許されなくても何も言えない程の事をしているから。
いつもこうやってバチが当たるのは私だけなのだろうか。
もう何年も前に言葉を交わした人の姿を重ね合わせているのだとしたら、どんなに恐ろしい事をしているのだろうと思う。
せめて私の
さようならを言う前に
思った事を上手く伝えられないのは、そもそも伝えたいと思っていないから。
心の内を知られてしまうのは、手の内を見せているようでこわい。
どんな人なのか予測がつかない方が何かと便利なのではないかと思う、変な偏見も付き纏わない。
そんな風に考えては人とは適度な距離を取る、変な噂話には首を突っ込まない、のめり込みそうになる人間関係からは早々に足を切ってきた。
表情が固い、何を考えているか分からない
好きな人のかさぶたになりたかった
もうずっと会っていないかつて好きだった人は、私がこれまで出会ったどんな人よりも素直だった。
機嫌が悪い時や落ち込んでいる時はそれが手に取るように分かるし、嬉しい時や楽しい時はあからさまににこにこしているような、そんな犬の様な人だった。
一方で、彼には社会人ともなれば身に付けなくてはいけない空気を読んだり、人に話を合わせたりする事が苦手な所もあった。
歳下ながらにもっと上手く立ち回れないものか