UNWIND&KOMOREBI

UNWIND&KOMOREBIでは 暖かな光と自然の輝きのなかで リラックスし…

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UNWIND&KOMOREBIでは 暖かな光と自然の輝きのなかで リラックスした笑顔や暮らしを豊かに照らす「ライフキュレーション」(自作造語)をモットーに 小説やエッセイ 詩を掲載しています (御室文美子)    ※投稿文の著作権は作者です。無断の転用は禁止です。

マガジン

  • 詩ことばの森 森 雪拾(もり ゆきひろ)

    複雑で変化の激しい時代ゆえに 優しさと癒やしの詩の世界を伝えていければと思います

  • 御室文美子のこもれび生活

    小さな光をあつめて あふれるような輝きに満たされるように こもれび生活も ちいさな小さな暮らしの工夫が 人生を満たしていきます

  • つぶやきWell-being

    めまぐるしい日々のなかで 自分らしく 幸せであること 健康で暮らすこと そんな満たされた生活のために ささやかでもできることから提案していきたいと思います

  • 有料小説「無花果の花」 御室文美子

  • 回想旅シリーズ

    回想することは、心と身体に癒しや元気を与えてくれます。 回想旅に出かけてみましょう。

記事一覧

詩ことばの森(238)「木々の秋」

木々の秋 人それぞれに四季があるように 木々にもそれぞれ季節があって ぼくはひさしく森をさまよい なんだか声をかけたくなった ときおり風が吹くたびに 枝をはなれた葉…

UNWIND&KOMOREBI
16時間前
20

秋の漂い⑨ 元SMAP香取慎吾の「慎吾列車」「キャンバス列車」

関東地方は、急に気温が下がり朝夕は半袖では寒く長袖やカーディガンが必要になってきました。 新青森駅に降り立ったこの日は、快晴。 陽ざしがまぶしく、半袖でも歩くと…

23

詩ことばの森(237)「野焼きの里」

野焼きの里 子どもの頃 山間の祖父母の家に行くと よく野焼きを目にした 夕暮れ時   畑のうえを煙が立ち込めて 西日の空を霧にように覆う景色は どこか厳かで神妙な気…

25

詩ことばの森(236)「黄花秋桜の道で」

黄花秋桜の道で 夜中に雨が降って 今朝は静かに湿っている 虫の声もしとやかで 僕もゆっくり歩いていた 黄花秋桜の花弁には 悟ったように虫がとまっている 僕は毎日が…

29

詩ことばの森(235)「いつか見た空」

いつか見た空 いつか見た空を ぼくが ふたたび目にするとき 目覚めたばかりの草木はふるえ 朝の風光にそよぎながら 今日一日の 命がはじまる ありふれた日常に あたり…

26

秋の漂い⑧ 秋の味覚 ぶどうを食べて。

今年もぶどうの季節が来たのですね 知り合いが「信州にぶどう狩りに行ってきた」とお土産の ぶどうを下さいました。 早速食べ比べをしてみました。 ぶどうを見ただけでは…

35

詩ことばの森(234)「来てみれば」

来てみれば 来てみれば   鎮守の森は 秋草の匂いに満ちていた 子供の頃に伯父伯母と 訪ねたことがあったっけ 松の林に囲まれた 古い社はとても静かで澄んでいて とき…

24

詩ことばの森(233)「花のありか」

花のありか 花のなかに 埋もれているもの 昨夜ふりつづけた 雨のしずく 終わりを告げた 花の季節のかけら わたしたちが訪れた   高原の風のにおい あの道は どこま…

26

秋の漂い⑦ 広瀬川詩の道を歩いて

群馬県前橋市は「水と緑と詩のまち」といわれます。 前橋駅を降りてマイバスにのり、散策に向かいます。 県庁を中心に「前橋公園」があります。市内に初めてできた公園で …

36

詩ことばの森(234)「高原の秋」

高原の秋 霧が晴れると そこには 小さな停車場があって 小さな木の椅子がおかれていました 滴にぬれたコスモスの花が 風にゆれているばかり あの日のきみは 鳥のさえず…

35

秋の漂い⑥ 前橋市・原嶋屋をたずねて

原嶋屋総本家は、群馬県前橋市で「焼きまんじゅう」を焼き販売しているお店です。 「焼きまんじゅう」は、あんこの入っていないお饅頭を蒸して、みそだれを付けて香ばしく…

UNWIND&KOMOREBI
10日前
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詩ことばの森(233)「ある日 河童が」

ある日   河童が ある日   川辺りの道を歩いていたら 一匹の河童があらわれた 芥川の小説みたいに なにかしゃべるのだろう と期待していたが 河童は僕の顔をチラと見…

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11日前
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詩ことばの森(232)「ある予感」

ある予感 この部屋を 今日からは忘れなければならない 誓いにふさわしい青空だ わたしの意志を後ろから 後押ししてくれるようだ 夏の焼け跡に咲いた花の 思い出を描いて …

UNWIND&KOMOREBI
12日前
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秋の漂い⑥  中秋の名月

今日のお月様は、雲に隠れたり、少し顔をのぞかせたりでした。 中秋の名月は十五夜とも呼ばれています。 中秋の意味は、旧暦の8月15日で、7月から9月の真ん中で「中…

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2週間前
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詩ことばの森(231)「遠野行」

遠野行 遠野はふしぎなところです 駅前には痩せた河童たちが遊んでいます 僕には彼らが見えますが 河童たちは僕のことなど見えないようです 遠野の道を歩いていたら 色褪…

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2週間前
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詩ことばの森(230)「石の仏さまも」

石の仏さまも 残暑をさけるように 日陰を歩いていた 草のなかでは虫の声 知らないあいだに秋 古そうな石の仏さまも 今年の夏は日に焼けて 色も黒くなられたようだ どん…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(238)「木々の秋」

詩ことばの森(238)「木々の秋」

木々の秋

人それぞれに四季があるように
木々にもそれぞれ季節があって
ぼくはひさしく森をさまよい
なんだか声をかけたくなった

ときおり風が吹くたびに
枝をはなれた葉たちが舞って
だれもいない道の上に
はらはら落ちていく

今年の夏もいろいろあって
ぼくもどうにか過ごしたが
木々もどうやら秋を迎えたらしい

木々はなにも言わないが
はらはら落ちる葉音のきこえる
さみしい秋の訪れです

(森雪拾)

秋の漂い⑨ 元SMAP香取慎吾の「慎吾列車」「キャンバス列車」

秋の漂い⑨ 元SMAP香取慎吾の「慎吾列車」「キャンバス列車」

関東地方は、急に気温が下がり朝夕は半袖では寒く長袖やカーディガンが必要になってきました。

新青森駅に降り立ったこの日は、快晴。
陽ざしがまぶしく、半袖でも歩くと少し汗ばみ、日陰を歩いたり、日傘が必要なほどでした。

新青森駅から奥羽本線に乗り旅の始まりです。
車窓から、黄色いリンゴ、赤く色ずくリンゴの木が見えます。

五所河原から津軽鉄道に乗り換え、走れメロス号に乗り出発です。
アテンダントが、

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詩ことばの森(237)「野焼きの里」

詩ことばの森(237)「野焼きの里」

野焼きの里

子どもの頃
山間の祖父母の家に行くと
よく野焼きを目にした

夕暮れ時   畑のうえを煙が立ち込めて
西日の空を霧にように覆う景色は
どこか厳かで神妙な気持ちになった

そこは子どもが立ち入れない世界
時折   祖父たち村の人々の影が
見えたり隠れたりして
そこに行きたくても行けない世界

今では珍しくなった野焼きの光景を
旅先などで目にすると
そんな子どもの情景を思い出すのである

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詩ことばの森(236)「黄花秋桜の道で」

詩ことばの森(236)「黄花秋桜の道で」

黄花秋桜の道で

夜中に雨が降って
今朝は静かに湿っている

虫の声もしとやかで
僕もゆっくり歩いていた

黄花秋桜の花弁には
悟ったように虫がとまっている

僕は毎日が慌ただしくて
ゆっくり歩くことも忘れていたようだ

(森雪拾)

詩ことばの森(235)「いつか見た空」

詩ことばの森(235)「いつか見た空」

いつか見た空

いつか見た空を
ぼくが ふたたび目にするとき

目覚めたばかりの草木はふるえ
朝の風光にそよぎながら
今日一日の 命がはじまる

ありふれた日常に
あたりまえであることの
奇跡を感じてみたい
あの日の空のように

夕暮れ時のやさしさの前で
それは かけがえのないものとなり
永遠さえ信じられる気がした

あの日 きみと住んだ町も
いつか見た空が広がっているだろう

(森雪拾)

秋の漂い⑧ 秋の味覚 ぶどうを食べて。

秋の漂い⑧ 秋の味覚 ぶどうを食べて。

今年もぶどうの季節が来たのですね
知り合いが「信州にぶどう狩りに行ってきた」とお土産の
ぶどうを下さいました。
早速食べ比べをしてみました。

ぶどうを見ただけでは、巨峰と見分けがつきません。
「ナガノパープル」は名前のごとく、長野県のオリジナル品種だそうです。「巨峰」と「リザマート」の交配により誕生した大粒のぶどうです。
果皮は黒紫色で、甘みが強くて酸味、渋みはなく、香りもよく、豊かな風味がある

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詩ことばの森(234)「来てみれば」

詩ことばの森(234)「来てみれば」

来てみれば

来てみれば   鎮守の森は
秋草の匂いに満ちていた

子供の頃に伯父伯母と
訪ねたことがあったっけ

松の林に囲まれた
古い社はとても静かで澄んでいて
ときおりカラスが鳴くほかは
虫の音色にうっとりとする

ふるさとは懐かしむもの
心に残る思い出の夕焼け
今はなき伯父伯母の面影とともに

(森雪拾)

詩ことばの森(233)「花のありか」

詩ことばの森(233)「花のありか」

花のありか

花のなかに 埋もれているもの
昨夜ふりつづけた 雨のしずく
終わりを告げた 花の季節のかけら
わたしたちが訪れた   高原の風のにおい

あの道は どこまで続いていたろう
小さな丘をのぼっていく僕の
うしろを歩いていた君のすがた
それらが こもれびに照らされていた午後

あのまま 帰ることのない時間を
どこかにおき忘れてきたのだろうか
もう一度 君にきいてみることができたなら
あの花

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秋の漂い⑦ 広瀬川詩の道を歩いて

秋の漂い⑦ 広瀬川詩の道を歩いて

群馬県前橋市は「水と緑と詩のまち」といわれます。
前橋駅を降りてマイバスにのり、散策に向かいます。
県庁を中心に「前橋公園」があります。市内に初めてできた公園で
さちの池、芝生公園、小川や噴水のある水上ステージ等、広いです。

公園から上毛三山(榛名山、赤城山、妙義山)、浅間山が望めます。
隣には、大河ドラマのロケ地にも利用された国指定文化財「臨江閣(りんこうかく)」があります。

前橋文学館は、

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詩ことばの森(234)「高原の秋」

詩ことばの森(234)「高原の秋」

高原の秋

霧が晴れると
そこには 小さな停車場があって
小さな木の椅子がおかれていました
滴にぬれたコスモスの花が
風にゆれているばかり

あの日のきみは
鳥のさえずりに耳を澄ませ
色の変わりはじめた
森をみつめていました
遠くへ忘れてきてしまった
大切ななにかを探しているかように

待ちつづけているのは
少女の面影でしょうか
悲しい心は森の湖に
深く沈んでしまいましたけど
今朝も コスモスが咲

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秋の漂い⑥ 前橋市・原嶋屋をたずねて

秋の漂い⑥ 前橋市・原嶋屋をたずねて

原嶋屋総本家は、群馬県前橋市で「焼きまんじゅう」を焼き販売しているお店です。
「焼きまんじゅう」は、あんこの入っていないお饅頭を蒸して、みそだれを付けて香ばしく焼いたもので、群馬県民のソウルフードです。

県内には、沢山の「焼きまんじゅう屋」がありますが、原嶋屋総本家は、
江戸末期1857年(安政4年)創業の県内最古のお店と言われています。

入り口を入ると正面は透明のガラスになっており、焼きまん

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詩ことばの森(233)「ある日   河童が」

詩ことばの森(233)「ある日 河童が」

ある日   河童が

ある日   川辺りの道を歩いていたら
一匹の河童があらわれた
芥川の小説みたいに
なにかしゃべるのだろう
と期待していたが
河童は僕の顔をチラと見たきり
川に飛び込んでしまった

しばらくすると
別の河童があらわれた
こんどこそ何かしゃべるにちがいない
と思っていたが
河童は僕を見ることもせず
やはり川に飛び込んだ

河童も人生も
思うようにいかないものだ
とつぶやき残して

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詩ことばの森(232)「ある予感」

詩ことばの森(232)「ある予感」

ある予感

この部屋を
今日からは忘れなければならない
誓いにふさわしい青空だ
わたしの意志を後ろから
後押ししてくれるようだ

夏の焼け跡に咲いた花の
思い出を描いて
わたしの部屋に飾った日
あなたは椅子に座りながら
ノートにことばを書きつづけていた

それらのことばが
あの日のわたしとあなたに
なにを意味していたのか
なぜ あの時
そのことを知ろうとしなかったのか
問わなかった あるいは
問う

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秋の漂い⑥  中秋の名月

秋の漂い⑥  中秋の名月

今日のお月様は、雲に隠れたり、少し顔をのぞかせたりでした。

中秋の名月は十五夜とも呼ばれています。
中秋の意味は、旧暦の8月15日で、7月から9月の真ん中で「中秋」
と言われます。
「月の中でウサギがお餅をついている姿」と言われましたが、見ることが出来ませんでした。

十五夜でのお供えには、以下の通りだそうです。
1お団子(米の豊作への収穫と感謝)
2里芋(子孫繁栄)
3旬の野菜や果物(作物の収

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詩ことばの森(231)「遠野行」

詩ことばの森(231)「遠野行」

遠野行

遠野はふしぎなところです
駅前には痩せた河童たちが遊んでいます
僕には彼らが見えますが
河童たちは僕のことなど見えないようです

遠野の道を歩いていたら
色褪せた着物姿のお地蔵様たちが並んでいます
新しい着物を持ってくる人は
どこに行ってしまったのでしょう

古い茅葺の家にはだれもいません
庭からは畑が見えましたけど
畑の向こうからは山が覗いていました
僕は大きな声で叫びたくなりました

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詩ことばの森(230)「石の仏さまも」

詩ことばの森(230)「石の仏さまも」

石の仏さまも

残暑をさけるように
日陰を歩いていた

草のなかでは虫の声
知らないあいだに秋

古そうな石の仏さまも
今年の夏は日に焼けて
色も黒くなられたようだ

どんなに苦労しても
どんなに疲労しても
季節は過ぎていくものだよ
そういいながら微笑んでいたっけ

(森雪拾)