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川の光 そのとき きみとぼくのあいだに 小さな流れがあった 川のような 光のような 銀色に…
きえた風船 そして すなおという字を書きながら 風船は 空の彼方へときえてしまった 都会の…
ゴール あと少し あともう少しで ゴールに着くのだ 焦りがある時は禁物 必ずといってよいほ…
魚の夢 現実をみろと 先生は言った 夢子ではだめだと こわい顔をした 大人になったある日 居…
不在の街 白い空が広がり 街は眠たげである ここには 誰もいない気がした だれもが存在して…
魔法の庭 七色の変化する 魔法の庭に 秘められた物語を 今も紡ぎつづけている 芳しい光の下…
古い家の記憶 古い家の記憶は 病葉の庭に たたずむ影となる あれは 幻 夕暮れ近くの窓に わずかな光を灯して 澄んだ青色の かなしみを生きていた あのころの空に あこがれている きみは 孤独である (森雪拾)
かつて風が かつて風が 望みを失い 迷走していた頃のこと 雪のふりしきる町でのことだ 家々…
歳月 夜が来た 鬱蒼とした森の夜 鳥たちは眠り 樹木たちは密かにつぶやく 月夜である 少年の…
蔵の中 なつかしい故郷の家にいくと 欅の巨木のそばに古い蔵があって 白壁がところどころ削れ…
空色の花 街をさまよい 小さな花屋をみつけた 店先には小さな花が並んでいた 悲しみの花をひ…
白い夢 朝方の窓辺は 白い夢となり 僕は故郷の庭を思い出していた 灰色の土に 赤いダリア…
こんにちは。森雪拾の詩集「ゆめのゆれ木」のご紹介です。 詩集の一部を…
夜の列車 雨の夜の列車は 静けさのうちに 駅に停っている 人はまばらで 僕もまたとりとめのない 思いのままだった いったい何処へ行くというのか 闇の先には茫漠とした宇宙が 広がっているとでも? 僕はようやくたどり着いた それがこの場合であったのか いくらか雨が強くなったようだ 遠くで雷さえも鳴っている 待合室にはだれもいなかった 遠くて見えない混沌のなか これが僕の帰り道なのだろうか (森雪拾)