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詩ことばの森 森 雪拾(もり ゆきひろ)

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複雑で変化の激しい時代ゆえに 優しさと癒やしの詩の世界を伝えていければと思います
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記事一覧

詩ことばの森(234)「来てみれば」

来てみれば 来てみれば 鎮守の森は 秋草の匂いに満ちていた 子供の頃に伯父伯母と 訪ねた…

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詩ことばの森(233)「花のありか」

花のありか 花のなかに 埋もれているもの 昨夜ふりつづけた 雨のしずく 終わりを告げた 花…

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詩ことばの森(234)「高原の秋」

高原の秋 霧が晴れると そこには 小さな停車場があって 小さな木の椅子がおかれていました …

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詩ことばの森(233)「ある日 河童が」

ある日 河童が ある日 川辺りの道を歩いていたら 一匹の河童があらわれた 芥川の小説みた…

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詩ことばの森(232)「ある予感」

ある予感 この部屋を 今日からは忘れなければならない 誓いにふさわしい青空だ わたしの意志…

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詩ことばの森(231)「遠野行」

遠野行 遠野はふしぎなところです 駅前には痩せた河童たちが遊んでいます 僕には彼らが見えま…

UNWIND&KOMOREBI
10日前
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詩ことばの森(230)「石の仏さまも」

石の仏さまも 残暑をさけるように 日陰を歩いていた 草のなかでは虫の声 知らないあいだに秋 古そうな石の仏さまも 今年の夏は日に焼けて 色も黒くなられたようだ どんなに苦労しても どんなに疲労しても 季節は過ぎていくものだよ そういいながら微笑んでいたっけ (森雪拾)

詩ことばの森(229)「ぼくときみのあいだ」

ぼくときみのあいだ ぼくときみのあいだには 白い川が流れていて 遠くに橋が渡してある   ぼ…

UNWIND&KOMOREBI
13日前
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詩ことばの森(228)「転びつづけて」

転びつづけて 七転八倒の人生 そんなことを口にしたら 七転八起でしょう とある人に忠告され…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(227)「だれもいない町」

だれもいない町 だれもいない道 毎日がつづく ただただ過ぎてゆく 大きな木のしたで 空を見…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(226)「さまよい」

さまよい 駅は 孤独な人びとが歩いていた 構内の灯りのさみしい青色 影ばかりが 通り過ぎて…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(225)「幻の花」

幻の花 白い花かと思った わたしはどこへ行くのか 広い世界は案外に狭く 長い距離も実は短か…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(224)「秋の小道」

秋の小道 秋の気配が近づいていた 少年は恋をうち明けねばならないと 少女との道行きで思い詰…

UNWIND&KOMOREBI
3週間前
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詩ことばの森(223)「隣家の花」

隣家の花 隣家の生垣が伸びている 今年の猛暑で木々もやけ気味か 苦しげに四方八方に手足を広げ なんだか気の毒だ ハイビスカスが悲しんで うなだれながら生垣をみつめていた かつてこの家のおばあさんが 好きだった夏の花も 今年はなんだか元気がなさそうだ (森雪拾)