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「The Miracle of Teddy Bear」をもっと楽しむ!著者Prapt×訳者福冨渉インタビュー
タオフーが生まれるまで
福冨:ということで、ついに『The Miracle of Teddy Bear』[以下『テディベア』]の日本語版が発売されますね。タイ語版の出版が2019年の5月だったので、翻訳にだいぶ時間がかかってしまいました。ごめんなさい。
プラープ:大丈夫、分厚いからしょうがない(笑)。
福冨:もともとは、ウェブサイトで連載された作品なんですよね?
プラープ:はい。ただこの作
1/13高瀬隼子さん「め生える」刊行記念イベント@紀伊國屋書店新宿本店レポ
高瀬:今日は来てくださって本当にありがとうございます。嬉しいです。いざ会場に入って皆さんをみたら急に緊張して手汗が……。
——今日のこの「め生える」という本は1月6日に発売されたばかりですが、もう読まれた方はいらっしゃるでしょうか?
高瀬:あ、ちらほらいらっしゃいますね。まだ発売して一週間なのに。ありがとうございます。でもこのイベント、読んでなくても全然大丈夫なので、お気になさらず。
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●発売後即重版●冒頭大公開!【試し読み】高瀬隼子さん『め生える』
汗をかくと、はげが目立つ。髪と髪がくっついて頭皮が露わになるのが嫌で、汗がひくまでトイレの個室にいた。ハンカチで頭と首と、耳の裏を拭いた。滲んだにおいがする。案内された三畳ほどの広さのブースは、クーラーが効いていて涼しい。約束の時間の十五分前にこのビルに到着し、違うフロアのトイレで息を整えてからやって来た佐島には、すこし肌寒く感じられるくらいだった。
佐島は木目調の椅子に腰かけ、同じ柄のテーブ
書店訪問記①高久書店「やれることは全部やる」
一階店内
こだま新幹線で東京から約一時間半。静岡駅からは在来線で45分の掛川駅で下車し、掛川城方面に五分ほど歩くと、青い外壁が目印の高久書店さんへ到着です。
土曜日の午前11時。信号を渡ってお店へ向かおうとすると、ちょうど母娘と思しき二人組のお客さんが入店されました。お邪魔にならないよう少し時間を空けよう。お店を通り過ぎ目の前の掛川城をぼーっと眺め、河川敷を歩き、いざ今度こそ「こんにちはー」と
【試し読み】弟の将来だけが希望持てるかも・・・朝倉かすみさん『非常用持ち出し袋』
■著者紹介
■あらすじ
■本文
1
小豆沢芙実は嬉しかった。
さっきから目尻に笑みがたまっていた。口元もほころんでいる。
喉を伸ばし、空を仰いだ。午後四時を過ぎていたが、三月の空はまだ青かった。どこもかしこもきっぱりと澄んでいる。
息を吸うと胸いっぱいに明るさが広がった。真っ白なシーツを思い浮かべる。物干し竿にかけ、洗濯ばさみで留めたシーツだ。
大きな風が吹いてきて、芙実の前