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デジタル⇒アナログ⇒アナログ⇒デジタル 手数がすごい!落合晴香さんのイラスト制作の舞台裏

まずは、こちらをご覧ください。

既にお手に取られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
1月6日に発売されたばかり、高瀬隼子さんの新刊『め生える』、その表紙絵の全貌です。

これ、ラフと本画でまったく印象が異なるんです!
その驚きの変貌ぶりと、描きだした落合晴香さんの緻密で目の回るような制作過程を紹介します。

打ち合わせからラフまで

「せっかくみんなハゲたのに」と帯にあるように、ハゲがテーマの本作。
デザイナーの森敬太さんが考えた装丁プランは、直接的に頭皮や人物を描くのではなく、ワサワサと茂っている植物の絵、というもの。
落合さんとの打ち合わせを経て出来上がったラフ画がこちら。

(ラフver.1)

ここに森さんからの「もっと植物の密度を上げていただきたいです」とディレクションが入ったラフ画の第2弾がこちら。

(ラフver.2)

ご覧いただいたとおり、ラフはデジタル作画されています。
TOPの完成版とは印象がちがいますよね。
では、その制作過程は一体どういうものなのでしょう?

ラフから本画まで

まずはデジタルで描かれた絵をベースにアナログで作画します。
ここまではよくある手法・工程なのですが、ここからがすごい!
アナログで描いた絵を切り出し、貼り付けます。

(よくよく見ると、人の手を感じる彩色と、切り絵であることが分かります。)

そして、そういう風に切って、貼って、構成して、で、まだ終わらない!

次にそれらのパーツをラフ画と同じ構図に配置します。
そして、それを撮影
だからこそ生まれたのが、この影と奥行です。

(リアルに撮影するからこそ生まれる影がとても良い!)

ちなみに、描かれているのは、実際の植物がモデルではありません。
すべてありそうでない、想像上の植物なんです。
それが、感染症をきっかけにほぼ全員ハゲるという架空の世界が舞台の小説にぴったりはまりました。

お手元に紙書籍がありましたら表1から表4への一枚絵をじっくりと、
電子書籍でしたらピンチして、ご覧になってみてください。

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