記憶を科学する(後編)

こんにちは、今回は脳の仕組みを理解しても記憶上手にならなければ本末転倒だと思うので具体的な記憶法を実際の科学的な実験が行われたものをもとに紹介していこうと思います。キーワードはDMN、エビングハウスの忘却曲線、拡散と集中です。

40秒復習法

方法は簡単です。何か物事を勉強するたびに頭の中で40秒程度復習するだけです。イギリスのサセックス大学の研究によると被験者を2グループに分けて26本の動画を見せました。1つ目のグループはただ26本動画を見てもらったグループ。2つ目のグループは1本の動画を見るたびにその動画の内容を頭の中で復習してもらったグループです。その結果2週間後1つ目のグループはほとんど内容を覚えておらず、2つ目のグループはほとんどの詳細を思い出すことができたそうです。

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10分休憩法

脳にはDMN(デフォルトモードネットワーク)という神経回路の接続があるのですがそれは脳が意識的に活動してなくても働いていて基礎活動と呼ばれています。そこで中心的な役割を果たしているのが後帯状皮質という部分です。

その部分が休憩によって活動してくれます。すると、脳内で記憶の整理や検索を行ってくれるので定着を助長してくれます。

記憶の検索といえば皆様が風呂に入っているときのようなリラックスしている環境の時に急に何か思い出したりひらめいたことがあるのではないのでしょうか。これは休憩することによってDMNが行われている例といえます。

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https://wired.jp/2017/08/12/your-brain-is-memories/

脳の状態は拡散状態集中状態があります。拡散状態ではDMNが働いていて脳が複数の領域にまたがっている状態で、集中状態の時は脳の特定の部位が活動している状態です。拡散状態では記憶を検索や整理の役割で(DMN)集中状態は記憶の蓄積に役立つといわれています。この性質から両方の状態をバランスよく使うことによって認知能力が活性化します(記憶力が上がります)

10秒休憩法

アメリカ国立衛生研究所による研究内容をご紹介します。

研究では、スキルを習得する過程の脳波をスキャンしました。

被験者は、スクリーン上に表示された数字を左手(利き手でないほうの手)でタイプし10秒間のあいだにできるだけたくさんの数字をタイプしたら10秒間の休憩をとる…というサイクルを36回繰り返しました。

すると、脳波からは記憶を定着させたことを示唆する活動パターンが見つかりました。

この活動パターンとはベータ波の振動幅が変化で、左半身の運動制御に関わる神経ネットワークに沿って起こっていることがわかりました。この活動パターンは休憩中にのみ見られ、パフォーマンスの向上と相関する唯一のものだったのです。

この実験から休憩をとること自体に記憶と相関関係があることが示されたのでこまめに休憩をすることがよいでしょう。

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睡眠直前の暗記物

10分休憩からもわかる通り人間は休憩中に無意識的に脳の記憶を整理する働きがあります。よって寝る前(長期休憩)にたくさんのことを記憶することによって睡眠中に整理され日中記憶する時よりも定着率が高いです。なので日中のインプットよりも睡眠前のインプットのほうが効率が良いと言えます。

1ヶ月で計17分の復習(reminDo)

エビングハウスの忘却曲線というものをご存じでしょうか。

エビングハウス

こちらなのですが人間は重要な情報を常に取り入れるために復習していないものや印象に残っていないことを忘れやすい傾向があります。なので自身で復習することで脳に重要であることを認識させ記憶を定着させましょう。

具体的には1日経過した後に10分の復習を行い1週間後に5分の復習を行い1か月後に2分の復習を行うと定着率がよいです。

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