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じょーじ
2024年6月28日 01:49
僕は母親を見下していた。いつも自信がなさそうで、いっつも自分の意見じゃなくて、いっつもパパに見下されてる。僕はそんな母親に、最近イラついていた。僕らが初めて負けたあの日の夜、もう耐えられなくなって、全部ママにぶちまけた。どうせこんなこと、言ってもわからないだろうけど、と思いながら。牧場のこと、おっちゃんのこと、僕らが考えたビジネスのこと、それに対する社長の答え、、、良いこ
2024年6月27日 10:37
炎天下の2時間鬼ごっこはキツい、、、。ラジオ体操に行き続け、3日に1回は鬼ごっこに誘われる。どうして小学生は鬼ごっこが好きなんだろう。僕が鬼の時が面白すぎるので(大人だからわがままも暴言もぶつけられる)、「もう、あんたがずっと鬼やってよ!」、、、それのどこが面白いんや、、、。とまぁこんな感じで順調に仲良くなる。2週間はあっという間に過ぎた。そのラジオ体操をやっているのは、林
2024年6月25日 08:35
「あ〜、これはビジネスとしてはダメだねぇ〜」その言葉に、目の前が真っ白になった。「いや、あくまで、、、」社長さんは続けるが、そのあとの言葉が入ってこない。てっぺいもあんぐり口をあけている。「今日はもうやめとこっか」ニコニコしながら社長が言った。僕はハッとして、「あ、すみません、、、 あの、、、」「いや、わかるよ。 ごめんね、キツイこと言って。 おっちゃんに本気でやれっ
2024年6月24日 09:41
朝、7時に目が覚めた日は、散歩に出ることにした。我が家の朝は遅い。自慢じゃないけど遅い。子育てが始まってから、仕事がないにも関わらず、自分一人で静かにする時間は少なくなっていた。当然だ。でも、静かにする時間は僕にとって必要だった。放っておいたらカラカラと回り出してしまう頭を、空っぽにする時間だからだ。何も考えずに「ただ生きる」ということを、僕は妻から教わった。もちろんな
2024年6月22日 10:51
さっそくロードマップをおっちゃんに見せる。おっちゃんはじっくり見た後、ニヤリと笑って「あとは社長と話せや」と、言った。3人で猪肉を食べて解散した。次の日、河川敷にあの3人が遊びにきていた。宇宙の映像を夜まで眺めていたあの3人だ。町工場に派遣されて3ヶ月ほどが経っていた。数学女子のセナ、パソコンオタクのハマ、日焼け坊主のヤヘイである。昨日に引き続き、河川敷は宴会である。と
2024年6月20日 10:03
河川敷に着くと、目一杯に紙を広げて、てっぺいが何かを描いていた。牧場で描いていた地図に熱心に書き込んでいるようだった。それが読めない文字なのか、絵なのか、僕にはわからない。でもとにかく思いつくままに書き殴っている。出てくるアイデアに手が止まらないという感じだ。おっちゃんは微笑みながら、その横を通って家に入っていった。僕はてっぺいをずっと見ていた。一時間が経つ。てっぺいはまだ
2024年6月16日 22:49
中学が始まるまでの春休み、僕らは毎日おっちゃんのとこにいた。朝から晩までだ。あれからママがとやかく言うことはなくなった。まだパパとは話せていないけど。おっちゃんはそのことについて、何か聞いてくることはなかった。その日、おっちゃんのナワバリの広さに、さらに驚くこととなった。朝、おっちゃんが「肉が食べたい」とつぶやいたかと思うと、農具を置いて歩き出した。僕らも声をかけられて、おっ
2024年6月11日 21:35
てっぺいは「教室ビジネス」を急速に発展し始めた。家庭教師が教えてくれたことがある。「良いビジネスモデルは売れる」僕はこのとき、この言葉を理解した。てっぺいはクラスに弟子を作り始めたのだ。「えんぴつけずり」「消しごむハンコ」の注文は増え続けていた。そして自分でもできるんじゃないか、という男たちも出てきていた。それを見て、「教えてやろうか」と声をかけていったのだ。そして注文をそ
2024年6月11日 10:11
日曜の夜、僕にパパとの交渉の場が設けられた。毎日あった家庭教師を半分に減らしたい。できるだけあの河川敷のブルーシートの家で、てっぺいとおっちゃんと過ごしたい。そして門限を6時に設定し、余計な心配をされるリスクを減らしたい。だから、まずてっぺいの話をしてその次、、、「ダメだ」は?なにも言っていない内に放たれたパパの一言目がそれだった。あまりの強引さにイラついた。用意してただけに狼狽
2024年6月11日 01:39
小六のこんな中途半端な時期に転校してきたコイツは、ひどく個性的な見た目をしている。髪の毛はボサボサで、服は汚れていて、ずっと口を開けている。授業中もずっと歌ってるし、貧乏ゆすりもひどい。黒板を見ることもなく、何かをノートに書き殴っている。かと言ってずっとひとりぼっちなわけじゃなく、休み時間になるとクラスの人気のある女子を口説いていた。とにかくマイペースで周りの目は気にしない。だいぶ
2024年4月5日 21:49
始業式の朝。教室につくと、久しぶりに見るあの子がいた。なんとなく緊張してしまった。あのあと何度か河原に行って練習をしていたが、結局冬休みの間は一度も会えなかった。そのときは目が合っただけで会話なかった。他の女子と話していたし、そのあとすぐに体育館に移動したから。そして校長のあいさつやら、連絡事項があり、その間、一度も会話はなかった。すぐに帰る時間になり、校門を出たところで彼女が
2024年4月5日 19:26
冬休みに入って一週間が過ぎた。 親戚が家に来たり、家族でおばあちゃんの家に行ったりした。普段は仕事で忙しい両親に、ここぞとばかりに連れ回されて、僕も忙しかった。そのため、冬休みに入ってから河原には、行くことすらできなかった。つまりはあの子にも会えない。会うためには家に直接行くしかない。河原からすぐのところにあるらしい。三丁目のスーパーの近くの一軒家らしい。探せばすぐ見つかるだろう
2024年4月5日 19:20
決意の翌日。 学校であの子を見つけると、うれしくなって「おはよう!」と笑顔で話しかけた。僕の前日からの変わりように彼女は驚いているようだった。そうだった、昨日は気まずかったんだっけ。彼女は少し照れくさそうに「おはよう」と言ってくれた。その間に流れる空気に少し緊張した。でも、自然な流れにゆだねようと決めたのだ。リラックス、リラックス、感情が自然に出てくるままに。緊張はあっても、
2024年3月29日 23:20
次の日の学校。 ロクにあの子の顔を見ることができない。さっと顔を避けてしまう。彼女もこっちを見ないようにしている気がした。 放課後、河原に行ったが、とても練習する気にはなれない。今日、あの子が来る可能性は低いけど、なんとなく土手に座って、あの子のことを考えていた。「どうしてキスしたくれたんだろ。僕のことすきなんかなぁ」そんなことを、足をバタバタさせながら、にやにやして考えた。