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セントビンセント日記

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カリブ海はセントビンセントでの日々のブログ。青年海外協力隊(JICA海外協力隊)2019‐2021 として駆け抜けた2年間で見聞きして考えたことをつらつらと。南国の風を添えて。 … もっと読む
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2019年8月の記事一覧

カラオケ文化の伝言ゲームも地球の裏側まで来るともはやライブ

カラオケ文化の伝言ゲームも地球の裏側まで来るともはやライブ

定期的にカラオケに誘われている。誘われ続けている。そしてぼくはやんわりと拒否をし続けている。

理由は、この国のカラオケはぼくの知っているカラオケではないからだ。

誘ってくるのはオーナーのウィリアム。日本に留学経験もある身長2mを優に超える巨人だ。

さて、何がぼくの知っているカラオケと違うか説明しよう。

察した人はいるかもしれないけれど、見出し画像がカラオケの風景だ。

ライブハウスかと思

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世界はそれをアレルギーと呼ぶんだぜ!

良いアイデアを思いついた。

うちの視覚障害者協会にはロゴがない。だから、学校でロゴをつくるコンテストと開催してはどうかと。

これはあれだ、夏休みの交通安全ポスターの制作と同じだ。

あれはつまるところ、全国のちびっこたちに交通安全ポスターを作らせるという行為によって、間接的に交通安全について考えさせるようになっているわけだ。

同様に、視覚障害者協会のロゴ制作というアクティビティによって、視覚

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さて今シーズン一発目のハリケーンが来たわけですが

さて今シーズン一発目のハリケーンが来たわけですが

以前から度々話題にしていたハリケーンが、現地時間の土曜日夜9時頃にバルバドスの東側の海で発生しました。

Tropical stormなので正確には熱帯低気圧ですが、発生したばかりなのでここから勢力を強めてやってくるわけです。

夜9時過ぎという遅い時間にもかかわらず、我々セントビンセントの全日本人(3人)のグループLINEは活気づきました。だって、対策を入念にやってきたんですもの。現地事務所がな

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私は神の声を聞いたことがあるの。だから進化論は信じない

私は神の声を聞いたことがあるの。だから進化論は信じない

土曜日の夜に今シーズン1発目のハリケーンがセントビンセントの東の海で発生した。そのことについては、明日にでも書こうと思う。予定では月曜日の夜中から火曜日のお昼くらいにかけてセントビンセントを通過ということになっていた。

そんな月曜日の朝、ファビーナ(秘書)に実際どうなのよという話をした。ここ5年ほどこの国にハリケーンは上陸していないし、目立った被害もないようだけれど、ぼくたち外国人には数年前のド

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あんた、この25セントはここじゃ使えないわよ

あんた、この25セントはここじゃ使えないわよ

最近ちょっと困っていることがあるんだけれど、その前に、この国のお金を紹介していなかったので紹介しておこう。

見出し画像のお札は東カリブドル(イニシャルを取って通称ECドル)。セントビンセント、セントルシア、ドミニカ、クリストファー・ネイビス、グレナダ、アンティグア・バブーダの6ヵ国とアンギラとモントセラトの2地域で流通している通貨。

そしてここに写っている人物はイギリスのエリザベス女王。

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昨夏肉離れしたワイ、今年はパルクール中に熱中症でダウン

昨夏肉離れしたワイ、今年はパルクール中に熱中症でダウン

タイトルで出オチ感があるけれど、文字通りのことが起こった。

週末、ご近所さんの若いカナダ人夫妻(ダレン&エミリー)にパルクールやりに来いよと誘われた。

彼らはピラティス、ヨガやトレーニングの講師をしている。

たしかに最近は海にも行っていないし、運動不足感は否めないので他の隊員も誘って参加した。

場所は、小高い丘の上に立つグランド・ビュー・ホテル。

見出し画像の通り、眺めも良い。

プール

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ぼくの夏休み、新聞紙でつくる自由工作編

ぼくの夏休み、新聞紙でつくる自由工作編

雑誌でつくったペーパーバスケットは反応こそ悪くないものの、あと一押しが足りない感じだったので、どういう改善をしようか、どういったものなら簡単にマネされないか、ということを考えていて、コストとかあれこれ考えていたんだけれど、とりあえず1回やってみるかと身近にそれなりに量のあった新聞紙を使って、最大クオリティに挑戦してみるかという気になった。

というわけで、同じように新聞紙もくるくる丸めて棒を作って

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新人タクシーは値段が安く売れっ子は高い

新人タクシーは値段が安く売れっ子は高い

最近タクシーの運転手を始めたんだよ、という青年に会った。

俺だったら空港まで60EC(約2,400円)だよ、という。これ結構安い。

だって普通のタクシーなら空港まで90~100(約3,600~4,000円)くらいしてしまうもの。

続けて彼は、ここじゃ売れっ子のタクシーの方が高いんだよ、と言った。

おもしろい考え方だなと思った。

どういう理屈なんだと悩んだ。売れっ子になると良い車に乗り換え

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がんばる人の、がんばらない時間。inセントビンセント視覚障害者協会

がんばる人の、がんばらない時間。inセントビンセント視覚障害者協会

今月の職場はとてもゆったりしている(ぼく以外)。

モップ製作は今月はないし、籐の家具の修理の注文も写真に写っている2つの分で終わる。閑散期と言っても過言ではない。

2つの家具の修理が終わると仕事はゼロになってしまい、ただの社交クラブ、彼らのたまり場となる。

そんな風に書くと、良いんじゃない?って思うんだけれど彼らの収入にも響くことだから喜ばしいことではない。

というわけで、ぼくは黙々とぼく

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次のベルリンはメキシコシティだというのを確認したかった

次のベルリンはメキシコシティだというのを確認したかった

日本でも定期的に、今最もアツい町だとか、住みたい町みたいなのが話題になるように、世界的にもそういうトレンドがある。10年くらい前ならポートランド、それからバルセロナが良かったり、ブルックリンだったり、そしてベルリンだったり。

そういった街の何が特徴かというと、何か新しいことを始めようとする表現者に対して寛容、つまりはクリエイターフレンドリーな街。そういうクリエイターが多い街はポジティブなエネルギ

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視覚障害者クリケットの国別対抗戦もあるんだよ

視覚障害者クリケットの国別対抗戦もあるんだよ

市場調査と称して、気分転換に町を歩き回っていたとき、以前JICAと関わっていたという男性に出会った。

混血の肌と顔立ちで、中背で細身、頭はグレーがかかったパンチパーマ、優しい話し方をする人だった。名前は忘れた。

ぼくが視覚障害者協会で働いていると知ると、「最近はブラインド・クリケットはやってないの?昔はやってたんだよ。またやりたいんだよ」という。

ブラインド・クリケット。ぼくはあまりピンとこ

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行雲流水の出会いと別れの中で

行雲流水の出会いと別れの中で

ちょっと前にここに来た当初の記事をいくつか読んだ。半年ほど前にぼくが書いたものだ。

驚いた。とてもポジティブな雰囲気でエネルギーと希望に満ちていて高揚感があった。とても同じ文章を書いている人物だとは思えない。

この半年でずいぶん擦れてくたびれてしまった。ぼくはもともとクールな男で通しているほど少し斜に構えたところがあるけれど、ここは海外、そして新しい環境を迎えるに当たっての高揚感が少なくとも数

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オウンドメディアなんのためにやってるんだっけ問題

オウンドメディアなんのためにやってるんだっけ問題

企業なんかのオウンドメディアを運営したことがある人ならわかるであろう、「あれ、これなんのためにやってるんだっけ?」問題に直面している。

ぼくは青年海外協力隊としてセントビンセントという誰も知らない国の視覚障害者協会でマーケティング隊員として協会のPRであったり、視覚障害者の方への社会の認識を変えようとしている。

「見られる」ということに無頓着なのか、メディア戦略もなにもなかったから、どこかのメ

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「アジア人に強い散髪屋」という謎の概念を俺は信用していない

「アジア人に強い散髪屋」という謎の概念を俺は信用していない

少なくとも月に1度は日本人に会っている。

髪の毛をバリカンで切ってもらうためだ。Kはバリカンを持ってきているので、月に1度ぼくはKの家で両サイドと後ろを刈り上げてもらっている。

普段からLINEなんかでやりとりはしているけれど、対面で会うとわざわざ文字を打ち込まないようなこと、テキストにおとすにはめんどくさいことなど何気ないことまでの近況報告を行う貴重な機会となっている。

ぼくは昔、フィリピ

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