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がんばる人の、がんばらない時間。inセントビンセント視覚障害者協会

今月の職場はとてもゆったりしている(ぼく以外)。

モップ製作は今月はないし、籐の家具の修理の注文も写真に写っている2つの分で終わる。閑散期と言っても過言ではない。

2つの家具の修理が終わると仕事はゼロになってしまい、ただの社交クラブ、彼らのたまり場となる。

そんな風に書くと、良いんじゃない?って思うんだけれど彼らの収入にも響くことだから喜ばしいことではない。

というわけで、ぼくは黙々とぼくが売れると思う試作品を作って周囲の人たちから評価をもらい、修正しようと悩んだり、とりあえず商品のような作品のようなものを職場に増やし、事実上ギャラリー化しようと画策している。

ぼくがやろうとしてることって、基本的にすべて彼らにとっては新しいことなのでいくら丁寧に説明してもピンとこない。

だからぼくがまずサンプルを作って、目が見える人には視覚で、見えない人には手で触ってもらう必要がある。

というわけで、なにかに口を出すだけではなく、自分で1からサンプルを作らねばならない。めちゃくちゃ手を動かしている。

いまちょっと凝ったものを作ろうとしていて、月曜日から作りだしてまだできていない。たぶん今週いっぱいかかる。たいへん。

ちなみにぼくが作業している目の前で椅子に横になって寝ているのはスタンリー(会長)。

今日は来客があった(10分くらい)のでお疲れだったのかもしれない。

それを見ているとぼくも疲れてきた。色を塗る作業はぼくには単調すぎるのかもしれない。

忍耐力…、ペイシェンス…、グリット…、心頭滅却すればなんとやらで、とりあえず塗りきって、今日の最低限の作業は終了。

燃え尽きた。

それで、ぼくはゆったりしながら精神が回復するのを待って、次はPRの仕事でキャッチ-な言葉を考えたり、フォロワー増やないととぼーっと考えていたら、ファビーナ(秘書)がにやにやしながらやってきた。

「これさー、(中1の息子の)教科書なんだけど、ブックカバーをね、したいの。YUKI手先が器用じゃない?…作ってくれないかなと思って…私やったことないから」

いろんな感情が湧き起こったけれど、ぼくの方もいろいろ逆算していついつまで〇〇して、△△しないと…成果、成果…って焦りもあって精神的によろしくない日々を特に今月は過ごしていたなと思って、引き受ける以外に事実上選択肢はなかったし、いっしょにつくることした。

この教科書は彼女の知人・友人(の子ども)からのおさがりで、いくらかはくたびれている。いくらかは彼ら彼女らの兄弟へさらにおさがりとして返却することになったり、他の知人・友人の子どもの下に来年は行くからできるだけ使用感をなくしたいのだそうだ。

へぇーと思いながら、午後は結局ブックカバーを作りつつの雑談だけで終わってしまった。

別にどうこうとうわけではないけれど、ちょっとした気分転換にはなった。

気づいた人もいるかもしれないけれど、今日のタイトルは少し前のドトールのキャッチコピー。

世の中には、がんばっている人がどんなにたくさんいるか。
ドトールは、誰よりもそのことを知っています。
暑い日も、寒い日も。傘が役に立たないような雨風の日も、電車を
止めてしまうほどの雪の日も。会社のために、家族のために、
そして自分のためにがんばる人たち。だからこそ、ドトールは思うのです。
そんな人たちには、「がんばらない時間」をあげたい。すっと肩の力を
ぬく時間。ほっと我に返る時間。ぽおと遠くを見つめる時間をあげたい。
なぜなら、それが、次のがんばる時間に必ず役立つことを、私たちは
知っているからです。そのためには、とびきりおいしいコーヒーがいります。
気軽にすわれる椅子もいる。ひとりでいることが心地いい空間も、
空腹をしずめるおいしい食べものもいるのです。
思えば私たちが、この30年間がんばってきた店づくりは、人々の、
そんな「がんばらない時間」のためだったのですね。
人々がいそがしく行き交う街の中に、一軒のドトールを見つける。
それだけで、人の緊張がやわらぎ、その街がちょっと
やさしい街に見えてくる。これからも、ずっと
そんな店でありつづけたいと願う、私たちドトールです。

ちょうど、というか今月は特に、どういうコンセプトでどの側面を世の中に訴えて、どんなふうにこのセントビンセント視覚障害者協会をブランディングするのがベストなのかをずっと考えているからか、今日のその何気ない時間が、かつてドトールでカボチャのタルトをなんの考えもなしに食べてコーヒーをすすりながら読書にいそしんでいた懐かしき日々をコピーとともに思い出した。

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