あんた、この25セントはここじゃ使えないわよ
最近ちょっと困っていることがあるんだけれど、その前に、この国のお金を紹介していなかったので紹介しておこう。
見出し画像のお札は東カリブドル(イニシャルを取って通称ECドル)。セントビンセント、セントルシア、ドミニカ、クリストファー・ネイビス、グレナダ、アンティグア・バブーダの6ヵ国とアンギラとモントセラトの2地域で流通している通貨。
そしてここに写っている人物はイギリスのエリザベス女王。
上の6ヵ国は独立国だけど、イギリス連邦国の一員で、それぞれエリザベス女王を国家元首としている。あとの2地域はイギリスの海外領土。
独立国なのに、自国の通貨がなくて国家元首がイギリスの女王?と疑問を持つだろうけれど、これらの国々の人口は平均10万人くらいでほんとに小さな国だから、維持流通させるのに割に合わないというのと、西インド連邦諸国の通貨の後継という歴史というか流れがあるのだと思う。
それで、国家元首はエリザベス女王と言いつつ、それは日本における天皇のようにあくまでお飾りの象徴的なものなのだそうだ。だから、王位が変われば通貨のデザインも刷新されるのかもしれない。
この東カリブには歌手のリアーナの出身地であるバルバドスやトリニダード・トバゴがあるけれど、それらの国はそれぞれ自国の通貨を持っている。
さて、本題に入ろう。
以前からときどき、スーパーで「このコインはだめ、別のにして」と言われることがあった。けれど、ぼくは気にも留めなかった。
理由は、多くの途上国がそうであるように、物理的に汚いお金って受け取ってくれないときがあって(洗濯したのかくしゃくしゃになってたり、泥と汗でへなっていたり…)、セントルシアで研修を受けていた時もすごい嫌がられたから、このあたりでも事情は同じかと察していたからだ。
コインも古いとか汚いとかそういうことなんだろうなと思っていたわけだ。
だけど、何度も断られていると、さすがに「なんでやねん、コインやぞ」と思ってくる。
それで、我慢の限界がきたぼくは、「なんでですか、同じきれいな25セントやないですか」と問うた。
するとレジのおばさんは、これはここのお金じゃないのよと答えた。
何を言ってるのかわからなかったんだけれど、下記の写真を見て欲しい。
右側に1ドル、25セント、10セントのコインがある。東カリブドルだ。
左の少し小さい10セントと同じくらいの大きさの25セントがぼくが出したお金。照明の関係で銅に見えるけれど実際は同じ色。
この国にも記念硬貨はあっていろんなデザインのものを見てきたから、sれだろう、そんなことも知らないのかと思っていたのだけど、実はこの25セント、トリニダード・トバゴの25セントコインだった。
あと、バルバドスの25セントも財布の中でみつけた(それは処分してしまった)。
念のために言っておくと、ぼくはトリニダード・トバゴにもバルバドスにも行ったことはない。
つまり、誰かからお釣りとしてもらったものだということだ。
この東カリブ地域はなんだかんだで飛行機で1時間以内にどこでも行き来できる距離感で近い。人の行き来もわりに活発。
だから、間違えたんだと思う。トリニダード・トバゴやバルバドスの人が。
それをなんの確認もせずに受け取って、同じようになにも考えない人がお釣りとして、なんも考えないぼくに渡したということだろう。
ぼくでさえ、こんなに遭遇してるんだから実はもっと誤って流通してるんだろうと思う。
このあたりのスーパーでは、買い物をすると商品を買い物袋に入れてくれるのだけど、たまに前後の人の商品が誤って入っていたりする。ぼくはこれまで、失ったものはないけれど、ブランシュガー3㎏とガムが入っていたことがある。
何が言いたいかというと、ゆるい。てきとう過ぎる。
ぼくが利益を受ける分には問題ない。(なんとでも言うがいい!)
けれど、行く予定もない国の通貨をもらったところでまったく嬉しくない。
25セントだから日本円で10円くらい。なにも買えないけれど、損してるんだからムカつく。だって、この問題に気づいてしまったから、今度からコインを受け取るときはいちいち確認せにゃならんじゃないか。
あー、煩わしい。
DAY216
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