世界はそれをアレルギーと呼ぶんだぜ!

良いアイデアを思いついた。

うちの視覚障害者協会にはロゴがない。だから、学校でロゴをつくるコンテストと開催してはどうかと。

これはあれだ、夏休みの交通安全ポスターの制作と同じだ。

あれはつまるところ、全国のちびっこたちに交通安全ポスターを作らせるという行為によって、間接的に交通安全について考えさせるようになっているわけだ。

同様に、視覚障害者協会のロゴ制作というアクティビティによって、視覚障害について考える時間を強制的に埋め込むことができるわけだ。

いやー、良いPRだ。確実に認知度はアップするし、長く考えた分、記憶にも残りやすい。我ながら惚れ惚れする。

カラルーという少しピリリと痺れる野菜を炒めていたときに少し冷静になった。

誰が審査するんだ?という問題だ。ロゴとはつまるところ視覚的に認識するものだから障害者の人たちには評価のしようがない。

凹凸のあるデザインにして手触りで判断できるようにするか?そんなこと現実的に生徒にできるのか、ロゴ決めは1回限りのコンテストか?それはどうんなんだ。では毎年ロゴコンテストを開催してもらうか、優勝者のロゴが向こう1年の公式ロゴとして使用されることとして。それは、どうなんだ、認知的に。ロゴって、組織のシンボルだからそうポンポン変えても良いものなのか。でも実質的に海外とのやりとりもなく、国内でも定期的に声明をだすような組織ではない場合、あまり関係ないから気にしなくて良いのか?(実際今現在ロゴは存在しないわけだし)

というか、認知はある。ただ、課題は視覚障害者がどんな人たちなのか、視覚障害とは?というところの理解が足りていないところにあると思っている。

そんなことをぼんやり考えながらカラルーを食べていたわけだ。

この聞きなれないカラルーという野菜はこの西インド諸島ではポピュラーで伝統的なもので、茎のあるほうれん草のようなもの。

定番料理はカラルースープといってどろっどろになるまでチキンなどといっしょに煮込んだスープ。優しい味のする、刺激的な味の多いカリブでは珍しいタイプの料理。イメージは緑色の参鶏湯。

このカラルーという野菜はおもしろくて普通に炒めるとピリリと痺れる味をだす。

辛いものは好きだけれど、はっきり言ってぼくはこのタイプのピリリは好きではない。けれど、パクチーがそうであるようにある程度の量を食べれば好きになるタイプの食材なのではないかと思いながら食べている(安いし)。

ここまでくれば賢明な読者諸君は察してくれただろうが、そのピリリはアレルギーだったようだ。

最近、他の隊員たちとスーパーに行ったとき、このカラルーって炒めると痺れる味がしておもしろいですよね、と話したらドン引きされて発覚したのだ。結構な量食べてきたけど、いつまで経っても好きになれないわけだ。

例えるならば、メロンのそれに似ている。

いやぁ、悲しい。

だって、ぼくなんでも食べられると思っていたんだもの。(メロンも一定数以上はアウトだけど)

カラルーっていう謎の植物にアレルギー反応がでるなんて。

新しい日々をつなぐのは新しい食とぼくなのさ、って思ってたから。

たんぱく質がほしいけど、冷凍の肉がぼくにはどうも無理で、人生で初めてコンビーフ缶詰に挑戦して適応していたのに。それまではコンビーフは犬のエサっぽくて食わず嫌いだったのに。ちょっとずつ、いろんなものを試していたなかでのことだったなあ。

家計に優しい野菜だったのになあ、カラルー。

そうか、これをアレルギーというのか。ヒーヒー言う辛さとはまた違うなと思っていたんだよな。

誰かに確かめないとヘンな味だな、こんなものをこの国の人は好んで食べているのかと思いながら食べ続けていたと思うとおもしろい。

新しい日々を変えるのは いじらしいほどの食なのさ

だからぼくら確かめ合う 世界じゃそれをアレルギーと呼ぶんだぜ!

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