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美術館・博物館レビーまとめ

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都内の美術館や博物館に行ったnoteの記事を、まとめました。
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2024年5月の記事一覧

『生誕150年 池上秀畝―高精細画人―』(練馬区立美術館)

『生誕150年 池上秀畝―高精細画人―』(練馬区立美術館)

【内容】
日本画家の池上秀畝の企画展。

※展示期間は終わっています。

【感想】
近代日本画には、古くからの師弟制度の元で修行を積んで絵の技術を習得する旧派の画家と、
学校で習うタイプの新派の画家がいて、池上秀畝は旧派の日本画家だそうです。
そのせいもあってから、同時代の他の新派の日本画家ほどは今まで評価されてこなかったとのことのようです。
私自身も、この画家さん自体のことはよく知らなかったので

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『GRAPHIC TRIAL 2024 –あそび–』(印刷博物館)

『GRAPHIC TRIAL 2024 –あそび–』(印刷博物館)

毎年、第一線で活躍するクリエイターとTOPPANが協力して新しい印刷表現を探るプロジェクトで、今回は日比野克彦や大島イデアなどが参加していました。
どう印刷したのかということに展示の主点が置かれていて、実際どういったトライアルをして完成したらポスターが出来上がったのかがわかる展示となっており、他の展示とは違った楽しみ方の出来ました。

https://www.printing-museum.org

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『マツオヒロミ展』(弥生美術館)

『マツオヒロミ展』(弥生美術館)

イラストレーターのマツオヒロミの展示を観に行って来ました。
本屋で画集を見掛けてから、とても気になっていたので観に行ってきました。
個人的な感想で言うと…
女性ファッション誌を更に艶やかにして、少女マンガ的な乙女チックなテイストにした不思議な絵柄。
デザイン的にも洗練されていて、なんちゃってファッション誌的なものをとりあえずやっているのではない感じのクオリティの高さ。
少女マンガとしての文脈やテイ

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『デ・キリコ展』(東京都美術館)

『デ・キリコ展』(東京都美術館)

【内容】
20世紀を代表する巨匠の一人、ジョルジョ・デ・キリコの回顧展。

【感想】
若い頃から、最晩年の作品まで揃った展示ということで、キリコの画業というのを観ることがでしました。

印象派の画家たちが活躍した頃から、1978年に90歳まで絵を描き続けてきた人だけに、その画風も時々で変化していてとても興味深かったです。
特に、アンディー・ウォーホルとの交流などがあったということで、ポップアートの

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「『門』-夏目漱石の参禅-」(新宿区立漱石山房記念館)

「『門』-夏目漱石の参禅-」(新宿区立漱石山房記念館)

夏目漱石と禅という切り口から、展示を行っていたので行って来ました。
漱石山房記念館は、漱石が亡くなるまで過ごした家、漱石山房の跡地に、当時の家の一部を再現した資料館です。
漱石の直筆の手紙や、趣味で描いていた水彩画や水墨画などが展示されていました。
芥川龍之介の直筆の和紙で墨書きされた手紙なども展示されており、かなり達筆で几帳面な文字で書かれているのが印象に残りました。

そういえば、最近はどこに

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『特別展「法然と極楽浄土」』(東京国立博物館)

『特別展「法然と極楽浄土」』(東京国立博物館)

【内容】
浄土宗の開祖である法然に関する展覧会。

【感想】
このところ仏教関係の本などを読んだりしていたりして、気になっていた観に行ってみました。

浄土宗関連の重要文化財がゴロゴロ展示されていました。

そう言った意味では、豪華な展示とも言えるかも知れませんが…
通常こうした展示、特に東京国立博物館、トーハクで行われるような大規模な展示では、学術的にその宗教についての関連資料なども陳列されてい

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『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』(東京オペラシティ アートギャラリー)

『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』(東京オペラシティ アートギャラリー)

【内容】
イラストレーターの宇野亜喜良の回顧展。

【内容】
イラストレーターの宇野亜喜良の大規模な展覧会開催されているということで、初台の東京オペラシティに行って来ました。

作品のクオリティとオリジナリティの高さと、量の多さに、結構驚かされました。
それに、イラスト、デザイン、絵画、アニメ、演劇の美術…と多彩な分野やメディア…
この人、画力が高く、以上に描くスピードが速いんだなあと感じました。

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