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THE TECHNOLOGY NOTE

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THE TECHNOLOGY REPORTは、テクノロジーの風向きへの感覚を言語化・体系化していくことで、手段先行に陥ったり、進むべき方向を見失わないようにするためのコンパスを作… もっと読む
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2023年5月の記事一覧

ロボットの未来

ロボットの未来

THE TECHNOLOGY NOTE更新6回目、今回のテーマは「ロボット」です。機械学習の急速な進化に伴ってさまざまな領域の技術が急速な進化をしています。現在はソフトウェア技術の進化として注目されがちですが、知覚系(音声認識/空間認識/画像解析)、知能/制御系(対話/動作最適化等)など、複数のソフトウェア技術を利用する「ロボット」も、大きく進歩することが予想されます。ロボットとはそもそも何なのか

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融けるロボット

融けるロボット

ロボットという存在について考えると、2000年以降の20年でその分野は大きく広がり、かなり身近な存在になったように思います。Sony「AIBO」、NEC「パペロ」、SoftBank Robotics「Pepper」などは一度は見たことがあるでしょう。パンデミック以降は、いわゆる非接触ソリューションとして、接客ロボットや配膳ロボットが導入されている店舗も増えていますよね。

ロボットの社会実装が進む

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じつは『ターミネーター』を初めて観たので「ロボット」について改めて考えてみた

じつは『ターミネーター』を初めて観たので「ロボット」について改めて考えてみた

 筆者はテクノロジーと人との関係を考える仕事をしているため、余暇にはSF映画や小説をなるべくチェックするようにしています。

 ただ、育った家庭の方針が "中学生以下の子どもが観ていい映画は暴力表現やベッドシーンがないものに限る"だったため、80-90年代前半に観る機会を逸したままの映画がたくさんあります。

 『ターミネーター』シリーズもその一つです。

 TTR編集部のnoteマガジンでは、

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ロボットに愛着してしまうわたしたち

ロボットに愛着してしまうわたしたち

ロボットについて話していると、気付いたら人工知能の話になってしまっていることがしばしばあります。人工知能はロボットを構成する要素のひとつですし、特段おかしいことではありません。人間について話すときにその知能や思考についての話題になることはおかしくないですしね。

このテキストは「THE TECHNOLOGY NOTE」の「ロボット」特集の記事です。過去に「人工知能」をテーマにした回はあり、また今回

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朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か。

朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か。

インホイールモータをご存知だろうか。
その名の通り、ホイールの中にモータが内蔵され、タイヤとモータが一体化した部品のことを指す。
元来、モータとタイヤは別れていた。モータがあって、そこからシャフトが伸び、その先にタイヤが付いている構造だ。
また、モータというのはそれ単体では動作しない。例えばどんな速度で回したいか指示をうける通信回路だったり、モータの回し方を決める制御回路だったり、回転数を監視する

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フィクションとしてのロボットと自律性(と命令)

フィクションとしてのロボットと自律性(と命令)

時代によるロボット像の変化ロボットという言葉は非常に不思議な言葉である。ある時は当たり前のように現在あるものとしてロボットという言葉を使っている。、一方で遥か未来に実現できるものとしてもロボットという言葉を使っている。

ロボットという言葉にはどういうイメージがあるのか、また、どういった変遷をたどってきたのかというのを見ていきたい(ただし、勿論当時を生きていたわけでもなく、主観的なものなのも多分に

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検索はどこへ行く

検索はどこへ行く

THE TECHNOLOGY NOTE更新5回目、今回のテーマは「検索」でした。昨今の対話型AIの登場によって、わたしたちにとって最も身近なアプリケーションの一つである「検索」にも、大きな変化が訪れようとしています。今後検索はどうなっていくのか?そもそも検索とは何なのか?検索にまつわる様々な議論の末、今回は以下の4本の記事が執筆されました。

なぜ最近のインターネットはワクワクしないのか?あのワク

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検索に探検心を取り戻す

検索に探検心を取り戻す

もうほとんど死語となってしまったが、かつて「ネットサーフィン」という言葉があった。
広大なネットの海に漂流しているコンテンツを、興味が赴くままに探索していく様をサーフィンになぞらえて、誰かがそう表現したのである。

もっともネットの海を探索していく行為は、個人的にはサーフィンというより潜水のようだと感じていた。
インターネットが普及し始めた当時、筆者は中学生だった。
夜な夜な親が寝静まった頃にPC

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言葉に依存しない検索は可能か?

言葉に依存しない検索は可能か?

ChatGPTを調べ物に使うといった用途にはじまり、BingやPerplexityといった、いわゆる大規模言語モデル(LLM)を採用した対話型AIを介した検索サービスが次々に登場しています。アルゴリズムの変化など、裏側の進化に比べて、ユーザインターフェイス(UI)自体には大きな変化がなかった検索エンジンにとって、新しい対話型UIはユーザの目にも新鮮に映りました。

ただ、対話型AIを介した検索であ

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森の中でゆるふわ検索

森の中でゆるふわ検索

🌲検索アルゴリズムは人工ニューラルネットワークだけのもの?

 現在の"AI"を押しすすめてきた人工ニューラルネットワークは、その名の通り、人間の脳の神経構造を模した仕組みになっています。
 GPTシリーズなどで話題のLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)も、自然言語処理の分野で用いられる人工ニューラルネットワークがベースとなっています。

 これらの技術によって「

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さよなら検索

さよなら検索

ググるのがうまい人と、下手な人が存在する。

実際問題、効率よく、素早く目的の情報に到達できる、検索力の高い人というのは現代の仕事の現場でも競争力が高いといえる。筆者は技術系のディレクションを生業としながらも、自分でプログラミングをすることもある。

プログラマーなんかの場合、よほどの上級者でもない限り、やったことがない実装をやるような場合、あるいは何らかのエラーでつまずいて解決できないような場合

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