マガジンのカバー画像

詩/短歌/その他

58
つれづれなる詩や短歌などの保管庫。
運営しているクリエイター

2021年12月の記事一覧

【詩】路地裏の宴/日常

【詩】路地裏の宴/日常

路地裏の宴

こんな寒い日に
こんな寂れた
路地裏にいるのは

野良犬と
負け犬と
名探偵に追い詰められた
犯人くらいか

そんな目で見るなよ
案外みんな
楽しくやってるんだぜ

野良犬は
ゴミバケツから引っ張り出した
パーティバーレルを
大事そうに咥え
路地の奥へ消えた

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

日常

非日常が繰り返されれば
やがてそれが日常となる

人間は慣れてしまう

もっとみる
【詩】足音/雪だるま

【詩】足音/雪だるま

足音あなたの後ろから
足音が聞こえてきても
それはきっと
悪いものではなくて

いや、正直に言うと
少し悪いものも混ざってる
でもいいものも
かなり混ざっていて

だから
どうか
もう少し
もう少しだけ
私とここにいて

そう言って私は
あなたの時間をかせぎたい

足音が聞こえる

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

雪だるま綺麗な丸にならなくて泣いた
頭と体がアンバランスで泣いた

もっとみる
【詩】雪の日、るるる/大丈夫

【詩】雪の日、るるる/大丈夫

雪の日、るるる外では雪が降っているみたいだけど
家にいれば関係ないから

そういうことを積み重ねてきた人生

かもしれないし違うかもしれない

雪の日はセンチメンタルるるるるる

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

大丈夫色々あるけど
とりあえず
朝、目覚められたから
君は大丈夫

さあさ
温かいコーヒー飲んで

…コーヒー飲めない?
じゃあちょっとだけ頑張ってよ
牛乳と砂糖入れていい

もっとみる
【俳句】食べ物・3句

【俳句】食べ物・3句

過去に作った食べ物系の俳句みっつ、置いておきまーす。アイキャッチ画像は「食べ物」で検索したらぢぇぃさんのめっちゃ可愛いイラストがあったので使わせていただきました💕

▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃

ケーキ屋でマカロンも買う賞与月

▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃

赤青黄色は違えどがらんどう

▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃

もっとみる
【詩】孤鳥/タイミング

【詩】孤鳥/タイミング

孤鳥

「ひとりでも寒くないように
羽毛をたくわえてきたから
私は冬がきても絶対死なない」

微笑んで
孤独な鳥は飛び立った

その後ろ姿は
寂しそうにも見えたけれど
それはきっと僕が寂しいからで

孤独な鳥は冬がきても
ほんとうに絶対死なないのだろう

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

タイミング

投げつけないで
押しつけないで

素敵な言葉を
立派な意見を

私が自ら
探しに行

もっとみる
【詩】ワタシ/飲み干した未来

【詩】ワタシ/飲み干した未来

ワタシワタシ、大好きだよ
たまにダメだなぁって思うけど
基本的に大好きだよ

ワタシ、
根は真面目だし
たまに面白いこと言うし
可愛いところもあるし
なんだかんだで切り抜けるし
ワガママに楽しんでるし
結構タフだし

あれ、ダメなところなくない?
ワタシ、大好き!

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

飲み干した未来ゴクゴク飲み干せ、特保飲料
細く健やかな未来の私が
ペットボトルの向こ

もっとみる
【詩】春待ち/Teardrop

【詩】春待ち/Teardrop

春待ち

何十回目の冬がきた
いつの間にか怪我が治っていた

傷跡すらなくて
もう怪我した場所も思い出せない

ただ「怪我をした」という記憶だけが
ぼんやり残る

きっとこの記憶さえ
あといくつか冬を越すうち
忘れ去る

そうして

やがて辿り着く終わりの春に
私は、笑っていますか

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

Teardrop

泣いても解決しない
涙は武器にならない
メイク

もっとみる
【詩】パライソ/擬音精舎の鐘の声

【詩】パライソ/擬音精舎の鐘の声

パライソ

聡明で優しい人だけの世界へ行きたい
でもそうしたらきっと
私は異物扱い
排除されるだろう
聡明で優しい人たちが
野蛮で冷酷な人たちに変わるだろう
私のせいで
私のせいで
御免なさい
もうしばらく現実で頑張るね

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

擬音精舎の鐘の声

うぉりゃー!
どかんどかん!
ずがががが!
ばきっ!
ぐはっ!
うおー!
ごごごごご!
ばしこんばしこん!

もっとみる
【詩】夜のゆりかご/皇帝ダリア

【詩】夜のゆりかご/皇帝ダリア

夜のゆりかご

隣で子供が寝息をたてる
この幸せな時間を
手放したくなくて
手放したくなくて
いつかくる終わりのイメージも
ぜんぶ束ねて
抱きしめ眠る
ここは温かい夜のゆりかご

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

皇帝ダリア

通勤路の皇帝ダリア
日に日にしょぼくれてゆく

悲しくないよ

君が来年またここで
笑ってること

私は知ってるから

【やんなる短歌】まとめ④

【やんなる短歌】まとめ④

-はじめに-
「やんなる短歌」とはごご茶が作った短歌の愛称のようなもの。嫌になっちゃう…やんなっちゃう…やんなる!という気持ちの時に短歌を詠むことが多い為この名称になった。たまにやんならない気持ちの時に詠んだ短歌が混ざるのはご愛嬌。

会社ヤダなどと言いつつドア開ける
それが私の強さでもあるいっつも口では「めんどくさいなー」「いやだなー」「行きたくないなー」と言っている私ですが、本来真面目なので(

もっとみる
【詩】冬の朝

【詩】冬の朝



凛と澄んだ空気に
遠い山並みの稜線は
より一層くっきりと

ああきっとあの山で
木々は静かに立っている
霜をまとって立っている

そう思ってはみたけれど
私は人間だから
寒さに弱い人間だから
木々のようには強くない

靴下を重ねばき
せめて心だけは凛と

行ってきます

【詩】夜

【詩】夜



夜が私を追い立てる
明日へ行けと追い立てる
引きずられるように
眠りへ落ちてゆく

【詩】息子へ

【詩】息子へ



どうか忘れないで
私がこの町で
今日は夕日が綺麗だなとか
寒くなってきたから厚い布団を
出さないとだとか
勿論、貴方がこの先
沢山笑ってますようにだとか
そんな事を考えながら
日々を過ごしていた事を

いいえ忘れて
そしてこの狭い世界の外へ
どこまでも遠く飛んで行け

【詩】Go ahead

【詩】Go ahead



さよなら
言って駆け出す

追いかけてくれるとか
期待してないけど



ちょっと期待してた
でも気配がないから
スピード緩めてみたけど
全然気配がないから

じゃあ仕方ないかと
加速を増して風に乗る

段々どうでも良くなって
気分も良くなって
気が付けば
ここは次のステージ