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聖書と信

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聖書はひとを生かすもの、という思いこみだけで、お薦めします。信仰というと引かれそうですが、信頼などの信として、ひとや世界を大切にする思いが、少しでも重なったらステキだな、と思いつ…
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2021年12月の記事一覧

罪の赦しによる救い

罪の赦しによる救い

幼子よ、お前はいと高き方の預言者と呼ばれる。
主に先立って行き、その道を整え、
主の民に罪の赦しによる救いを
知らせるからである。(ルカ1:76-77)
 
洗礼者ヨハネのことを父ザカリアが祝している言葉であるが、ともかくもキリスト者たちが、このヨハネのことをどう理解していたか、ということを示している。それは、私たちにも、そのように理解すべきだという指示にもなっている。
 
ここに「主に先立って行

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欧米に学ぶクリスマス

欧米に学ぶクリスマス

ヨーロッパの新型コロナウイルス感染症の新規感染者の数が半端なく多い。だが初期の流行期と異なり、人類はそれなりに相手を知るようになってきた。知恵を以て、対処の仕方を心得てきたために、経済を回していくように動いているように見える。最初は、敵がどう出るか分からないので、とにかく閉鎖をするなど、大胆な措置をも取っていたのだった。
 
インフルエンザも、怖い感染症である。毎年日本国内でも千人単位で死者が出て

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キリストが

キリストが

一人ひとりの心の中に、生まれることを願っています。幸せになるために。

『ベツレヘムの星』(宮田光雄・新教出版社)

『ベツレヘムの星』(宮田光雄・新教出版社)

古書店で偶然に見つけ、宮田光雄さんの名を見て、これは知らなかったと思い、購入した。「聖書の信仰」の著作集は全部読ませて戴いたが、本書はエッセイによる辞典のようで、魅力に思えたのだ。サブタイトルは「聖書的象徴による黙想」とある。クリスマスの黙想と称した序章の中で、そのクリスマスの記事の中に出てくる星だの光だのが、聖書では何かを象徴しているに違いない、という辺りから、聖書を象徴として読み解いていくこと

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『聖書と村上春樹と魂の世界』(上沼昌雄・藤掛明・谷口和一郎・地引網出版)

『聖書と村上春樹と魂の世界』(上沼昌雄・藤掛明・谷口和一郎・地引網出版)

偶然の出会いだった。「聖書」というキーワードで本を探すのは日常なのだが、遊び心でそこに「村上春樹」と加えてみた。するとヒットしたのが本書だった。2013年刊。でも知らないぞ。なんだ、これは。どうせまた興味本位で、素人同然の人が思い込みで何か書いているのに違いない、と詳細を見てみると、予想は裏切られた。聖書神学舎という保守的な団体で仕事をしている人、聖学院大学という立派なミッションスクールの教授で心

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星になりうる

星になりうる

学者たちはその星を見て喜びにあふれた。(マタイ2:10)
 
クリスマスの名場面である。占星術と天文学とがいっしょになったような、当時の賢者が何人か、はるばるイエスの誕生を訪ねるという物語。いったいユダヤの王として生まれた方はどちらだろう。とりあえずエルサレムに来てみた。きっとヘロデ王の後継ぎだ。王宮を訪ねると、そんな子はいないという。ヘロデが、見つかったら教えてほしいと謙虚な言い方をするものだか

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教会への思い

教会への思い

教会に文句を言ってはならない、という人もいる。特に牧会している立場からすれば、それは極悪のように感じるかもしれない。理念としてはそうである。ただ、組織としての教会は完全なものではないのだから、それに対してものが言いづらい人たちの代わりにと思い、私は、言うべきことがあれば言いたいと思っている。
 
また、教会組織に属するが故に、気づかないような問題点には、気づいた者が指摘する義務があると考えている。

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アドベントを迎えて

アドベントを迎えて

伝統的に「待降節」という語が温かい。12月というよりも、クリスマスまでのひとときという意味で迎えてもよいかと思う。クリスマス礼拝までの四回の礼拝は、クリスマスを待つという意味を濃くしたプログラムや説教を、教会は用意するのが普通である。「アドベント」は「アドベンチャー」という語にも関係する語で、あるところに向かってやってくる、到着する、そうした意味合いをもつ言葉になる。「アドベンチャー」だと、未来の

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