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現像したフィルム写真に、地元横浜への愛が詰まっていた。
その街のことをよく知っているからこそ、撮れる写真というものがあると思う。わたしはそういう写真がとても好きだ。普段から、人でも場所でも着飾ったよそいきの表情ではなく、いつもの飾らない姿を見たいと思う方で、物事がもつ素朴な一面を愛している。
春の近づくとある日、わたしは横浜で時間を持て余していた。仕事ついでに帰省したものの、実家の鍵を持っていなかったため母親の仕事が終わるまでひとり時間をつぶすことに
春の日に、花束を持って会いに行く。【写真30枚】
山形の春はすこし遅れてやってくる。わたしの住む土地では、ふきのとうが顔を出して、梅が咲いたらだいたい4月。それから桜が咲くまで2週間ほど。
冬の間、厚く空を覆っていた雲は薄くなり、気づけば青空が見える。やっと地上に光が届いたと思ったら、草木が目にも止まらぬ速さで成長していく。
世界が色彩を取り戻し、陽の気に包まれている!
まるで全ての命を祝福しているかのように眩しい。
それなのに、私ときたら
冬の栞 【写真30枚】
3月に入り、冬の終わりが見えてきた。この冬は、私が山形に越してきてからいちばん雪の少ない冬だった。地元の人に聞くと、ここまで積雪のない年は初めてだという。雪は大変だけど、やっぱりとても綺麗だから、少ないのもそれはそれで寂しいものだ。
寒くて自宅に引き篭りがちになってしまう季節。心と身体の健康のために、出来るだけ外へ出かけるようにした。東北暮らしも4年目になり、少しだけ乗り切るすべを身につけた気が
11月の晴れた日は小春日和【写真30枚】
肌寒さを感じるようになってきたものの、私の住む山形県鶴岡市は、本日の最高気温14℃。先の予報も17℃、18℃なんて数字がならんでいて、なんだか今年は暖かい気がする。このまま暖冬になれば良いのだけれど……。昨年水道管の凍結で苦労したことを思い返しながら願っている。
秋の太陽は相変わらずやさしかった。10月下旬から12月上旬にある、暖かい晴れの日を小春日和と呼ぶことに共感を覚えた。美しい日本語だなぁ
季節のなかで、一番やさしいのは秋だと思う【写真30枚】
秋の真ん中に立っている。陽の光は心地よくて、果物に芋栗南京、秋刀魚など、食べ物がほっこりおいしい。春夏秋冬のなかで一番やさしいのは秋かなと思う。
東北地方に越してからよりいっそう感じるようになった。ここに暮らす人たち皆、厳しい季節へ向かうから、「今だけは少しやさしくしよう」てな世界の計らいだろうか。
そんな季節に撮った日常写真をまとめておこう。こうして見返せるようにしておけば、厳しい冬にもやさ
笹川流れの遊覧船で、おもしろ岩とかもめに出会う。【新潟旅】
9月に入り残暑はまだまだ厳しいものの、朝晩の風にどこか切なげな香りを含むようになった。大きくどっかりとしていた雲は、ぼんやりと薄く延びはじめ、確実に秋が近くまで来ている。
私は焦っていた。夏のうちに、どうしてもやりたいことがあるのだ。夏風邪や車の故障のせいで先延ばしになっていたそれは、笹川流れの海で遊覧船に乗ること。
笹川流れは新潟県村上市にある海岸で、その11kmつづく線上には変わった形の大
小さなウェディングパーティのすすめ。
2023年8月の某日、私たち夫婦は親族を招いてささやかなウェディングパーティを開きました。
元々、結婚式に対して苦手意識があり、パーティすらしないと決めていた私ですが、祖母の「どうしてもまきちゃんの晴れ姿が見たい」というひと言をきっかけに、何か思い出に残ることをしたいと思い立ちました。
「どんな形ならできるだろう?」と相談をしながら、結婚式から苦手な部分を取り除き、ミニマムに開催した結果、心か
なつかしの東北沢へ。稲岡亜里子さんの写真展へ行きました。
2021年10月、憧れの写真家である稲岡亜里子さんの展示が下北沢のGreat Booksで開催されました。まだまだわたしが写真をライフワークにすることなど考えていなかった20代前半の頃、今はなき『BiRD』という雑誌を通して稲岡さんのことを知りました。
『BiRD』はTRANSIT系列の雑誌で、いつも素晴らしい写真家の方々のお写真が表紙を飾り、中を開くとまた写真集のように美しい貴重な雑誌でした