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𝚂𝚘𝚞𝚟𝚎𝚗𝚒𝚛.

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旅の記憶 Ⅲ( Mar.2023~ )
『 旅の記憶 』の バックナンバー(3冊目)です。直島から、あたらしい海のまちで 暮らしはじめて。
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「文章を書く」ことで生まれる出会い│純喫茶・カフェ巡りのエッセイ

「文章を書く」ことで生まれる出会い│純喫茶・カフェ巡りのエッセイ

Mar.2023

どうしてなのか、文章を書くことが好きだ。
だれに頼まれたわけでもないのに、気がつけばこうして文章を綴っている。

はじめて書いたのは Twitter で、ミニブログのような使い方をしていた。140字に自分の感じたことを簡潔にまとめるのは難しいけれど、それが楽しくもあった。たった4枚の写真を選び、美しくレイアウトすることも。

けれど入ってくる情報があまりにも多く、必要のないもの

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一生に一度の、 春の景色を。 │奈良・吉野

一生に一度の、 春の景色を。 │奈良・吉野

Apr.2023

いま一番行きたい場所に、迷わずに行くと決めた。

それは遠くでなくてもいいし、些細なことだって構わない。ただ『 自分の気持ちを、後回しにしない 』ことが、わたしの人生の命題なのだと 思えるようになった。

いつかではなく "いま" の 自分 が、行きたい場所や
やりたいことを、迷わずにすること。

白川郷で、合掌集落に 泊まること。
善光寺で、 7年に1度の 本尊の

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愛のありか│ルーブル美術館展

愛のありか│ルーブル美術館展

Jul.2023

今年の夏は、随分と酷暑だった。

風は すこしずつ 秋めいているように思えるけれど、
夏の終わりは、まだ見えない。

四季のなかで、「終わる」と 表現される 季節は
" 夏 " だけなのだと、誰かが 言っていた。

もっとも 生命力に 溢れる季節で ありながら 、
どこかに ずっと、死の影を 孕んでいる 。

忘れていたものを 思い出し… そしてまた、別れる

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1年振りの、東京へ。│ マティス展

1年振りの、東京へ。│ マティス展

Aug.2023

「 あなたが はじめて行った、展覧会を 憶えてる? 」

会社からの帰り道に立ち寄った古本屋で、偶然 美しい図録を手にしたときに、その答えを思い出した。

2012年 、『 大エルミタージュ美術館展 』。
国立新美術館で開催された この展覧会が、記憶の限り
わたしが最初に 足を運んだ展覧会だった。

当時 わたしは高校生で、美術を専攻していたものの、
アート鑑賞については さ

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停滞期の日に│Fluctuat nec mergitur.

停滞期の日に│Fluctuat nec mergitur.

Sep.2023

時々 訪れる『人生の停滞期』が、1年ぶりに
やってきた 。

とはいえ、数年前までは(とても頻繁に)思い煩うことが あったのだと思い出せば、それが " 1年に一度 " に なったのだから、充分なのかもしれない。

1年前の ちょうど今頃、小豆島を 旅していた。

夏の終わりの 美しい棚田の道を歩きながら、「来年オーストラリアに行く」のだと、いきいきと出発の準備をしていた、大

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白百合のあなたへ│Mount of Beatitudes

白百合のあなたへ│Mount of Beatitudes

31th Dec.2023

暗闇へ進もうとする わたしの手を引いてくれたのは
双子の姉のようなひとだった。