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飛び降り自殺未遂レポ

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2020年8月17日、13階建ての建物の屋上から飛び降り自殺を図るものの、助かっちゃった人の入院日記。
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#リハビリ

家事が苦手だ

家事が苦手だ

朝起きてから、活動的になるまでのスイッチの切り替えにものすごく時間がかかる。

体力を消費する。

そのためのガッツがどうしても湧いてこない時は、朝ご飯を食べて歯磨きをしたら、すぐに二度寝をしてしまう。

朝起きてからスイッチの切り替えをする前にすぐに寝ることによって、再びスムーズに就寝できる。

昼になってから寝ると、うまく寝付けなかったりするから。

朝起きてからなかなか活動的になれないのは昔

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リハビリの日だったよ

リハビリの日だったよ

おいしいものを食べると大抵の悩みは解決する。

今日はお昼に豪勢に肉をいただいたので、私の抱えるちっぽけな悩みなどはこれで解消されたと言っていい。

せっかく痛い思いをして、左手の指に包帯ぐるぐる巻きにするリハビリを頑張ったのにあまり効果がなかったのか、今日はリハビリの人に「指の関節が固い」と言われた。

そのかわり今日は新しい器具をもらった。

例によって指を引っ張ることで関節を柔らかくするやつ

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映画「はじまりのうた」観た

映画「はじまりのうた」観た



プロデューサーの頭の中で、主人公の歌に楽器が加わっていってセッションになるシーンがとても素敵。

愉快な仲間たちと開放的に演奏するパートが主になる。

人生の目標に向かって生き生きと前進する姿が眩しいや。

互いのことを信頼し合って、
足踏みしてる人生が動き出し、
もうダメかと思った問題もいい方向へ向かっていく。

曲のアレンジで揉めた後、ふたりの原点に立ち返ったバラードで全体を締め括る。

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暗黒の思い出

暗黒の思い出

こういう体になると、失った左腕がまた動くようになったら、自分はものすごく快活な人間になって、幸せになるんじゃないかっていう妄想する。

飛び降りる前も、そう快活な人間ではなかった。

むしろ今の方が活動的になれているとすら言えるかもだ。

全身に重りがついたように動きにくくなり、歯磨きをしたり風呂に入ったりということすら億劫になってくる。
飛び降りる前は、よくそういう状態になり、
「ああこれは鬱病

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栗日記 リハビリ編60

栗日記 リハビリ編60

訪問看護があった。

今日の報告書を読んだ相談員さんに、「本音で話してくれてうれしい」
と言ってもらえた。

面談があるたびに、近況報告をA4 1枚になるように打ち出す。

内容はnoteに書いていることと大体同じ。

自分が身体に障害を負ったことで、家事を人任せにできているから楽だとか、
1日中眠っていても怒られないようになったから楽だとか書いた。

「前向きな思考は疲れる。本当はそんなこと考え

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栗日記58:フールの方が好き

栗日記58:フールの方が好き



今日は姪っ子のお宮参りだった。

赤ちゃんの手はまだ、私の指を握るのにやっとという大きさだった。

ミルクを飲むのも眠るのも一生懸命だった。

生きていた。

生きているというのは不思議だと思った。

そして面白い。

私が小さい頃は、叔父さんや叔母さんにすごくよくしてもらった思い出がある。

私もこの子を愛したい。

今は色々と自分のことで手いっぱいだけども。

今日こそは、途中まで見ている

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栗日記57:This is me(笑)

栗日記57:This is me(笑)

整形外科通院の日。

朝は二度寝の習慣がついているから、病院へ向かう車内で寝る。

今月末のレントゲン撮影で超音波治療の段階を確認する。

左太ももに貼る大きい絆創膏は、小さい絆創膏× 2になった。

私の左腕の指は関節がどうも硬くなっているようで、圧迫しながら曲げると指の付け根がすごく痛い。

訓練するしかない。

痛みがあるリハビリをしてる時は、頭の中はいつも
「あの日死んでおけば」
でいっぱ

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栗日記56:こんな日もある

栗日記56:こんな日もある

朝起きたら朝ごはんを食べて寝る。

そのまま正午まで寝る。

昼起きたら昼ごはんを食べて寝る。

そのまま夕方まで寝る。

夜起きたら夜ご飯を食べる…。

本日、私はお布団と結婚した。
幸せになります。

体(特に左腕)が重く、何もする気にならなかった。

映画も見ていない。
絵も描いていない。

こんな1日もある。

昨日から私は、風呂を沸かすことに成功している。

独立に一歩近づいた。

左手

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栗日記55:グラン•トリノ

栗日記55:グラン•トリノ



少年とオヤジの絆を描いた作品に弱い。

「菊次郎の夏」とか。

「天気の子」にも少しその要素があってたいへん胸がいっぱいになる。

“男の会話”をタオに仕込んでるシーンが好きすぎる。

あれだけやっといて急に常識的なことを言い出すあたり、オヤジ共はかなりのやり手だった。

愛車は単なる移動手段じゃない。

自己表現であり、魂であるということ。

コワルスキーの魂はタオに受け継がれた。

最初は

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栗日記54:グレイテスト・ショーマン

栗日記54:グレイテスト・ショーマン



見どころがたくさんある映画は、もしかしたら2周目が一番楽しいのかもしれない。

初見では気づかなかった発見に溢れているから。

私も飛び降りなんてする前にこの映画見返せばよかったかも。

主人公の子供役の子達が大変可愛らしい。

バレエシューズもらって、嬉しくてくるくる回ってるシーンはもう悶絶。

一つの映画のために何曲も名曲を作る人がいる。
すごすぎる。

個人的には、サーカス団員が暴徒たち

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栗日記53:自殺する自分は弱い人

栗日記53:自殺する自分は弱い人

今日は訪問看護の日。

「自殺する人は弱い人。敗北者。」

「死にたいなんて気持ちはみんな抱いてる。その上で実行に移してしまう人は、その先の人生を生きていく体力のない人。私がそうだった。」

「自殺という結末を迎えてしまうと、それまでの人生のすべてをネガティブに捉えるようになってしまう。何もかも間違いだったと思えてくる。」

「支えてくれる両親がいなくなった後の人生が全く想像できない。」

そんな

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栗日記 リハビリ編50

栗日記 リハビリ編50

今日は整形外科医の通院の日だった。

左太ももの傷はもう少しでふさがる。

前にも言った気がするけど今度こそ本当に治る。

リハビリの人に、もう少し服の着脱などを1人でできるようになるため、練習するよう言われた。

今介助してくれている母や両親に何かあった時のために、独り立ちの準備が必要なんだ。

左腕周りの筋肉がついてきて、リハビリの人からも軽く動かせるようになったと言われた。

お酒飲んでいい

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栗日記 リハビリ編45

栗日記 リハビリ編45

私は自分の死後の世界に全く興味がない。

自分が死んだ後、残された人々が何を思い、どう動くのかに関心が持てない。

自己中心的な性格ゆえなのだと思う。

この性格のおかげで、私はあの日、簡単にビルから飛び降りることができた。

「私が死んだ後の世界のことなんて知ったことじゃない。私が死んでいる時点で、それは存在しないも同義だ」
と本気で考えていた。

思い違いも甚だしい。

私ひとり消えたところで

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栗日記 リハビリ編44

栗日記 リハビリ編44



「ボヘミアン・ラプソディ」でラミの演技を見比べてみると、雰囲気が違いすぎてもはや比べられない。

演技って本当に凄い。

コメディにはやっぱりこれぐらいの大団円が似合う。

ヒュー・ジャックマンが本人役で出てきて大分ビビった。

死にたがっていた私を死なせてくれなかった上に、左手まで持っていった神様が若干憎い。

実際には、もっともっと重篤な障害が残っているはずだったところを、左腕の後遺症だけ

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