栗日記 リハビリ編45
私は自分の死後の世界に全く興味がない。
自分が死んだ後、残された人々が何を思い、どう動くのかに関心が持てない。
自己中心的な性格ゆえなのだと思う。
この性格のおかげで、私はあの日、簡単にビルから飛び降りることができた。
「私が死んだ後の世界のことなんて知ったことじゃない。私が死んでいる時点で、それは存在しないも同義だ」
と本気で考えていた。
思い違いも甚だしい。
私ひとり消えたところで、世界は問題なく存在するんだよ。
今は左腕が回復していく様子をイメージしながら、この1年は駆け抜ける。
左腕が徐々に効くようになって、服の着脱も自分1人でできるようになる。
紙の本も読めるようになって、生活上の不自由はどんどんなくなっていく。
再手術は、するにしてもしないにしても、半年から1年後になる。
左腕周りの筋肉をつけることで解決する課題はたくさんありそうなので、毎日のトレーニングを意識する。
私の自殺は
「私はこんなに悩んでました」
って周囲にアピールすることを目的にしたものじゃなかった。
未遂で終わらせる気がさらさらなかったし、死ねば将来のことを考える必要がなくなるなどと思っていた。
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