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飛び降り自殺未遂レポ

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2020年8月17日、13階建ての建物の屋上から飛び降り自殺を図るものの、助かっちゃった人の入院日記。
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2021年1月の記事一覧

栗日記 リハビリ編51

栗日記 リハビリ編51

20歳の時くらいから、映画にはまり始めた。

あんなに大好きだったはずのアニメから徐々に離れ始め、気づいたらほとんどアニメを見ない人間になっていた。

趣味と言うのも変遷していくもので、一般的なオタクたちが社会に出るにつれて、オタクではなくなっていくようなものなのか。

オタクがオタクじゃなくなるなんてなんだかつまらない。

客観的に見てつまらないと思わせるおじさんにはなりたくない。

死んでさえ

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栗日記 リハビリ編50

栗日記 リハビリ編50

今日は整形外科医の通院の日だった。

左太ももの傷はもう少しでふさがる。

前にも言った気がするけど今度こそ本当に治る。

リハビリの人に、もう少し服の着脱などを1人でできるようになるため、練習するよう言われた。

今介助してくれている母や両親に何かあった時のために、独り立ちの準備が必要なんだ。

左腕周りの筋肉がついてきて、リハビリの人からも軽く動かせるようになったと言われた。

お酒飲んでいい

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栗日記 リハビリ編49

栗日記 リハビリ編49

私って人間は大変な神経質で、
「耳にかかる物」に対して意識がいってしまう。

眼鏡。
髪。
マスクの紐。
なんか色々かかる。

許せない。

せめて髪をなくそうと、美容院に行くと、耳の周りを刈ってしまったりする。

以前は眼鏡も嫌で、コンタクトを使っていた。

今は片腕が動かないので、コンタクトができない。

私は東京で職を失って地元に帰ってきた。

地元での生活は私が東京で暮らしていた時にずっと

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栗日記 リハビリ編47

栗日記 リハビリ編47

今日は訪問看護だった。

相談員さんに、今までの人生で
「何が1番嫌だった?」

「本当に言いたい事は何?」

「本当はどうしたかった?」
と聞かれた。

私は今までの人生、結構やりたい放題やってきたと思う。

それでもその上で、本当は何が嫌だったかと聞かれた。

嫌だと感じたのは、自分が能力のない人間だと証明されることだと思う。

自分が周囲に信頼されていない人間だと実感することだと思う。

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栗日記 リハビリ編46

栗日記 リハビリ編46



私はモーガン・フリーマンが好きでたまらない。

どの作品で、どの役であってもすごくいい味を出してるよね。

旨みそのものみたい。

連鎖する暴力の果てに、終盤になってキッドが実は人を殺したのは初めてだと告白するシーンが大好き。

「信じられるか」
「あいつもう息をしないんだ」
と泣きながら言うキッドは初々しくてとってもかわいい。

「殺人を非道な行為だ」
と改めて言うマニーの言葉には重みがあり

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栗日記 リハビリ編45

栗日記 リハビリ編45

私は自分の死後の世界に全く興味がない。

自分が死んだ後、残された人々が何を思い、どう動くのかに関心が持てない。

自己中心的な性格ゆえなのだと思う。

この性格のおかげで、私はあの日、簡単にビルから飛び降りることができた。

「私が死んだ後の世界のことなんて知ったことじゃない。私が死んでいる時点で、それは存在しないも同義だ」
と本気で考えていた。

思い違いも甚だしい。

私ひとり消えたところで

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栗日記 リハビリ編44

栗日記 リハビリ編44



「ボヘミアン・ラプソディ」でラミの演技を見比べてみると、雰囲気が違いすぎてもはや比べられない。

演技って本当に凄い。

コメディにはやっぱりこれぐらいの大団円が似合う。

ヒュー・ジャックマンが本人役で出てきて大分ビビった。

死にたがっていた私を死なせてくれなかった上に、左手まで持っていった神様が若干憎い。

実際には、もっともっと重篤な障害が残っているはずだったところを、左腕の後遺症だけ

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栗日記 リハビリ編43

栗日記 リハビリ編43

まずは半年間、自宅で超音波治療を始める。

左肩の、骨ができていないところに機械を当てて超音波を照射する。

これによって骨ができる速度が1.4倍になるそうな。

神経の回復にも効果があるみたいだけどはっきりした事は言えないっぽい。

今日は初めてCTの機械に入った。

これで自分の骨格の3D映像も作成できるすごい機械。

どうしても私は病院と言う場所が嫌いだ。

好きな人そんなにないと思うけど。

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栗日記 リハビリ編41

栗日記 リハビリ編41



奇跡。
かわいいの奇跡。
すずちゃん、あなたは奇跡。

「ブルーアワーにぶっ飛ばす」を観て以降、夏帆さんが好き。あのなんともいえない、脱力した雰囲気。

日本の映画は、「なんか気が重くなる」とか「テンポが悪い」とか言って、今まで見てこなかった。

今後はもう少し見てみようかなと思う。

個人的に好きなのは佳乃ねーちゃんがお葬式終わって速攻でビール飲んでたところ。

今日は訪問看護があった。

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栗日記 リハビリ編40

栗日記 リハビリ編40

左腕の肘が以前よりもさらに動きやすくなった。

今までのように背筋を意識しなくても、肘を曲げようと思えば曲げられる。

今日は精神科の診察があった。
「自殺願望はなかなかなくならないね」という話をした。

先生はどちらかというと、僕の話より、
僕の様子を見ている両親の意見の方を聞きたがっているように見えた。

映画をたくさん見ていると、そのうち映画を見ることに脳が慣れてくる。

物語は視聴者が「こ

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栗日記 リハビリ編39

栗日記 リハビリ編39



個人的にはリメイク版も好きなんだけどこっちの方がさらに好き。

後味の悪いラストは特に愛せる。

リメイク版はキャリー役のクロエちゃんが美人すぎて“悲劇のヒロイン”感が強調されているように見えちゃった。

1976年版はシシーさんがあまりにもハマり役で、血塗れキャリーに覚醒する前からもう怖かった。

リメイク版のバケツ血糊のクオリティがやけに低く見えたのはなんだったんだろう。

とりわけ印象に

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栗日記 リハビリ編38

栗日記 リハビリ編38



ローマな漢たちのキン肉に見惚れる。

完成された肉体を持つ男達で画面は埋め尽くされ、何やら暑苦しい会議が始まる。

しかし筋肉が生み出す反射光の魔術により映画に集中できない。

しかしそれはこの映画のたくさんある見どころの一つに過ぎない。

主人公ジュダ・ベン・ハーの真っ直ぐすぎる瞳に射抜かれたら、どんな人間のハートもイチコロ。

そして顔は見えないイエス様。

当時の時代背景では、神も悪魔も

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栗日記 リハビリ編37

栗日記 リハビリ編37

最近はとても「お酒が飲みたい衝動」に駆られる。

私はもともとお酒大好き人間だから仕方がない。

布団に寝ながら冷静に過去のことを考えたりしていると、死にたくなる。
いつもそうだが。

私ひとり生かすために、膨大な人数の手間と思い、お金がかけられている。

もしまたここで自殺でもすれば、じゃあやっぱり1回目の自殺の時点で成功させておけばよかったねという話になる。

手術にかかったお金、たくさんの人

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栗日記 リハビリ編36

栗日記 リハビリ編36

今日は整形外科の通院の日。

私の左腕の骨は隙間ができていてまだくっついていない。

骨と骨の間の「建設材料」が足りない。

超音波治療を始める。

体の別の場所から、骨を移植する必要があるかもしれない。

来週CTを撮って、その結果によって再手術が必要かどうかを判断する。

ということだった。

今更、骨?

神経が断裂してしまって、これから動くように回復するかわからないと言うのに。

骨をくっ

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