愛着障害の常識のなさについて|感情に関する常識は愛着のパイプを通って伝達される
愛着障害と愛着不全の人の常識のなさについて解説します。この常識、人間関係を作る上で、単なる知識的なものに留まらず(とどまらず)、感情的にどう反応するかという常識が重要です。この感情と常識については、後半の質問で解説します。
こちらの記事でとりあげた、ラジオおやすみカフェへの質問ですね▼
虐待か?虐待ではないか?|虐待ではないのに虐待として治療するメリットは?
ひとつひとつ順を追って解説します。
※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■①愛着障害の人は世間知らず
愛着障害の人の常識のなさは、世間知らずです。日常生活や冠婚葬祭など、親が子どもに教えるようなことを教わっていません。
例えば、歯を磨くとか、顔を洗うとか、髪をとく、挨拶をするという日常生活に関わるもの。授業を聞きながらモノを食べない(思春期は除く)とか、一般常識に関わるもの。どんな感情のときにどういうムードを出してどのように反応すればいいのかなど、人間関係の共感に関わるものまで多岐に渡ります。
特に感情や感覚についての常識は重要で、普通だと24時間、ずっと養育者から吸収し続けています。
愛着障害の彼らは、TVを見たり、先生から教えてもらったり、友だちに教えてもらったりして、それを都度(つど)体得していきます。だから「つぎはぎ」の常識になるのです。
これはかりそめの成人期と似たような表現ですね。かりそめの成人期については▼
愛着不全は成人学童期+機能不全家族です|愛着障害の精神年齢は幼児期(成人期)です
そして、このかりそめの成人期、つぎはぎの常識とともに生きている愛着障害の人は、普通の人にとっては特殊な人のように見えますが、そうではありません。彼らはスナフキンの文法を使う吟遊詩人であることは、忘れないでいてほしいと思います▼
愛着障害の人は、スナフキンの文法を使って、空や風の言葉を紡ぐ
■②愛着不全と発達障害
愛着不全の人は、思春期心性です。思春期を生きている人です。ですから「自分中心に振る舞って」しまいます。自分の欲求を第一に考えます。思春期だから仕方ないですね。
これは、相手のことを考えていないように見えるため、共感がないと受け取られがちになります。この視点でみてしまうと発達障害と誤診します。
愛着不全の人の常識なさは、「分かっちゃいるけど止められない」ものからくるしつこさ、人間関係への強い依存傾向からくるものです。そこで止めておけばいいのに、どんどんと主張してしまう、そういう常識のなさとして現れてくるのです。
■③愛着不全と発達障害の見分け方は?
愛着不全と発達の見分け方は、まずは発達障害をちゃんと見分けられるようになることです。発達障害グレーゾーンまで鋭く見分ける力がついてくれば、愛着不全の人を発達障害とは誤診しなくなります。でも発達障害、なかなか見分けられません。グレーゾーンなんかは、実際、誤診しまくりの感があります。
ですから心理職の方は、しっかりと発達障害の研修を積み重ねて、臨床の現場でも多くの発達の方と出会ってください。心理職でない人は、この辺を見分けるのはムリですので、あきらめてください。
発達障害かどうかチェックしたあとで、その人の親を見立てることです。ここまで見立てられると、その人が愛着不全か発達障害かが確定します。グレーゾーンであっても自信をもって見立てられるようになるでしょう。
【その人がよく分からないときは、その人の親を見立てる】これが鉄則です。
■愛着のパイプと常識の伝達
追加で、常識についての質問がありました。
愛着障害の人の常識のなさについては、上の①で解説した通りです。「歯をみがく」というレベルの常識です。普通の会話に出てくる「常識」は、そういう生活習慣のものでなく、もっと抽象概念的なものが多いのではないでしょうか。そういう「常識」はここでは考えていません。「歯を磨く」常識に懐疑的な人はいないでしょう。
被虐児の常識のなさは主にそういう生活習慣に関わるものが多いです。けれど中学生くらいになってくると、友だちから教えてもらったりします。そうやってつぎはぎで常識を構築していくのです。
愛着形成が養育者とできていると、その愛着のパイプを通って24時間、養育者から生きるための知恵を教えてもらうことになるわけです。ふるまいや笑顔の返し方、どんな感情のときにどういう反応すればいいのかなど、人間関係の共感にかかわることも、そういう常識に入ります。知らず知らずのうちに得ているもの、それが「常識」になります。アナログ的に吸収していく感じでしょうか。
被虐者は、そのパイプがないために、自分で都度(つど)学習しないといけないので大変になります。普通なら自然と親から得られる共感の仕方などが、自分でなんとか補填していかないといけないので大変です。そんな大変さのある人生が愛着障害の人々です。
デジタル的で不連続に分断された知識になりがちで、そのために抜け落ちているところはたくさんでてきます。そしてその都度、補填していきます。その大変さを心理職の方々はぜひ想像してみてください。あなたの愛着の臨床が豊かになっていくでしょう☺
常識体(じょうしきたい)というメロンのような固まりをイメージしてみてください。その固まりの中身がぎっしりと詰まっているのが普通の人だとすると、愛着障害の人のそれは、中味に偏りがあって、スカスカな部分がある、そんなイメージです。
■まとめ
愛着障害の人の常識のなさは、日常生活の中のことから、感情の表現まで多岐に渡る。
常識のなさを補填するたびに、つぎはぎになっていく。デジタル的な常識体(じょうしきたい)になる。しかし、彼らは吟遊詩人であることは生きる希望である。
愛着不全の人の常識のなさは、人間関係への強い依存からくるもの。
常識は、愛着のパイプを通して24時間、伝達されるもの。そこには感情に関する常識や共感も入っている。
□全国ジャズ喫茶めぐり|ラジオおやすみカフェ
今日のラジオおやすみカフェのテーマは…全国ジャズ喫茶めぐり。詳細はラジオをお聴きください。
リンクを張ったのは、志木のお隣の朝霞市にあるジャズ喫茶「海」です☺
■他の助けを求めるのもいいでしょう
あなたが愛着の問題を抱えている場合は、自分の物語を十分に話せる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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