いないことにしてきた自分とは｜ようこそ、あなたのコンプレックス冒険物語へ
あなたには、たくさんの見たくない自分があるかもしれません。それがいつか立ち現れてくるとき、あなたの冒険は始まります。まだ見ぬ世界へ旅に立つときが迫ってきています。準備はできましたか？
スタエフのリンクから飛べるソレアさんのサイト 「当センターの方針」に胸が打たれました。 質問なのですが「いないことにしてきた自分」を発見する過程で『抵抗』は出ますか?
たとえば優等生型の愛着不全なら「爆裂な反抗心や怒り」、逆に問題児型の愛着不全なら「愛されたい依存心」とか。愛着障害なら「尊厳を奪われてきた事実」など。
それらを認めることは、なけなしの矜持（きょうじ：自尊心）が霧散するような恐怖があるのではと思ったのですが、ただの門外漢の妄想でしょうか?
私は上手く生きられてなくて、時々エアポケットに落ちて、社会生活を何とか続けるためにカ ウンセリングに行くことがあるのですが、普段の3倍増しの頑固な自分になってしまい、自分で行っててカウンセリングを無駄にしてしまいま す。進撃の巨人のウォールマリアのような強固な壁が出現します。これって何なんでしょうか。
※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■いないことにしてきた自分
サイトに書いた「いないことにしてきた自分」を再録しておきます。
相談者とカウンセラーの間には、柔らかなノン・バイオレンス（非暴力）な空気が流れており、そこで相談者は安心して「いないことにしてきた自分」へ降りていけます。その柔らかな関係性の中でカウンセラーは、相談者が語るファンタジーを大切に取り扱い、そのファンタジーを乗り越えてゆく創造的なものを読み解き、フィードバックしていきます。
いないことにしてきた自分とは、見たくない自分、葬り去りたい自分です。ですからそれを発見しようというのですから、抵抗は当然出てきます。しかし、カウンセリングとは、そういう自分を探しに出て救出する冒険物語です。ファンタジーです。
■２つのファンタジー
愛着障害の話の中で出てくるファンタジーは、母親の幻でした。存在しないものです。
ソレアの方針で書いたファンタジーは愛着障害向けというより、あらゆる精神疾患の回復に必要とされる治癒力、冒険物語です。実際に存在するストーリーです。いないことにしてきた自分は、幻ではなく、リアルな現実であるということです。
■コンプレックスを隠して生きてきたことからの脱却
いないことにしてきた自分と遭遇することとは、コンプレックスと向き合うことになります。これは、これまで築いてきたなけなしの自信や自尊心を吹っ飛ばしかねないですね。それが吹っ飛んだら、もう日常生活を送れないところまで追いつめられるかもしれません。
質問者さんのいうように、恐怖も当然吹きだすでしょう。
これが冒険物語の序章なんですね。冒険物語の序章は、いつもハラハラさせられることが起きます。
ただ「いないことにしてきた自分」は、誰でもない、あなた自身なんですね。そのことに気づいていくと、その自己理解が進んでいくと、自分が歩んでいるファンタジーストーリーは、自分の未来に、まぎれもなく繋がっていくことを実感するでしょう。カウンセリングはそういうあなたをサポートし続けます。
■抵抗に逆らわないこと
ウォールマリアの壁が出現しようとも、それに逆らわないことです。それも、あなたの冒険物語の一部として、あなたの経験に取り込んでいくことです。
強固な壁を感じているあなたは、いま「いないことにしてきた自分」に接近しています。
いないことにしてきたため、それに接近する自分を、全力で排除にかかるこころの力が働いているのです。そのくらい「見たくない自分」「宇宙の藻屑（もくず）と葬りさりたい自分」なのです。
その自分と和解していく作業、それがカウンセリングです。なかなか壁は強固かもしれませんが、幾度となく壁と対峙している間に、壁抜けできるスキルを身に付けるかもしれません。ねじまき鳥クロニクルの主人公が井戸の底で、壁抜けをする力を身に付けたように。
さぁ、壁を抜けて向こう側へいって、いないことにしてきた自分を救出しにいきましょう。
あなたの冒険物語が大団円のうちに終わることを、こころから願っています。
■まとめ
いないことにしてきた自分とは、見たくない自分、葬り去りたい自分
愛着障害のファンタジーは、幻であって限定的。
あらゆる精神疾患を回復に導くファンタジーは、現実の治癒力です。コンプレックスと向き合って、あなたの冒険を進めよう。
立ち現れる抵抗に逆らわないこと。
□今日はなんてことない日｜ラジオおやすみカフェ
今日のラジオおやすみカフェのテーマは…ふつうの一日が始まって終わる。詳細はラジオをお聴きください。
■他の助けを求めるのもいいでしょう
あなたが愛着の問題を抱えている場合は、自分の物語を十分に話せる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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