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なぜ子どもが怖いのか?愛着障害と愛着不全のそれぞれの理由

子どもが怖いということに対して質問をいただきました。こういう人の多くは愛着の問題がある人々です。その視点からお返事しします。

子どもが怖い友人がいます。子どもが怖いから子どもを作りたくないと、夫との性交渉を拒否しています。彼女は愛着障害なのでしょうか。

高間しのぶの質問箱より

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■子どもが怖い愛着障害

愛着障害の人が子どもが怖いという理由はシンプルです。シンプルですが、理解しにくいシンプルさです。

愛着障害とは「親密さの病」でした。子どもは無条件に親を信用して愛着を向けてきます。この無条件に向けられる親密さが怖くなるのが愛着障害の親密さの病です。

仲良くなるのが怖いというのは、普通の人には意味不明ですよね。誰でも普通は、好意をお互いに確認しながら親交を深めていくわけですから。

こういう人には、だんだんと距離を縮めることが定石です。警戒心を露わに(あらわに)している猫に接するように接するわけです。通常の信頼関係というのは、犬に接するようにフランクに垣根を越えていくように作られます。その方法ではダメということですね。

これをやると愛着障害の人は逃走します。始終くっ付くのではなく、離れたりくっついたりしつつ、幅を狭めていく。

犬ではなく、猫。これが愛着障害の人々への接し方のコツです。

以前、身長が2メートルを超える、がたいのいい外人男性が、子犬がしっぽを振って近づいてくるのを、冷や汗をかいてじっと見ている光景を目撃したことがあります。彼は愛着障害でした。

◇どんな怖さか?

愛着障害の人々の子どもへの恐怖ですが、精神分析家のフライバークが「赤ちゃん部屋のお化け」という表現をしています。

お化けとは、周産期の母親や乳児期の子どもを持つ母親が不意に襲われる、子に対する不安や恐怖、いらだちの例えで、乳児虐待をしている母の中で、自らも被虐体験をもつ母親を観察して名付けられたものです。

高橋和巳, HCMカウンセリングセミナー資料, 2019

育児をしていると自分の子どもがお化けのような恐ろしいものに思えるという心性を表現したものです。そのくらい愛着が怖いのですが、この概念は、乳児虐待と被虐体験が結びつけられて述べられており、虐待の世代間連鎖という誤解を生むきっかけにもなった論文です。一部は正しい、一部は誤りという、なんともやるせない論文になってしまいました💦

■子どもが怖い愛着不全

一方、愛着不全の人は、犬に接するように接してほしい人々です。犬のように求めてきますから、犬のようにいっぱい撫でてほしいのです。

愛着不全の人が子どもが怖いという理由は、ちょっと入り組んでいます。

子どもの時期に、大人扱いされて、大人の行動を取ることを要求されて生きてくると、【子どもは子どもを生きられなくなります】。ここが子どもが怖い感情の素(もと)です。

ここでいう子どもの時期というのは、イヤイヤ期以降のことをさしており、幼稚園~小学生、つまり学童期の子どもたちですね。学童期以降、大人扱いされて放置や干渉されてきた子どもたちが愛着不全になります。「これくらい自分でやりなさい」と放置されたり、親の好みを押し付けられて干渉されると、そうなってしまいます。子どもを生きている実感がなくなるわけです。

子どもを生きた実感がないと、どうなるか?それは【大人になれません】。子どもを満喫した体験がないと大人になれません。なぜなら、子どもというものを十分に自分の中で体験的に理解していないと、その(子どもの)対照として「大人はこういう人」という理解ができないからです。大人のイメージがあやふやになる感じですね。

このあやふやな大人イメージのまま子育てをすると、いまいち子育てに自信を持てません。結果、子どもが怖くなるのです。

子育てをするには、自分の中に、しっかりとした大人のイメージを持っている必要があります。そのためには子どもの頃、子どもを満喫した体験が必要なのです。

■まとめ

  • 愛着障害の人は、子どもが無条件に親密を振りまいてくる無邪気さに恐怖を覚えます。

  • その恐怖は、お化けに遭遇したような怖さです。

  • 愛着不全の人は、子どもになった体験がないので、大人にもなれません。大人のイメージがないまま子育てをしている自信のなさによって、子どもが怖くなります。


□愛着はこだま|ラジオおやすみカフェ

今日のラジオおやすみカフェのテーマは…金子みすゞの詩。詳細はラジオをお聴きください。ある人から金子みすゞの詩を教えていただきました。

  • 愛着とは、こだまのようなものです。

「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「ばか」っていうと
「ばか」っていう。
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
そうして、あとで
さみしくなって、
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。

こだまでしょうか 金子みすゞ

■他の助けを求めるのもいいでしょう

あなたが愛着の問題を抱えている場合は、自分の物語を十分に話せる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。

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