子どもをバカにする親の気持ちがわからない|親も子どもだからです
親の精神年齢が子どもと同等ならば、親は子どもを自分の兄弟のように扱います。その中でバカにすることもあるでしょう。
こういう親は子どもとの関係ばかりでなく、友人や会社でも同じような関係を作りがちです。質問者さんの場合、ご主人の親が自営ですから、自分のやりたいようにやることができて、これが社会の規範に触れることがないというデメリットにつながっていて、結果、自分の幼稚さに気づかないという悪循環に陥っています。
自営がもたらす子育ての最大のデメリットといえるかもしれませんね。
※ラジオではちょっと違う視点から話しています。音声とこのテキストの両方ご視聴いただくと広い視点から理解が進むかもしれません▼
カウンセリング、いつもご苦労さまです。満足いただけていますでしょうか。愛着不全のご主人と親との関係の質問ですね。整理すると、
■双子なら回復は早い
ご主人も大変ですね。その大変なことに気がついてきたのは奥さんのあなたが変化(回復)しているからだと思います。親に支配されてきた子どもは自分がヘンな環境に育っていることさえ分かりません。
夫婦は他人ですが「近い他人」です。この関係性ゆえ、お互いの影響を強く受けます。ですからどちらか一方の見える景色が変わると、もう一方の景色も変わっていきます。これは「双子のカメレオン」ともいえるかもしれません。ちなみに、夫婦は「双子」になるときも、ならないときもあります。
■子どもになれない子ども
子どもに親の気持ちを理解しろと言う親のほとんどは、親が子ども状態に退行しています。というよりも、成長していません。親も子どものままです。親が子どもだから、自分の面倒を子どもに見させようとしている関係性がそこにはあります。
退行ならまだいいですね。子どもでなかった時期があるのですから。ただ、このような例では、退行というより、成長ストップです。
だから【子どもは子どもになることができません】。子どもらしいふるまいをすることができなくなります。いつも親にサービスしないといけない状況です。小さい頃からご主人は子どもにもなれずに、親の指示通りに動いてきたのでしょう。親の面倒をみさせられたのです。【ガマンしながら親の子守りをしてきた】のです。
こういう親も、脳機能の問題がなければ、愛着不全のことが多いです。つまりご主人と同じなんですね。けれどご主人と決定的に違うのは、ご主人はそれに気づいたということです。そして、これは雲泥の差なんです。
なぜなら、気づけばあとは回復へ向けて進めばいいからです。
■愛着不全の連鎖
愛着障害は世代間連鎖しませんが、愛着不全はこのように世代間をまたいで連鎖していくことが多いです。しかし、ご主人は、実家と絶縁しているとのこと。自分の親の関係性に気づいたので、絶縁したのでしょう。そうやって家族の連鎖を断ち切ろうとしている。これはとても良いことです。
ご主人も、自分の人生にとって一大事業をやろうとしています。この事業は大改築になりますが、それでもそれをする価値は十二分にあります。自分たちの子どもにも良い影響を与えるでしょう。なぜなら、親が親になってくれるからです。そうしたら、子どもも子どもを生きられます。
応援していますよ!ご主人がもし困難にぶつかっていたら、夫の相談ということで、あなたがカウンセリングで相談してください。
■兄弟姉妹の差
ご主人だけ親の役割を負わせられて、残りの子どもは自由にやれているのでしょうか。これはそのように見えるだけで、実は他の子どもたちも親のコントロール下に置かれていることが大半です。
他の兄弟たちはそれにまったく気づいていないのでしょう。自分たちだけ優遇されているという幻とともに生きています。
親と同じように自分の不全感に気づかずに生きています。すると彼らの子どもたちにそれが連鎖していくので、その子どもたちが苦しみ出します。その子どもの苦しみを見て親たちが気がつけばいいのですが、それもなかなか難しいこともあります。
しかしご主人はそれに気がついているわけですので、あなた方の家族だけでも新しい家族の風景を生きることができますように。あなたたち家族が自分たちの家族を生き出せば、ご主人のご兄弟の家族も気がつくかもしれませんね。
ひとりではなかなか気づけません。家族という大きな単位で見渡すと、見えてこなかったことも見えてくるかもしれません。
■子ども(思春期)心性の捉え方
「愛着不全(思春期心性)」と「愛着障害でかりそめの思春期」についての質問をいただきました。
「愛着障害で精神年齢が思春期の親」という想定は、机上では考えられますが現実的にはないかもしれません。私も経験したことがありません。なぜなら親になるわけですから、すでに「かりそめの思春期」を脱していて、「かりそめの成人期」を生きている可能性が大きいからです。せっせとビクビクしながら子育てをしているのが現状です。思春期などやっている間がありません。
子育てをしている愛着障害の親は「かりそめの成人期」である、としてよいでしょう。
もしかりそめの思春期の愛着障害の母親がいたら、彼女は早いうちに「かりそめの成人期」に達するでしょう。そうしないと子育てできませんから。しかし、これは回復しているわけではありません。あくまでも「かりそめ」です。
多くの愛着障害の人は、カウンセリングを受ける前は「かりそめの成人期」で生活しています。
そして本当の回復は、幼児期→学童期→思春期→成人期と、短期間で駆け足のように成長します。通常20年かかるところを数か月程度で通過することすらあります。なぜこんなに早い成長を経験するのか。それが回復を辿っている証です。これについてはリンクを張っておきますのでご覧ください。▽
▶精神年齢を育てるカウンセリング|タマシイの発達を体験する人々
■愛着不全の回復のための5つのポイント
今回は愛着不全の話でした。ポイントを5つにまとめます。
愛着不全の回復➊:子どもに「親の気持ちを察しろ」と要求する親のもとでは、子どもは子どもになれません
愛着不全の回復➋:子どもになれなかった子どもは、大きくなって親になることもできず愛着不全になります
愛着不全の回復➌:愛着不全は連鎖します。
愛着不全の回復➍:自分が愛着不全だと知って、見捨てられ不安を克服すること。この一大事業にとりかかりましょう。
愛着不全の回復➎:他の兄弟は普通に育っているように見えるのは、その兄弟のほうが闇が深いかも。
■他の助けを求めるのもいいでしょう
あなたが愛着の問題を抱えている場合は、自分の物語を十分に話せる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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